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2008年11月22日 『マクナイーマ』舞台挨拶

macu_1.jpg 開催初日の11月22日、有楽町朝日ホールにて、ブラジルのジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ監督(1932-1988)の代表作『マクナイーマ』が上映された。日本人のブラジル移住100周年である今年は、日本ブラジル交流年。それを記念し、第9回東京フィルメックスではアンドラーデ監督の修復版プリント5作品が日本初上映される。特集上映前の舞台挨拶には、アンドラーデ監督の娘マリア・デ・アンドラーデさんと、駐日ブラジル大使館公使のジョアォン・バチスタ・ラナリ・ボさんのお二人がゲストとして登壇し、上映の喜びを語った。

林 加奈子東京フィルメックスディレクターからの紹介で、まずは駐日ブラジル公使のジョアォンさんが、「ブラジル大使館の名において、日本人のブラジル移住100周年記念である、ジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ監督特集の舞台挨拶に出席できることは大変喜びであります。どうもありがとうございました」とコメントした。

続いて、前日にブラジルから来日した、アンドラーデ監督の娘マリアさんが上映の喜びを次のように語った。
「ジョアキン・ペドロの作品を日本で初めて紹介していただき大変光栄です。東京フィルメックスの主催者と4年にわたり話し合いを進めた結果、本日みなさまの前でご挨拶できることに感激しています。本作品の修復に尽力した私の兄弟とブラジル教育省、ブラジル外務省、ブラジル映画博物館、PETROBRAS、東京フィルメックス、そして駐日ブラジル大使館に、この機会を実現してくださったことに感謝いたします」

macu_4.jpg また、今回上映される作品についてマリアさんは「非常に選び抜かれた、シネマ・ノーヴォの代表的な作品。シネマ・ノーヴォの特徴は、ブラジル国民のアイデンティテイを肯定的ないしロマンティックな形ではなく、批判的で自省的な形で表現していること。ジョアキン・ペドロはブラジル文化を独自の視点で眺め、鋭い批判、明晰さ、そしてユーモアのセンスで表現した」と解説し、『マクナイーマ』については、「ブラジル映画の象徴的な作品で、ジョアキン・ペドロの全生涯の最も重要な作品」と位置づけた。

『マクナイーマ』はブラジルの民話であり、モダニズムの創始者であるマリオ・デ・アンドラーデの同名の小説の翻案である。1920年代に「食人主義」という概念を用いてブラジル文化の価値の再発見を目指した作品であり、本作はそれを映画で表現した作品。近年、世界的に再評価され、その個性的な作風が注目されている。

この作品は、12月6日(土)18:00よりアテネ・フランセ文化センターでも上映される。

(取材・文:鈴木自子)

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投稿者 FILMeX : 2008年11月22日 15:00


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