2006年05月16日
今年で45回目を迎えるカンヌ映画祭・批評家週間(5月18日-26日)のラインアップは以下の通り。日本からは中野裕之監督の短編作品「IRON」が選ばれている。
○長編作品
Drama/Mex (ヘラルド・ナランホ)メキシコ
Friss Levego/Fresh Air(アーグネシュ・コチシュ)ハンガリー
Komma(マルタン・ドワイエン)ベルギー
Sonhos de peixe(キリル・ミハノフスキー)ブラジル=ロシア=アメリカ
Den brysomme mannen/The Bothersome Man(イェンス・リーエン)ノルウェー
Pingpong (マティアス・ルータルト)ドイツ
Les amities malefiques(エマニュエル・ブルデュー)フランス
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今年で38回目を迎えるカンヌ映画祭・監督週間(5月18日-28日)のラインアップは以下の通り。西川美和監督(『蛇イチゴ』)の最新作『ゆれる』は、新作の長編作品としては、公式部門や批評家週間を含め、今年、日本からの唯一のエントリー作品となった。
○長編作品
A Fost sau n-a fost?(Corneliu PORUMBOIU)ルーマニア
Anche libero va bene(キム・ロッシ・スチュアート) イタリア
Les Anges exterminateurs(ジャン=クロード・ブリソー)フランス
Azur et Asmar(ミシェル・オスロ)フランス=イタリア=ベルギー=スペイン
Bug(ウィリアム・フリードキン)アメリカ
Ca brule(クレール・シモン)フランス=スイス
Changement d’adresse(エマニュエル・ムーレ)フランス
Congorama(フィリップ・ファラルドー)カナダ=ベルギー=フランス
Daft Punk’s Electroma (トマ・バンガルテル、ギ=マニュエル・ドゥ・オメン=クリスト)アメリカ
Dans Paris(クリストフ・オノレ)フランス
Day Night Day Night(ジュリア・ロクテフ)アメリカ=ドイツ
Feher tenyer/White Palms (ザボルチ・ハイデュ)
The Hawk is Dying (ジュリアン・ゴールドバーガー)アメリカ
Honor de Cavalleria(アルベール・セラ)スペイン
The Host/Gue Mool(ポン・ジュノ)韓国
Jindabyne(レイ・ローレンス)オーストラリア
Lying(M.ブラッシュ)アメリカ
On ne devrait pas exister(HPG)フランス
Princess(アンデルス・モルゲンターラー)デンマーク=ドイツ
Sommer 04 An Der Schlei / Ete 2004 au bord de la Schlei(シュテファン・クロマー)ドイツ
Transe/Trance(テレサ・ヴィラヴェルデ)ポルトガル=フランス=イタリア
ゆれる/Sway(西川美和)日本
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第59回カンヌ映画祭が5月17日に開幕する。それに先立ち、公式部門、監督週間、批評家週間の各部門のラインアップが先日相次いで発表された。
最も注目を集めるコンペティション部門には20作品がエントリー(5月11日現在)。ナンニ・モレッティ、ペドロ・アルモドバル、アキ・カウリスマキ、ケン・ローチらのいわゆる常連組から、既に一度はレッド・カーペットを経験している作家たち(ブルーノ・デュモン、ニコル・ガルシア、パオロ・ソレンティーノ、ロウ・イエ、ヌーリ・ビルゲ・ジェイランなど)、そして、キャリアは様々だがコンペ初登場となる監督たちまで、常連組が軒並み顔を揃えた昨年と比べて、比較的多様性のあるラインアップとなった。ただ、地域的には欧米の比重が随分高くなっており、アジアの作品はロウ・イエ(中国)の『Summer Palace』のみと、やや寂しい結果となっている(トルコをアジアと見なしたとしても、ヌーリ・ビルゲ・ジェイランの『Iklimer』と併せて 2本)。その辺りのバランスを取るためか、今年の審査委員長は香港出身のウォン・カーウァイ。彼を中心に、映画監督と俳優のみで構成される今年の審査員団が最終的にどんな決断を下すのか、世界の注目が集まる。
公式部門の他の部門に目を転ずると、「ある視点」で新進作家の発掘と地域的な多様性を示しながら、特別上映作品で華やかさや話題性を加え、さらにはブニュエル劇場のプログラムでドキュメンタリー作品、クラシック作品、あるいはフィクションの小品を上映するという、比較的少数精鋭のプログラムでありながらも、“カンヌ”ならではの懐の深さを示そうとする姿勢は相変わらず。ここから発信される多様な作品たちが、今後どのように世界に受け入れられていくのか、今年もまた楽しみなサイクルが始まろうとしている。 (文/神谷直希)
第19回シンガポール国際映画祭レポート(映画祭期間:2006/4/13-4/19)
<1>映画祭の特色について
今年19回目を迎えたシンガポール国際映画祭は、1980年代末から一貫してアジアに焦点を当て、特に東南アジアの動きをフォローし続けている。
また、次のような特徴があり、東京フィルメックスと共通する部分もある。
・国や自治体などの主体によらず行われる
・首都で行われている
・アジアの新進の才能を励ますことをねらいとする
・世界の映画を集め、観客にオルタナティブな視点を紹介していく
さらに、特徴的な点としては、観客が映画を見に行きやすいよう、上映プログラムは土日および平日の夜に組まれ、その分、17日間にわたる比較的長い日程となっている。
観客の年齢層は20代から60代までと幅広く、普段の映画館に行く延長上で見に来ている感もあり、映画祭の定着感を伺わせる。
・会場:4会場(地下鉄の各駅に分散、各150?250席程度の規模)
シネコン内の会場2箇所、国立博物館映像ホール、アリアン・フランセーズ
・上映本数:長編 約130本(ドキュメンタリーや短編も含めると約300本)。
今年のプログラムの目立った点としては、
・アラブ映画特集(15作品)
・シンガポール映画が存在感を示したこと(新作4本、旧作3本)
・フィリピンのデジタル・シネマの多様な動き
(※その他、プログラム詳細については、4/19付の開幕情報の項もご覧下さい)
第19回シンガポール国際映画祭で「やわらかい生活」最優秀作品賞受賞
「あひるを背負った少年」NETPAC/FIPRESCI受賞!
第19回シンガポール国際映画祭のシルバー・スクリーン・アワード・コンペティションの結果が4月28日に発表され、廣木隆一監督「やわらかい生活」が最優秀作品賞を受賞した。
また、イン・リャン監督「あひるを背負った少年」もNETPAC/FIPRESCIを受賞した。
(映画祭期間:2006/04/27-05/05)
<1>映画祭 概観
第7回チョンジュ国際映画祭が4月27日から5月5日にかけて開催された。東京フィルメックスと同じ2000年にスタートを切り、インディペンデント映画作家やアート映画を積極的に支援するチョンジュ映画祭は、東京フィルメックスと共通する部分も多い。
近年目覚ましい勢いの韓国映画界においても一定の地位を確立しつつある。
・会場
・上映本数 42カ国から194本
映画祭参加を通じてもっとも強く印象づけられたことは、何よりも「若い」ということ。事務局のスタッフも、ボランティアスタッフも、観客もみな若い。そのにぎやかさと熱気が映画祭を特徴づけているように感じる。期間中は、平日昼の上映を除けばどの上映回も観客であふれ、上映後のQ&Aも積極的に監督への質問が寄せられていた。