世界の映画祭だより



2009年04月17日
第22回シンガポール映画祭(4/14-4/25) 開幕

シンガポール映画祭 公式サイト

第22回シンガポール映画祭では、34か国から193作品(ワールド・プレミア25本、アジア・プレミア34本)が上映される。

オープニング作品「Sincerely Yours」は、台湾で働く外国人違法労働者たちを描いた台湾のリッチ・リー監督の第1作。クロージングは、トルコ映画の「Milk」(Semih Kaplanog監督)。

アジアの長編映画のコンペティション部門は、中国映画3本ほか、東南アジア、韓国、イランなどから新進監督による12作品がラインナップされている。(なお、『マキシモは花ざかり』のアウレウス・ソリト監督による新作『BOY』は当局の検閲により上映キャンセルとなった。)

日本から『歩いても 歩いても』(是枝裕和監督)、の『人のセックスを笑うな』(井口奈己監督)がコンペ外部門で上映される。

特集上映としては、<アモス・ギタイ回顧上映>、ラット・ペスタニーなどの作品も含まれた<タイ・フィルム・アーカイブ25周年記念特集>が組まれている。

また、今年からシンガポール映画の長編を対象にしたコンペティションが新設され、ロイストン・タン監督の『12Lotas』など6作品がノミネートされている。これまでシンガポール映画は短編コンペのみが行なわれてきたが、長編の製作が増えつつある傾向を迎え成長のきざしのあるシンガポール映画に脚光をあてるものとなる。参加資格として、主なロケ地がシンガポール国内であり、監督・プロデューサー・脚本家・俳優ら製作スタッフがシンガポール人または永住権保持者であることとされ、いまだ確立されていない「シンガポール映画とは何か」というテーマを模索する機会ともいえる。

12日間に渡って、市内8会場にて開催される。国立博物館映像ホールをメインに徒歩圏内に会場を設定し利便性を高めている。また、週末の深夜上映も6年ぶりに復活し、国立博物館の敷地内で無料の野外上映も行ない、アート志向の層に留まらず幅広い観客の参加を促している。

以上

投稿者 FILMeX : 17:59

2007年04月16日
第20回シンガポール映画祭(4/18-4/30) 開幕

シンガポール映画祭 公式サイト

第20回シンガポール映画祭では、40か国から300作品(ワールド・プレミア4本、インターナショナル・プレミア4本、アジア・プレミア16本)が上映される。

オープニングは、スリランカのPrasanna Jayakody監督の長編第一作「Sankara」。
クロージングは、「オペラジャワ」インドネシアのガリン・ヌグロホ監督。

Silver Screen Awardsの対象となる、アジアの長編映画のコンペティション部門は、11作品。中東からインド、東南アジア、韓国、中国などからの幅広い作品がラインナップされ、シンガポール映画「Solos」やフィリピン映画「The Woven Stories of The Other」などの新進監督も紹介される。また、昨年の東京フィルメックスの上映作品「アザー・ハーフ」(イン・リャン)、「スクリーム・オブ・ジ・アンツ」(モフセン・マフマルバフ)、「オペラジャワ」もプログラムされている。

Asian Cinema部門では、日本から廣木隆一監督の「M」、他にインドネシアをはじめ東南アジア作品が目立っている。

また、5つの特集上映が組まれており、特に第20回記念特集として歴代のシンガポール短編コンペティション受賞作37本を上映する。

他に、没後25周年ファスビンダー特集(11本)、音楽ドキュメンタリー映画(8本)、アラブ映画特集(7本)、エジプトのノーベル文学賞受賞作家で、昨年他界したナギーブ・マフフーズ原作の作品(2本)が上映される。

第20回を迎えたシンガポール国際映画祭は、東南アジアにおける最初の国際映画祭として東南アジアのハブとなり、ネットワーク作りを支えてきている。
 また、シンガポール自国の映画をバックアップして、短編コンペティションでの顕彰やプレミア上映などにより、エリック・クーやロイストン・タンなどの監督を紹介してきている。長編劇映画の製作本数が年間数本程度というシンガポールの映画状況ではあるが、活性化を促す機会を作り、地道にサポートを続けている。

 なお、特筆すべき点として、1987年の創設以来、チェアマンGeoffrey Malone氏とディレクターPhilip Cheah氏が継続して任にあたっており、映画祭としての一貫したベースを固めて活動している。
(報告者:森宗厚子)

投稿者 FILMeX : 16:05

2006年05月09日
第19回シンガポール映画祭 レポート

第19回シンガポール国際映画祭レポート(映画祭期間:2006/4/13-4/19)

<1>映画祭の特色について

 今年19回目を迎えたシンガポール国際映画祭は、1980年代末から一貫してアジアに焦点を当て、特に東南アジアの動きをフォローし続けている。

 また、次のような特徴があり、東京フィルメックスと共通する部分もある。
・国や自治体などの主体によらず行われる
・首都で行われている
・アジアの新進の才能を励ますことをねらいとする
・世界の映画を集め、観客にオルタナティブな視点を紹介していく

 さらに、特徴的な点としては、観客が映画を見に行きやすいよう、上映プログラムは土日および平日の夜に組まれ、その分、17日間にわたる比較的長い日程となっている。
 観客の年齢層は20代から60代までと幅広く、普段の映画館に行く延長上で見に来ている感もあり、映画祭の定着感を伺わせる。

・会場:4会場(地下鉄の各駅に分散、各150?250席程度の規模)
 シネコン内の会場2箇所、国立博物館映像ホール、アリアン・フランセーズ

・上映本数:長編 約130本(ドキュメンタリーや短編も含めると約300本)。

今年のプログラムの目立った点としては、
・アラブ映画特集(15作品)
・シンガポール映画が存在感を示したこと(新作4本、旧作3本)
・フィリピンのデジタル・シネマの多様な動き

(※その他、プログラム詳細については、4/19付の開幕情報の項もご覧下さい)

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投稿者 FILMeX : 13:09

第19回シンガポール映画祭 受賞結果速報

第19回シンガポール国際映画祭で「やわらかい生活」最優秀作品賞受賞
「あひるを背負った少年」NETPAC/FIPRESCI受賞!

第19回シンガポール国際映画祭のシルバー・スクリーン・アワード・コンペティションの結果が4月28日に発表され、廣木隆一監督「やわらかい生活」が最優秀作品賞を受賞した。
また、イン・リャン監督「あひるを背負った少年」もNETPAC/FIPRESCIを受賞した。

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投稿者 FILMeX : 12:30

2006年04月19日
第19回シンガポール映画祭(2006/4/13-29) 開幕

第19回シンガポール映画祭では、40か国から300作品(ワールド・プレミア3作品、インターナショナル・プレミア8作品、アジア・プレミア15作品)が上映される。

プログラムではアラブ映画が目立ち、オープニング作品は、レバノンのJocelyn Saab監督によるで、これはエジプトを舞台にベリー・ダンスを学ぶ女性を描いたドラマとなっている。

そして、特集上映“The Secret Life of Arabia”では、イラク、シリア、パレスチナ、レバノン、エジプト、モロッコなどの最近の作品16本を紹介(イエメンで撮られた初の長編劇映画「A New Day In Old Sana'a」や、綿井健陽監督「Little Birds -イラク戦火の家族たち」も含む)。

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投稿者 FILMeX : 12:56



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