「映画」の時間

【レポート】「映画で日本を再発見!『お早よう』 Rediscover Japan: “Good Morning”」

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2月2日(火)に第10回<「映画」の時間>として、「映画で日本を再発見!『お早よう』英語字幕付き上映会」<Rediscover Japan: “Good Morning” – Japanese Film with English Subtitles>が開催されました。国際交流基金が所蔵する、英語字幕付きの日本映画の名作のプリントを活用して、国籍や年齢の境を超えて楽しめる上映会です。
今回はThe British School in Tokyo(BST)との共催により、昭和女子大学のグリーンホールを会場として実施されました。

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当日は会場準備が遅れたため、上映会の開始も遅れました。お待たせしましたお客様にはご迷惑をおかけしまして申し訳ありませんでした。約15分遅れでイベント開始です。まずは、BSTコミュニケーションズマネージャーのローリー・ノーゲイトさんからご挨拶があり、続いて今回のゲスト講師であるドン・ブラウンさんが紹介されました。
映画を観る前の注意事項についてのお話に続いて、いよいよ上映開始です。

16mm映写機が動く味わい深い操作音とともに、大きなスクリーンに『お早よう』が映し出されました。実や勇たち、子どもたちのオナラ合戦はいつものように場内の笑いを誘います。今回の上映会では、その他にも劇中の大人の会話のやりとりにも、あちこちから笑いが起こりました。
途中、16mmフィルムの掛け替えの時間をはさみ、94分の上映も無事に終了。大人も子どもも、最後まで映画を楽しみました。

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上映後には、ドンさんが映画の中で出てきたモノや事柄を、日本語と英語の両方で解説してくださいました。
外国人にとってはもちろん、日本人にとっても60年前の映画の中に描かれることは、不思議なことばかりです。
「当時のテレビ」「軽石」「押し売り」「楢山」、そして「小津安二郎監督」について…実際の軽石も手に取ってみました。
映画の中の遠い昔の日本が、少し身近に感じられたでしょうか。

ここで、ひとまず上映会は終了です。そのまま続けて、希望者だけ会場に残り、ミニゲームに挑戦しました。
『お早よう』の中で、大人たちへの抵抗のために、実と勇はだんまり作戦を続けました。ただ、給食費を学校に持っていく必要があり、なんとか言葉を使わずにジェスチャーで家族に「給食費」を伝えようと悪戦苦闘する姿が、今回の上映会でも大きな笑いを生んでいました。この映画の場面と同じようにジェスチャーゲームに挑戦してみます。
2つほどお手本をみたあとに、子どもたちが実践します。あらかじめスケッチブックに用意された単語を、身振り手振りだけで、他のお友だちに伝えます。ジェスチャーをする子どもも真剣ですが、答えを考える子どもたちも真剣。何を表現しようとしているのか、動きをよく見て、頭を働かせて答えます。
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「かさ」「ねこ」「とけい」「スキー」「えんぴつ」「すもう」「でんしゃ」…
たとえ言葉が通じない状況でも、伝えよう、読み取ろうという気持ちがあれば、国籍や年齢を越えて伝えられることがあります。でも、お互いに通じる言葉があると、もっと簡単に伝えることができますね。
『お早よう』の劇中でも話していましたが、一見すると意味のないように見える「おはよう」「こんにちは」「いいお天気ですね」「そうですね」にも、なにか、意味があるのかも知れません。

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さて、ミニゲームも終わり、上映会もお開きです。何人かの希望者には、16mm映写機を間近に観てもらいながら、フィルムで映画が映写される仕組みを解説しました。参加した子どもたちは、『お早よう』のマジックロールの型紙と、軽石を食べなくてもおならが出せるようになるブーブークッションをお土産に、帰っていきました。
(報告:岡崎 匡)

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