2016年に生誕100年を迎えた加藤泰監督(1916-1985)が1981年に製作した、遺作にして異色のドキュメンタリー作品『ざ・鬼太鼓座』。永らく一般公開されず幻の映画とされてきた本作は、佐渡ヶ島で太鼓を鳴らし続ける芸能集団「鬼太鼓座」の若者たちを撮影し、セットとロケを含めて約2年かけて製作されまた作品。完成当時、試写の舞台挨拶で「生まれて初めて思う通りのことをやれた映画」と監督自身が語ったといわれます。
完成から35年を経て、デジタルリマスターとして蘇った本作は、8月31日から9月10日まで開催される第73回ヴェネチア国際映画祭クラシック部門にてお披露目されます。そして11月19日から開幕する国際映画祭「東京フィルメックス」での凱旋上映が決定しました。
東京国立近代美術館フィルムセンターでの「生誕100年 映画監督 加藤泰」(9月4日まで)も開催されて、ますます再評価の機運が高まる現在、必見の一本にご期待ください。
(C) 1989 「ざ・鬼太鼓座」製作委員会