2006年11月17日
さぁ。いよいよ本日開幕の第7回東京フィルメックス。怖くて震えてしまいます。事務局では観客賞の投票箱など製作物の準備も着々と進んで、公式カタログも美しく完成しました。人手も荷物も増えてきて、いつもの事務局が狭く感じられます。
全ての作品は当日券もご用意しております。行き届いた映画祭を目指し、力を尽くします。プログラムと観客の質の高さが自慢の東京フィルメックス。映画が好きで好きでというお客様と一緒に映画の力を実感できる10日間。熱気の中で、多くの作品をご覧くださいますよう。
映画は一本一本それぞれの作り手の方が願いを込めて作った作品。私たち映画祭のスタッフは、それぞれの映画が一番輝くように、一番お客様に伝わるように、一番お楽しみいただけますように、一本一本を大切に、ご紹介申し上げます。
みなさま、会場にてお待ちしております。
期間中のトークイベントについて、ご紹介します。
まず、岡本喜八特集。京橋のフィルムセンターでは、18日と19日の上映後にトークの予定があります。雪村いづみさん、寺田農さんと寺島進さんに岡本演出の事などお話を伺います。
また、MARUNOUCHI CAFE, 丸の内3丁目の新東京ビルに素敵な憩いの場所がありまして、今年の東京フィルメックスでは、24日の午後にモーツァルト生誕250周年絡みの新作の監督をお招きして、トークイベントを2回に分けて行う予定にしています。
そして、おなじみのマリオン朝日ホールのスクエアBでも、祭日の23日と最後の週末25日(土)、26日(日)には、ゲストを招いてのトークを予定しております。公式サイトにお時間、ゲストなどの詳細が載っておりますので、ご確認のうえ、どうぞご来場ください。すべて入場無料です。
映画と共に作り手の生の声を、こじんまりした規模で十分に味わっていただきたいという願いを込めた企画です。お時間が許されれば、皆様からのご質問もお受けしたいと考えていますので、奮ってご参加ください。それぞれ予定人員を越えたところで締め切りますのでご注意を。お待ちしております。
今年はモーツァルト生誕250周年。という事で、早くから日本でもコンサートなどが行われていましたが、映画の分野でもニュークラウンドホープというモーツァルト・プロジェクトがあり、東京フィルメックスでも関連の5作品が上映されます。「半月」(バフマン・ゴバディ)、「オペラ・ジャワ」(ガリン・ヌグロホ)、「世紀の光」(アピチャッポン・ウィーラセタクン)、「ハンモック」(パス・エンシナ)、そして「黒眼圏」(ツァイ・ミンリャン)の5本は,このプロジェクトで製作されました。
まさに11月のオーストリアのウィーンでは総合芸術祭が開催されて、舞台演出家のピーター・セラーズ監修のもと、音楽・演劇・舞踏・建築などのアートが華やかに紹介されているそうです。ヌグホロ監督、ゴバディ監督、エンシナ監督、そしてウィーラーセタクン監督は、ウィーンから東京フィルメックスへのご来日になりますので、あちらの様子も伺ってみようと思っています。それぞれ、今によみがえるモーツァルトとでも言ったらよいのでしょうか。個性あふれる5本で、特に「ハンモック」はパラグアイの女性監督のデビュー作です。モーツァルトもすごいけど、こういうユニークなすばらしい5本を製作したプロデューサーも監督も、作り手の方々には頭が下がるばかりです。是非ご覧ください。
注目の「ブロードキャスト」では、上映作品の映像の一部をご紹介しています。
まずは「エレクション」の予告編と「エレクション2」から部分映像をいくつか。
そしてコンペからは「天国へ行くにはまず死すべし」。
ぜひご覧ください。
映画のタイトルについて、お話します。配給が決まっている作品はともかく、上映を決めた後に、事務局みんなで日本語のタイトルを考えます。基本的には元のタイトルに沿って日本語でおかしくないように固めるのですが、原語でのタイトルと英語で流布しているものの意味が微妙に違う作品も、中にはあります。例えば今年は「世紀の光」の英語タイトルは[Syndromes and a Century]なのですが、 監督ご本人にも確認してから決定しました。バフマン・ゴバディ監督の「半月」は、英語では「Half Moon」だったので、カタカナで「ハーフムーン」という方法も考えましたが、中国のインリャン監督の「アザー・ハーフ」とお客様が混乱しないように漢字に決めました。またフィリピンの「マキシモは花ざかり」も意味を汲みながら雰囲気を出そうとみんなで相談して決めましたが、英語タイトルは「Blossoming of Maximo Oliveros」です。ちなみに小林政広監督の「幸福」は、コウフクではなく「しあわせ」と読みますのでご注意ください。タイトルには作り手の気持ちが込められていますので、大事にご紹介したいものです。
映画祭の公式カタログは、その編集たるや熾烈な作業を強いられます。まず初日には必ず完成していないといけない。資料的な価値、データなどが間違っていてはいけない。それなのにプログラムの数や、配給の動き、ゲストの来日変更などによってのイベントのドタキャンなどギリギリになって突然の変更が多すぎる難点があります。海外から取り寄せる資料もバラバラで、情報もさまざまだったりして、確認に確認を重ねて念押ししても変更がありえるのが実情です。監督ひとりひとりの心のこもったメッセージが記載されていますので、みなさまどうぞ会場でお買い求めください。どうしても映画チケット一枚よりも安い値段を設定したくて、第2回目からは一冊1000円です。バックナンバーも是非是非どうぞ。
ただいま「ブロードキャスト」コーナーでは、特別招待作品「オフサイド」の1?2分程度の映像を、全4本紹介しています。少女たちの奮闘ぶり、ぜひご覧ください!
W杯イヤーを締めくくるこの作品。きっと見終えた誰もが笑顔で席を後にする、素敵な映画です。
ボランティアスタッフは、映画祭の顔ともなりうる大事な存在です。うれしい事に毎年続けてくださる方々もいらっしゃいます。今年は総勢80名ほどが集結して、心をひとつにしてお客様とゲストのみなさまの架け橋となりながら会場運営やカタログ販売、語学を生かしたホスピタリティーのお手伝いをしてくださいます。夏ごろから応募をして、面接によって厳選し、10月頭からミーティングを重ねて組織化していきます。スタッフ同士がまさしく同志となって仲良しの雰囲気が出来上がります。過去にはスタッフの間で結婚したカップルもいたとか、映画最後に配給会社から引き抜かれた人もいたとか。映画祭を見る側としてでなく、開催する側で関わる事も貴重な体験と楽しんでいただけるとうれしい限りです。
今からでも来年のボランティアスタッフをと考えてくださる方は、来年の募集を要チェックお願いします。
今年のメインビジュアルは、例年にも増してご好評をいただいております。第7回ということで、虹色のイメージです。みなさまご存知の通り、「虹色のタングステン」というモノクロの谷内六郎さんが描かれた鉛筆画をモチーフに、映画の天使が集まる映画祭の心をうたっております。実はこのビジュアル、今年のベルリン国際映画祭のポスターをヒントに捻った作品なのですが、このポスターデザインは、毎年中平一史さんという大変映画がお好きでご理解のあるアーティストにお願いしています。メインビジュアルはスタッフが心を一つにして今年の成功を共にイメージする上で大切なもの。毎年新しいビジュアルを5月のカンヌで世界にお披露目すべく制作を進行しています。細かい部分まで全てスタッフ一同納得しながら作り上げていきます。「映画の未来へ…」というキャッチコピーが数々の素晴らしい作品に呼応して、会場で映えることと信じております。
一般には開放していませんが、期間中にはインダストリー・スクリーニングをやっています。今年で4回目の企画で、英語字幕の付いた日本映画の最新作を海外からの業界関係者、国際映画祭の選考担当者の方々にご紹介しています。これを目当てに今までもプサン、チョンジュ、トライベッカ、シカゴ、カンヌ、香港などの映画祭から来日がありました。東京であるべき国際映画祭として、自国の映画が海外へ出て行くことを支援してお手伝いしていきたい。そんな自然な気持ちから生まれた企画です。
今年ワールドプレミアで上映するコンペ部門の「幸福」(しあわせと読みます)も、このあと間違いなく海外での上映が待っています。邦画に限らず昨年の「あひるを背負った少年」(イン・リャン監督・中国)は、東京フィルメックス後に、すばらしき展開がありました。ここだけの話ですが、イン・リャンは去年の初日ではオープニング上映のホウ・シャオシェン監督と一緒に写真撮って欲しいなんて、ファン丸出しだったのですが、今年は大きく成長して映画監督の顔になっているでしょう。どうぞお楽しみに。映画祭が監督をよい意味で刺激できるとしたら、うれしい限りです。
岡本喜八特集。9月の記者会見でも発表しましたが、来年の2月のベルリン国際映画祭で、岡本喜八特集の実現が既に決定しています。ヨーロッパでの岡本特集は歴史的にも初めて。快挙です。
東京フィルメックスから発信という企画としては、清水宏特集、中川信夫特集に続いてのベルリンでの上映ですが(内田吐夢はロッテルダムで上映)、共催でもありニュープリントを作ってくださったフィルムセンターのおかげで、よい形で岡本作品をヨーロッパの人たちに楽しんでいただけます。東宝にも大感謝。みなさまはフィルムセンター大ホールでの日本一の国立の映写状態でお楽しみください。「結婚のすべて」「地獄の饗宴」など今改めて岡本さんの弾けるリズムのフレッシュな魅力をご堪能ください。また「大菩薩峠」を内田吐夢版と比較してみるのも一興です。岡本特集は当日券のみです。それでは、みなさま、京橋でお待ちしております。
いよいよオープニングまで10日を切りました。カウントダウン状態。みなさまに素晴らしい作品を早くみていただきたくて待ちきれないという気持ちと、準備に時間がまだまだ必要という気持ちと、揺れる心の日々です。プリント到着などキワドイ作品もあって、綱渡りです。上映プリントは英語字幕付きのプリントを海外からこの上映のために送ってもらう手配をしている作品が多いのですが、11月はことのほか国際映画祭が多い季節。プサンから直送なんて時間に余裕あるとラッキーですが、そんな事はまずありません。ロンドンからとかアメリカからとかギリギリの到着で、しかも通関手続き、東京税関の試写もあり、そのうえ日本語字幕のためのタイミングを取る作業が待っていて、この業務を担当していただいているアテネフランセ文化センターの方にはカミワザとしか言いようの無い酷な状況での字幕投影をお願いしている舞台裏があります。今年も何が何でも全て間に合いますように。
シネカノン有楽町は、映画館として、とても見やすくてよい劇場ですが、21:15からのレートショー上映は、お仕事帰りの方にも気軽にお立ち寄りいただけますので、毎年ご好評をいただいております。昼間のマリオン朝日ホールの上映は時間的に難しい方でも、どうぞレートショーをご活用ください。<半月>はサンセバスチャン映画祭でグランプリ、<ワイルドサイドを歩け>はロッテルダム映画祭でタイガーアワード受賞、<マキシモは花ざかり>はベルリン映画祭でテディ賞と、今年の世界の動きを見逃せない作品ばかりです。
チケット、幾つかのプログラムではおかげさまで完売ということで、ありがとうございます。監督のご来日日程の調整が大変ですが、もう一息で見えてくるかという頃です。今年の東京は温かい日が続いていますが、映画祭開催期間中も良き映画日和が続きますように。
東京フィルメックスの核は、なんと言ってもアジアの新進作家を支援するコンペ部門にあります。まだ名前が知られていない監督の中に、明日の映画界を担う才能が。どうぞお確かめください。おなじみの監督もいらっしゃいますが、<りんご、もうひとつある?>(イラン)や<クロース・トゥ・ホーム>(イスラエル)の監督は、初来日になります。私達事務局スタッフもこんなすごい映画を作った人がどんな人なのか、お会いできるのが楽しみです。
第7回東京フィルメックスのすべてのプログラムにつきまして、上映当日、会場にて当日券を発売いたします。
(前売り券が売り切れになった場合でも、当日券を発売します)
東京国際フォーラム・ホールC
当日券
●指定席: 1,700円(税込)
※上映当日、会場にて16:00より発売します。
有楽町朝日ホール
当日券
●1回券: 1,500円(税込)
※上映当日、会場にて1回目開始の40分前よりその日の全上映回分を発売します。
シネカノン有楽町
当日券
● 1,500円(税込)
※シネカノン有楽町8F特設受付にて各日20:30より発売します。
東京国立近代美術館フィルムセンター大ホール
当日券
●一般: 800円●高校・大学生・シニア(65歳以上): 600円●小・中学生: 400円
※発券・開場は開映30分前から行ない、定員に達し次第締切となります。
映画祭ディレクターの林 加奈子です。いよいよ明日から前売りチケット開始。映画祭の命は何と言ってもプログラム、上映する映画作品の力にあります。早くみなさまと映画の素晴らしさを共鳴したいです。オープニング、クロージングはもちろんですが、「ハンモック」「スクリーム・オブ・アント」「世紀の光」など、必ずやお見逃しなきよう。
事務局は、来日ゲストの日程調整、プリントの保険、運営マニュアル作成など着々と準備が進んでおります。審査員ケアのスタッフが今日から入り、スタッフTシャツも到着。公式カタログの最終入稿も済んで、成功のイメージを共有しながら、臨場感あふれる活気に盛り上がっております。
映画祭の準備は細かい事の積み重ねですが、どれも落とせない重要事項ばかりです。みなさま、映画の未来を信じて、明日、チケットをお買い求めください。
いよいよ3日からのチケット発売が迫ってきました。
お求めになる作品は決まりましたか?
「まだ迷っている…」という方への朗報!
11/2発売のぴあでは、東京フィルメックスを4ページにわたり、大特集しています。
コンペティションと特別招待の全20作品の見所を的確に紹介してありますので、鑑賞作品選びの参考となるはずです。
また、ぴあだけの特別なプレゼントも2つ、用意されています。
何が用意されているのか…、それはぜひ、みなさんの目で確かめてください。