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Special Program (2) Filmmaker in Focus: SOMAI Shinji






The Catch / Gyoei no Mure
*English Subtitle
1983 / 140 min.
©1983 Shochiku

[Introduction]
A significant drama set on the Shimokita Peninsula in Aomori Prefecture portraying the 3-way love-hate relationship between a lifelong tuna fisherman, his daughter, and her boyfriend who aspires to be a fisherman. The viewer will be overwhelmed by the extended takes capturing the taut tension of tuna fishing's majesty and the play-acted sparks flying among actors.












SOMAI Shinji

Born in 1948 in Morioka City, Iwate. Dropped out of Chuo University's Faculty of Law in 1972, and joined Nikkatsu Studio as an assistant director on a contract basis. Later went freelance, and worked as an assistant director to filmmakers such as HASEGAWA Kazuhiko and TERAYAMA Shuji. Made his directorial debut with "Tonda Couple" in 1980. His second effort "Sailor Suit and Machine Gun" (81) was a huge hit and one of the year's leading Japanese films. These two works were both commercial films starring YAKUSHIMARU Hiroko, but his unique style characterized by bold camerawork with heavy use of long takes and exacting direction of his actors caused a sensation among cinephiles. Participated in the establishment of Directors Company in 1982 at the request of HASEGAWA Kazuhiko. Subsequently directed such celebrated films such as "The Catch" (83), "P.P. Rider" (85) and "Yuki no Dansho ? Jonetsu" (85). His sole Nikkatsu Roman Porno softcore erotic film "Love Hotel" (85) was also greeted with high acclaim. That same year, his "Typhoon Club" won the Young Cinema Grand Prize at the first Tokyo International Film Festival, and was lauded by juror Bernardo BERTOLUCCI. It was also released in other countries including France and the United States, generating overseas recognition of SOMAI's talents. In 1993, his "Moving" was screened in the Cannes Film Festival's Un Certain Regard section. "Wait and See" (1998) was selected for the Panorama section of the Berlin International Film Festival, and won the FIPRESCI Award. It was also ranked first in Kinema Junpo magazine's best ten list for that year. In 2001, his "Kaza Hana" was screened in the Berlin International Film Festival's Forum section. Later that year he began preparations for his next film, but died suddenly of lung cancer on September 9th at the age of 53. SOMAI's 13 works continue to provide inspiration to many filmmakers.












11/19『魚影の群れ』トークイベント/伊武雅刀
from ブロードキャスト 2011/11/19


 
11/20『魚影の群れ』
トークイベント/東劇
ゲスト:伊武 雅刀(俳優)
    長沼 六男(撮影)
聞き手:榎戸 耕史(映画監督)

Talk Session / Togeki
Guest: IBU Masatoh (Actor)
NAGANUMA Mutsuo (Cinematographer)
MC: ENOKIDO Koji (Director)
 
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『魚影の群れ』
1983 / 140分
監督:相米慎二
 
The Catch / Gyoei no Mure
1983 / 140 min.
Director: SOMAI Shinji





New information will be added.


『魚影の群れ』トーク(ゲスト:伊武雅刀さん)
from デイリーニュース2011 2011/11/19

1119gyoei_01.jpg11月19日、東銀座・東劇で今年没後10年となる相米監督の13作品を網羅した「相米慎二のすべて〜1980-2001 全作品上映〜」が開幕。オープニングを飾る『魚影の群れ』(83)上映後、トークイベントが行われた。ゲストに俳優の伊武雅刀さん、そして中盤から飛び入りで撮影の長沼六男さんを迎え、長年、相米作品で助監督を務めた映画監督の榎戸耕史さんが司会にあたった。


トークに先立ち、市山尚三東京フィルメックス・プログラムディレクターより、この企画が実現するに至った経緯について、相米組の方から特集上映の提案があったこと、そして実現にこぎつけるまでの関係者の方々の並々ならぬご尽力への感謝と、また、海外で「まだまだ知られるべき監督」としてさらにより広く知られてほしいという思いが語られた。


続いて司会の榎戸耕史監督が登場。長谷川和彦監督の『青春の殺人者』(76)で相米監督が助監督、榎戸さんが制作進行という形で最初の出会いを果たした後、『セーラー服と機関銃』(81)から遺作となる『風花』(01)まで、数々の作品で助監督として間近でその映画づくりを見つめてきた。 
そんな榎戸さんが、ぜひ今回のゲストに、と招いたのが俳優の伊武雅刀さん。伊武さんは、『魚影の群れ』の前作『ションベン・ライダー』(83)の警官役など相米映画には出演していたが、実はこの『魚影の群れ』には登場していない。にもかかわらず招かれたのは、この4作目にあたる作品の頃の相米監督を、現場以外の場所も含めてよく知る人物である、と榎戸さんが見込んだからだという。


1119gyoei_02.jpg映画の熱気の冷めやらぬなか登壇された伊武さんは開口一番、「今、久しぶりに『魚影の群れ』を観て...力のある映画の後って、何もしゃべりたくない(笑)」と率直な感想で会場の笑いを誘いながらも、撮影現場での様子はもちろん、プライベートでの無邪気なエピソードも、ときに相米監督の声色を再現しつつ披露してくれた。
「『雪の断章』(85)で、札幌の駅でこれから車掌の役をやるってスタンバイしてる時に、相米さんが傍に来て、演技をつけるともなく、「人間にはいろんな歩き方があるんだよ」。突然何を言い出すんだろう、と思った。「車掌は車掌の歩き方があるんだよな、きっと」って、ボソボソ言うんですよ」。後で、そのシーンの伊武さんを評して珍しく監督が「お前、今の一番よかったんじゃないか」と言ったにもかかわらず、見事にカットされたという話。また、『魚影の群れ』の陣中見舞いで伊武さんがロケ地・大間の近くの田名部の町を訪れラッシュを観た時、たまたまその日は、亡くなった先代の三遊亭円楽師匠の登場する場面が8シーンほどあり、「いい芝居されるなあ」と思っていたのに、フタをあければ使われていたのは2シーンだけだった等々。ある意味、役者泣かせのエピソードが続いた後に、伊武さんはこう語る。
「役者に限らず、みんなが一丸となってひとつのシーンを成立させていく、(相米組の)あの粘り強さは何なんでしょう。何十回もやらされてこっちもだんだん飽きてくると、相米マジックっていうのか、ヘンなことやらせますね。普通にやると、面白がらない。「その程度か」と。相米さんの場合は、真っ白な状態で始めて、いろんなことやらされて、何回もデッサンやるうちに、登場人物たちがその場面をだんだんつくり込んでいく。そういう現場は最近ないですから、「ああ、いい仕事を久しぶりにやりたいな」というときにはフッとね、原点として相米さん思い出すんですよね」
 

話題は、惜しくも鬼籍に入った夏目雅子さん、緒形拳さん、エンドクレジットに流れる主題歌を歌う原田芳雄さん、そして"伊布"という港の漁協の課長を演じたレオナルド熊さんにも及んだ。そこでその港の名をとらえて、「"イブ"(つながり)で俺、呼ばれたの?」と伊武さん。榎戸さんは「そうなんですよ(笑)」と冗談めかして応じつつ、続けて「じつはその当時は、シナリオの田中陽造さんが、相米さんと伊武さんと、ちょうど飲み歩いてた時期。だから多分、田中さんの頭の中には(港の)名前を考える時に伊武さんの名前が頭にあって、きっと"伊布"の港と書いたんだと...」と伊武さん本人も今日初めて知る、架空の地名の命名の秘密を明かす一幕も。


1119gyoei_03.jpg続いて、榎戸さんより本作のキャメラマン・長沼六男さんが観客としていらしているという紹介があり、わき起こる拍手の中、長沼さんが客席の間を縫って登場。
「なかなか機会がなく、今日は久しぶりに大きな画面で自分の撮った映画を観ました。あの時は若かったから―まだ相米さん4本、僕は6本目くらい―でも、その(映画を)知らない、無我夢中さが、この映画にとってよかったのかもしれない」。ゆっくり往時を思い出すように語る長沼さん。助監督として当時現場を共にした榎戸さんも、「『魚影〜』は画(え)がすごいです。役者さんの演技も素晴らしい。それに負けないくらい長沼さんの画に力があり、拮抗してる感じがすごい」。
伊武さんの「十朱幸代さんの雨のシーンが圧巻」という発言に、榎戸さんも「実際僕らも現場で撮ったときは震えがくるくらいでした」と回想する。
長沼さんからは、早朝から撮影に向かって、グッタリ疲れてもその1日で撮れたのはやっとワンカット、という相米組ならではのエピソードも。加えて海の上では「よく生きてたなあ」というような危険な撮影が、ままあったそうだ。俳優の乗った船とキャメラ船がはじめは縦位置で航行し、それから横に並び、次第にフルショットになるにつれ、船同士がきわどいところまで接近した時には「ビビりましたよ」と榎戸さん。「もちろん十分気をつけてやってるんですけれども「死んでもしょうがないだろう」くらいの感じですからね」。すると長沼さんが「あの人はいい人だからね、言い方に愛嬌がある(笑)」と応じた。
長沼さんにとって本作で初めて組んだ相米監督の演出については、「相米さんは4本目にして既にスター監督で、長回しって聞いてた。ちょうど松竹の下の喫茶店で「船の上で長回し...ってどうする?」って言うと「俺にもわからないんだよなあ」って、俳優さんにもそうなんですが、ずっとハッキリした言い方をしない。ロケハンでも「ここがいいよな」っていう話は全然しなくて、ただただ人に緊張を強いて(笑)。非常に疲れる人なんだよね。でもあれをやったからこそ、自分は今ここにいられるのかなって気はしてる」。本作やその後の『あ、春』(98)など、手がけた作品について「相米さんの中でも、かなりいい作品になってるのでは」と自負をのぞかせた。


予定の時間を過ぎても話は尽きない様子だったが、榎戸さんから最後に11月23日に松竹から『魚影の群れ』のDVDが再発売されるというお知らせが伝えられる。"今の人たちに相米さんの映画をもう一回、大きなスクリーンで観てほしい、もう一度すばらしい日本映画について考えてほしい"そんな熱い思いで上映を企画した榎戸さん、結びに「ただ、できるだけ『魚影の群れ』はスクリーンで観てほしい映画ですよね」と付け加えることも忘れなかった。


(取材・文:加々良美保、撮影:村田まゆ)

1119gyoei_04.jpg 1119gyoei_05.jpg 1119gyoei_06.jpg





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