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賞・審査員
『ふゆの獣』(監督:内田伸輝)
(日本/2010年/92分/DVCAM/カラー)
副賞として賞金100万円が監督に授与されます。
【受賞理由】
審査員は、内田伸輝監督の「ふゆの獣」をグランプリ作品に決定しました。本作は映画的手法を用いて心理ドラマを類いまれなる強烈なレベルへと発展させています。特にカメラの使い方が際立っており、俳優たちの演技も同様に素晴らしいものです。また審査員は、この作品が非常に限られた予算のなかで大きな表現力を極めていることも高く評価します。
『独身男』(監督:ハオ・ジェ)
(中国/2010年/94分/HD/カラー)
副賞としてコダック株式会社より8,000米ドル相当の生フィルムが監督に授与されます。
【受賞理由】
審査員は、ハオ・ジェ監督の「独身男」に審査員特別賞「コダックVISIONアワード」を授与します。監督と、自身に近い役柄を演じる村人たちとの間のコラボレーションから育った高い有機性と、中国の農村に存在する人間の性欲と社会問題を中立的な視点で描いていることを評価します。
■第11回東京フィルメックス コンペティション審査員:
ウルリッヒ・グレゴール(審査委員長/ドイツ/ベルリン映画祭フォーラム部門創設者)、アピチャッポン・ウィーラセタクン(タイ/映画監督)、ニン・イン(中国/映画監督)、白鳥あかね(日本/スクリプター、脚本家)、リー・チョクトー(香港/香港映画祭アーティスティック・ディレクター)
『Peace』(監督:想田和弘)
(日本、アメリカ/2010年/75分/HD/カラー)
「Ilo Ilo」(アンソニー・チェン)
(シンガポール)
スペシャル・メンション
「IT MUST BE A CAMEL」(シャーロット・リム・レイ・クエン/マレーシア)
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ウルリッヒ・グレゴール / Ulrich GREGOR
(ドイツ/ベルリン映画祭フォーラム部門創設者)
1932年、ドイツのハンブルクに生まれる。ハンブルク、パリ、ベルリンで映画と文学を学び、1954年から1956年まではパリのシネマテーク・フランセーズで映画を学ぶ。1955年より新聞、雑誌、ラジオやテレビにて映画批評家として活躍したのち、1963年にFreunde der Deutschen Kinemathek(ドイツ・シネマテーク同好会)を共同で設立し理事となる。また、1966年から1972年の間、そして2006年よりベルリンのドイツ映画TVアカデミー(DFFB)で映画史の講師を務める。「History of the cinema」(62年、Enno Patalasとの共同執筆。82年に新訂) 、「History of cinema since 1960」 (78年。82年に新訂。中国語にも訳されている) の著者でもある。また、1970年、ベルリンにて映画館Arsenalを共同設立する。危機的状況に見舞われた1970年のベルリン映画祭を受け、翌年の1971年にインディペンデント映画や実験映画のショーケースであるInternational Forum of New Cinemaを設立し、2001年までディレクターを務める。また、Arsenalにおいて映画プログラマー、ライターや講師を務める傍ら、回顧展のキュレーターや映画祭カタログにも携わり、1963年より、夫人であるエリカ・グレゴールと共同でシリーズの論文集「Kinemathek」を発行している(第99号となった最新刊では小津安二郎、サタジット・レイ、イム・グォンテクについて書いている)。
2010年、グレゴール夫妻はベルリン国際映画祭の特別功労賞にあたるBerlinale Camera Awardを受賞した。
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アピチャッポン・ウィーラセタクン / Apichatpong WEERASETHAKUL
(タイ/映画監督)
1970年、バンコクに生れる。94年より短編映画を監督し、2000年、初の長編映画『真昼の不思議な物体』を監督。長編第2作『ブリスフリー・ユアーズ』(02)はカンヌ映画祭「ある視点」賞を受賞し、東京フィルメックスで最優秀作品賞を受賞。カンヌ映画祭コンペティションに選ばれた『トロピカル・マラディ』(04)は審査員賞を受賞し、再び東京フィルメックスで最優秀作品賞を受賞した。続く『世紀の光』(06)はヴェネチア映画祭で上映され、新作『ブンミおじさん(仮題)』でカンヌ映画祭最高賞パルム・ドールを受賞した。映画と並行し、現代美術の分野においても国際的に活躍している。
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ニン・イン / NING Ying
(寧瀛、中国/映画監督)
北京に生れる。北京電影学院を卒業後、ローマの映画実験センター(チェントロ)で学び、『ラスト・エンペラー』(87)の助監督を務める。90年、『有人偏偏愛上我』で監督デビュー。第2作『北京好日』はベルリン映画祭で上映され、東京国際映画祭ゴールド賞を受賞。続く『スケッチ・オブ北京』(95)、『アイ・ラブ北京』(00)を含めて"北京三部作"として国際的に高い評価を受ける。『無窮動』(05)はヴェネチア映画祭に選ばれ、東京フィルメックスでも上映された。最新作は『A面B面』(10)。シネマ・ドゥ・レール映画祭グランプリを受賞した『希望之旅』(01)など、ドキュメンタリーや短編も監督している。
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白鳥あかね / SHIRATORI Akane
(日本/脚本家・スクリプター)
(協)日本シナリオ作家協会常務理事。脚本家・スクリプターとして50年以上映画界で活躍。元日活在籍。新藤兼人監督、神代辰巳監督、今村昌平監督、根岸吉太郎監督らの作品に携わる。『隠し妻』(72)、『鍵』(97)、『折り梅』(01)などの脚本を執筆。
2004年文化庁映画功労賞を受賞。現在、NPO法人KAWASAKIアーツ専務理事、KAWASAKIしんゆり映画祭顧問、あきた十文字映画祭顧問、川崎市アートセンター映画・映画事業企画、作品選定委員。
『脇役物語』(10)(緒方篤監督と共作)では、キャスティング・ディレクターも兼任。
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リー・チョクトー / LI Cheuk-To
(香港/香港国際映画祭アーティスティック・ディレクター)
香港国際映画祭のプログラマーを17年間務めた後、2004年にアーティスティック・ディレクターに就任、現在に至る。その傍ら、香港映画、中国映画に関する記事を『Cinemaya』『Sight and Sound』『Film Comment』といった雑誌に寄稿。また、香港映画批評家協会の設立者の一人であり、1995年から99年にかけては同協会の代表を務めた。最近では、『The One and Only Edward Yang』(08)、『A Tribute to Romantic Visions: 25th Anniversary of Film Workshop』(09)、『Bruce Lee Lives』(10)といった書籍を編集。また、『Take 100 - The Future of Film / 100 New Directors』の寄稿者の一人でもある。
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