11月24日(土)、有楽町朝日ホールにて特別招待作品『盆唄』が上映された。東日本大震災から4年が経過した後も避難生活を送る双葉町の人々に希望を与えたのは、100年以上前に福島からハワイに伝わった盆踊りが、ハワイの日系人に伝承されているという事実だった。「双葉盆唄」の伝統を絶やすまいと奮闘する人々の姿を、3年にわたって追ったドキュメンタリー。上映後のQ&Aには中江裕司監督と、企画・アソシエイトプロデューサーであり、写真家の岩根愛さんが登壇した。

映画を企画した岩根さんは、2006年からハワイの日系移民と関わっている。

映画を企画した岩根さんは、2006年からハワイの日系移民と関わっている。
「ハワイのボンダンスが好きで、写真を撮りに通っていました。一番盛り上がるのは、フクシマオンドという生演奏の唄。震災の年に唄のルーツが気になって調べ、被災した地域から伝わったものだと知りました。それから、ハワイと福島の盆唄奏者たちの交流に関わるようになりました」
双葉盆唄の奏者である、横山久勝さんたちが初めてマウイのボンダンスを見たとき、あまりの賑やかさに驚いていたという。20年以上、太鼓を制作していた横山さんだが、移住先での太鼓作りを諦めており、マウイの人たちに太鼓を一つプレゼントした。それまでのマウイの太鼓はワインの樽で作ったもの。初めて一本の木で作った太鼓を手にしたマウイの人々から「行き場のない双葉の盆唄も継いでいきたい」と提案されたそうだ。
岩根さんはドキュメンタリー『白百合クラブ東京へ行く』(03)で写真を担当しており、中江監督とは20年来の付き合いがあるが、監督は当初、映画を撮ることを断り続けていた。「僕は英語も話せませんし、既に多くの人が双葉町の映画を撮っていましたから」。その後、中江監督はNHKで沖縄系のハワイ移民のドキュメンタリーを2本連続で撮ることになり、縁を感じた。さらに、岩根さんの紹介で会った横山さんの存在も大きい。「横山さんの魂は今も双葉町にあるのだなと感じ、撮らなくてはと思いました。この映画は横山さんを撮っていけば成立するという予感もありました」と中江監督は語った。

双葉盆唄の奏者である、

岩根さんはドキュメンタリー『白百合クラブ東京へ行く』(03)

Q&Aで真っ先に手を挙げたアミール・ナデリ監督は、「


中江監督は今夏もカメラを持たずに「やぐらの競演」
圧巻の演奏シーンも見どころの本作。『盆唄』
取材・文:宇野由希子 撮影:明田川志保