第22回シンガポール映画祭(4/14-4/25) 開幕

シンガポール映画祭 公式サイト
第22回シンガポール映画祭では、34か国から193作品(ワールド・プレミア25本、アジア・プレミア34本)が上映される。
オープニング作品「Sincerely Yours」は、台湾で働く外国人違法労働者たちを描いた台湾のリッチ・リー監督の第1作。クロージングは、トルコ映画の「Milk」(Semih Kaplanog監督)。
アジアの長編映画のコンペティション部門は、中国映画3本ほか、東南アジア、韓国、イランなどから新進監督による12作品がラインナップされている。(なお、『マキシモは花ざかり』のアウレウス・ソリト監督による新作『BOY』は当局の検閲により上映キャンセルとなった。)
日本から『歩いても 歩いても』(是枝裕和監督)、の『人のセックスを笑うな』(井口奈己監督)がコンペ外部門で上映される。
特集上映としては、<アモス・ギタイ回顧上映>、ラット・ペスタニーなどの作品も含まれた<タイ・フィルム・アーカイブ25周年記念特集>が組まれている。
また、今年からシンガポール映画の長編を対象にしたコンペティションが新設され、ロイストン・タン監督の『12Lotas』など6作品がノミネートされている。これまでシンガポール映画は短編コンペのみが行なわれてきたが、長編の製作が増えつつある傾向を迎え成長のきざしのあるシンガポール映画に脚光をあてるものとなる。参加資格として、主なロケ地がシンガポール国内であり、監督・プロデューサー・脚本家・俳優ら製作スタッフがシンガポール人または永住権保持者であることとされ、いまだ確立されていない「シンガポール映画とは何か」というテーマを模索する機会ともいえる。
12日間に渡って、市内8会場にて開催される。国立博物館映像ホールをメインに徒歩圏内に会場を設定し利便性を高めている。また、週末の深夜上映も6年ぶりに復活し、国立博物館の敷地内で無料の野外上映も行ない、アート志向の層に留まらず幅広い観客の参加を促している。
以上

「子供の情景」が今週末より劇場公開されます。

第8回東京フィルメックスのコンペティション部門で上映された「子供の情景」が4月18日(土)より、岩波ホールにて公開されます。
3月に行われた<「映画」の時間>のプレイベントでは、来日中のハナ監督が子どもたちへ特別授業としてお話をしてくれました。
ハナ監督からの、世界の大人と子どもたちへのメッセージ。ぜひ、劇場でご覧ください。
「子供の情景」ハナ・マフマルバフ監督
(映画祭上映タイトル「ブッダは恥辱のあまり崩れ落ちた」)
「子供の情景」公式サイト
<「映画」の時間> プレイベントの模様
◎第8回東京フィルメックス上映時のイベント記録
上映後Q&A(テキスト)
トークイベント「映画の未来へ~子どもと映画~」(テキスト)
トークサロン「それぞれのシネマ」ハナ・マフマルバフ(テキスト)
同(動画)

第44回カルロビバリ国際映画祭にて、東京フィルメックスで上映された日本映画3作品が上映されます

第44回カルロビバリ国際映画祭(チェコ/7月3~11日開催)にて、<Independent Japanese films in Karlovy Vary>として、第9回東京フィルメックス上映作品の『愛のむきだし』(園子温監督)、『ノン子 36歳(家事手伝い)』(熊切和嘉監督)、『PASSION』(濱口竜介監督)の3本が上映されることになりました。
これは、昨年のカルロビバリ映画祭にドキュメンタリー部門審査員として東京フィルメックスより林 加奈子ディレクターが参加したことを機縁に、日本映画の紹介を働きかけたことがきっかけになったものです。
特集上映の開催にあたり、カルロビバリ国際映画祭のプログラムディレクター、ジュリエッタ・シーシェル氏より、以下のコメントが寄せられました。
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東京フィルメックスと共に、インディペンデント作品を称えられる機会は大変嬉しく、『愛のむきだし』『PASSION』『ノン子36歳(家事手伝い)』という素晴らしい3作品を紹介できることに、私たちの胸は高鳴っています。ヨーロッパプレミアで無くとも、この3作品上映について発表した直後から、既に事務局にはセールス・エージェントや配給会社からの問い合わせが相次いで来ていて、私たちは大変喜んでいます。
(カルロビバリ国際映画祭・プログラムディレクター、ジュリエッタ・シーシェル)
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また、公式サイトでは現在も新作の応募をオンラインで受け付けており、締切は、4月17日となっています。
なお、園子温監督は『紀子の食卓』が2005年にカルロビバリ映画祭のコンペ部門でスペシャル・メンションなどを受賞しています。熊切和嘉監督と濱口竜介監督の作品は、カルロビバリ初お目見えとなります。
熱心な観客に支えられるカルロビバリ映画祭で、これら3作品がどのような反響を呼ぶか楽しみです。
第44回カルロビバリ映画祭 公式サイト
Independent Japanese films in Karlovy Varyについてはこちら
昨年(第43回)カルロビバリ映画祭レポートはこちら

第59回ベルリン国際映画祭 レポート

まず、ベルリン映画祭のプレス・オフィスから公式に発表されているデータからご紹介したい。第59回目を迎えた今回の映画祭の概要を示す数字は以下の通り。
上映作品数:383作品
上映回数:1238回
IDパス登録者:約2万人
登録者の国籍:136カ国
チケットの売り上げ数:約27万枚(過去最多)
ちなみに、昨年の東京フィルメックスの上映作品数は39作品で、上映回数は63回だから、これらの数字を見ればいかにベルリンが大きな映画祭かということがわかると思う。どちらかといえば業界関係者向けのイベントであるカンヌ映画祭などとは違い、ベルリンは広く一般の観客に向けたイベントでもあるのだが、そういった映画祭としては、おそらく世界でも最大規模のものといえるだろう。
また、チケットの売り上げ数が過去最多となった要因の一つには、より収容人数の多い会場に一部の会場が変更になったということがあるようだが、とりあえずそれは脇に置いておいても、一般の観客の人たちの熱心さについては言及する価値があると思う。チケット売り場に出来ている行列はもはや当たり前の風景になっているし、コンペティション部門に限らずどんな部門のどんな小さな作品の上映であっても、曜日や会場の大小に関わらずほとんど満席のような状況になっているのを目の当たりにすると、感服するのを通り越して呆れてしまったりもするほどだ。おそらく、この機会を逃したら二度と観られないかもしれないという一期一会の感覚が多くの人に共有されているのだと思うが、それだけに、数ある作品の中からいい作品に出会えた時の喜びは大きいはずだと思う。
また、このことはこういう言い方もできるだろう。一般にメディアに露出される機会が多いのはどうしてもコンペティション部門の作品で、その理由は同部門が様々な意味で映画祭の核であり、華の部分でもあるからである。ただ、逆に言うとそれ以上の理由はなく、また作品数でも同部門の作品は(コンペ外上映を含めても)20数作品で、数字の上では全体の一割にも満たない。その中で、比較的メディアへの露出の少ないパノラマやフォーラムといった部門の上映にも多くの観客が集っているこうした状況は、観客を含めた映画祭の成熟というものを表しているのではないかと思う。実際、個性的な作品や挑戦的な作品に出会おうと思えば広くプログラムを見渡すことは不可欠で、多くのベルリンの観客はそのことをよく理解しているように見える。
ただ、敢えてここでもコンペティション部門の受賞結果について少し触れておくと、一見して明らかなのは、アルフレッド・バウアー賞を『Gigante』(監督:Adrián Biniez)と分け合ったアンジェイ・ワイダ監督の『Tatarak(Sweet Rush)』を除くと、金熊賞を受賞した『La teta asustada(The Milk of Sorrow)』(監督:Claudia Llosa)を始めとして、新進や中堅の作り手たちに賞を与える結果となっていることだ。受賞結果によっては映画祭の印象ががらりと変わってしまうものだが、ティルダ・スウィントンを審査委員長とする審査員たちの未来を見据えたこうした判断は、先行きの見えないこの世界的大不況の中で行われた映画祭にあって、映画の将来に新しい光明を灯す結果となったに違いない。
他の部門に目を転じると、シネフィル的な視点で見た場合にまず目を引くのが、ベルリナーレ・スペシャル部門で上映されたマノエル・デ・オリヴェイラ、クロード・シャブロル、エルマンノ・オルミといった巨匠監督たちの新作だろう。オルミの作品は残念ながら今回は見逃したが、オリヴェイラとシャブロルの新作は、共に期待を裏切らない充実した作品だった。両者に共通していたのはその絶妙な「軽さ」とでも表現できそうな感覚で、特にオリヴェイラの新作に関しては他のたいていの作品よりもむしろ「若さ」を感じる驚くべき作品だった。これらの映画を観れば、映画作家にとって「成熟」や「老成」とは一体どういうことなのか、誰でも改めて考えさせられてしまうはずだ。
最後に、東京フィルメックスで「アニエスベー・アワード」を受賞した園子温監督の『愛のむきだし』が、フォーラム部門で優れた作品に贈られる「カリガリ映画賞」と「国際批評家連盟賞」をダブル受賞したことにも触れておきたい。比較的繊細な作品やオフビートな作品が多かった今年のフォーラム部門において、『愛のむきだし』が放つその圧倒的な熱量は、確かに際立っていた。
ベルリン映画祭公式サイト(ドイツ語、英語)
受賞結果のプレスリリース
(報告者:神谷直希)

「子供の情景」上映会&ハナ監督登壇

先日もお知らせしましたが、第2回<「映画」の時間>のプレイベントとして、「子供の情景」上映会&ハナ・マフマルバフ監督による質疑応答の親子参加者を、3月4日(水)まで募集しています。
ご兄弟やご家族でのご参加も可能です(大人のみのご参加はお断りしております)。
ぜひご応募ください。
(ご応募はメールで、3月4日締め切り)
「子供の情景」公式サイト

3月7日(土)に<「映画」の時間>のプレイベントが開催されます。

3月の5日間にわたり開かれる、子ども映画制作ワークショップ<「映画」の時間>。この開催を記念して、イランから特別講師をお迎えしてプレイベントを実施します。
第8回東京フィルメックスのコンペ部門で上映された「ブッダは恥辱のあまり崩れ落ちた」。この作品が『子供の情景』というタイトルで、4月18日(土)より岩波ホールにて公開されます。
『子供の情景』のハナ・マフマルバフ監督は、8歳の時に初めて映画「おばさんが病気になった日」を製作し、作品はロカルノ映画祭などで上映されるなど、若くから国際的に活躍し、注目を集めてきました。
今回、マフマルバフ監督の来日にあわせ、<「映画」の時間>のプレイベントを3月7日に開催します。「子供の情景」の上映や、監督との質疑応答など、これから初めての映画制作に挑戦する子どもたちにも、きっと大きなヒントになると思います。
また「5日間のスケジュールが合わなくて…」あるいは「対象年齢(小学3年―中学3年)から外れているから…」ということで、残念ながら<「映画」の時間>に参加できないお子様でも、プレイベントのみのお申し込みも受け付けています。
しかも、親子・ご兄弟によるご家族での団体応募も可能です。
参加費も無料。
監督もお迎えしての貴重なお話が伺えるチャンス。ぜひご参加ください。
ご応募をお待ちしております。
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■日時:3月7日(土)9:30~11:40(第1部)
■会場:芝浦港南区民センター区民ホール(港区芝浦4-13-1)
  *午後からの第2部は、<「映画」の時間>に参加される
   お子様のみに限られます。
■参加費:無料
※日本語字幕での上映となります(吹替えではありません)。
ご応募はメールで! 詳細は、こちら
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「子供の情景」ハナ・マフマルバフ監督
(映画祭上映タイトル「ブッダは恥辱のあまり崩れ落ちた」)
第8回東京フィルメックス上映時のイベント記録
上映後Q&A(テキスト)
トークイベント「映画の未来へ~子どもと映画~」(テキスト)
トークサロン「それぞれのシネマ」ハナ・マフマルバフ(テキスト)
同(動画)

「SAPIO」で新作映画紹介を連載中

東京フィルメックスのスタッフが、劇場で公開されている新作を中心にご紹介する連載です。
「SAPIO」(2月18日発売号)では、園子温監督の「愛のむきだし」を、市山尚三プログラム・ディレクターがご紹介しています。
先日お伝えしました通り、ベルリン映画祭ではカリガリ賞&国際批評家連盟賞をW受賞するなど、熱狂的に迎え入れられました。東京での公開も、劇場の初日興行収入記録を更新するなど、盛り上がりを見せています。
ぜひ、お手に取ってご覧下さい。
「SAPIO」公式サイト

「マキシモは花ざかり」「世紀の光」が上映されます

第7回東京フィルメックスのコンペ部門で上映された、アウレウス・ソリト監督「マキシモは花ざかり」と、同じく特別招待作品として上映されたアピチャッポン・ウィーラセタクン監督「世紀の光」が、「国際交流基金アジア映画ベストセレクション」で再び上映されます。
3月14日、15日の2日間に、インドネシア、フィリピン、マレーシア、タイ、インドから6本の作品が上映されます。前述の2本の他にも、日本初上映となる作品もありますので、ぜひこの機会にご覧ください。
公式サイトでは、市山尚三プログラム・ディレクターが「マキシモは花ざかり」に寄せた推薦文も掲載されています。
国際交流基金アジア映画ベストセレクション
■主催:国際交流基金/
 運営協力:財団法人国際文化交流推進協会(エース・ジャパン)
■会期:2009年3月14日(土)・15日(日)
■会場:赤坂・OAGホール
■入場料:800円(当日券のみ・各回入替制)
お問い合わせは
「国際交流基金アジア映画ベストセレクション」事務局 (エース・ジャパン内)
TEL:03-5562-9574 FAX:03-5562-4423
国際交流基金アジア映画ベストセレクション