賞・審査員


第23回東京フィルメックス受賞結果

第23回東京フィルメックス・コンペティションの審査員は以下の作品に賞を贈ります。

【第23回東京フィルメックス コンペティション 受賞結果】

【最優秀作品賞】 

『自叙伝』Autobiography
監督:マクバル・ムバラク(Makbul MUBARAK)
インドネシア、フランス、シンガポール、ポーランド、フィリピン、ドイツ、カタール / 2022 / 116分

副賞として賞金70万円が監督に授与されます。
授賞理由;
見事な演出による自信に満ちた映画スタイルで、モラルコントロールの巨大な網に対する個人の抵抗の探求は、次第に権力構造が不穏な邪悪さへと変化する様子を描いている。このテーマは緊急かつ普遍的である。

【審査員特別賞】 

『ソウルに帰る』Return to Seoul
監督:ダヴィ・シュー(Davy CHOU)
ドイツ、フランス、ベルギー、カタール / 2022 / 116分

副賞として賞金15万円が監督に授与されます。
授賞理由;
私たちはどこから来て、どこへ行くのか? アイデンティティと出自を求めることで、疑問や可能性、新たな展望を切り開き、他にはない魅力的な文化と映画の旅へと導いている。

【審査員特別賞】 

『Next Sohee(英題)』
監督:チョン・ジュリ(JUNG July)
韓国 / 2022 / 138分
配給:ライツキューブ

副賞として賞金15万円が監督に授与されます。
授賞理由;
企業文化や資本主義が効率や経済的成果を追求する冷酷な世界では、人命やその他の価値がどのように犠牲になっているかが考察されることで、人を搾取するメカニズムに光が当てられている。

【スペシャル・メンション】 

『ダム』The Dam
監督:アリ・チェリ(Ali CHERRI)
フランス、スーダン、レバノン、ドイツ、セルビア、カタール / 2022 / 80分

授賞理由;
リアリズムとイマジネーションを融合させた芸術的で詩的なこの作品は、腐敗やグローバル化の危険性に対する人間のどうしようもない闘いを隠喩的に表現している。


■第23回東京フィルメックス コンペティション審査員:
リティ・パン ( Rithy PANH / フランス・カンボジア / 映画監督 )
キム・ヒジョン ( KIM Hee-Jung / 韓国 / 映画監督 )
キキ・ファン ( Kiki FUNG / 香港 / 映画プログラマー )


上映時に来場の観客の投票により、次の作品が観客賞に選ばれました。
■観客賞

『遠いところ』A Far Shore
監督:工藤将亮(KUDO Masaaki)
日本 / 2022 / 128分
配給:ラビットハウス

■学生審査員賞

『地中海熱』Mediterranean Fever
監督:マハ・ハジ(Maha HAJ)
パレスチナ、ドイツ、フランス、キプロス、カタール / 2022 / 108分

授賞理由;
この映画からは、彼らのアイデンティティを包み込むような優しさを感じました。
ユーモアあふれる演出の中に漂う、確かな絶望感。
決して明るくない社会に生きる一人の人間と、映画の外までも続いていく世界の広がり、そしてその先の人生も描き出されていました。

● 学生審査員:
はるおさき(HARUO Saki / 東京藝術大学大学院)、山辺愛咲子(YAMABE Asako / 武蔵野美術大学)、高野志歩(TAKANO Shiho / 立教大学)

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■ タレンツ・トーキョー・アワード2022
~副賞として主催者より、賞金30万円が受賞者に授与されます。

「Forte」(ソン・ヘソン(SON Heui Song)/韓国)
授賞理由:
タレンツ・トーキョー・アワードを、エネルギッシュなプレゼンテーションと、社会問題を織り交ぜ、ミュージカルとホラーのジャンルを独自に解釈していくプロジェクト、ソン・ヘソン監督の「Forte」に送ります。


■スペシャル・メンション
「Future Laobans」(マウン・サン(Maung Sun)/ミャンマー)

「TROPICAL RAIN, DEATH-SCENTED KISS」(シャルロット・ホン・ビー・ハー(Charlotte HONG Bee Her)/シンガポール)

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【国際審査員 <コンペティション部門>】

東京フィルメックス・コンペティションで上映される9作品を、今年の審査委員長リティ・パンをはじめ、下記の3名の方々に審査していただき、11/5(土) に各賞を発表いたします。

【最優秀作品賞】 副賞として賞金70万円が監督に授与されます。

【審査員特別賞】 副賞として賞金30万円が監督に授与されます。

審査委員長

リティ・パン ( Rithy PANH / フランス・カンボジア / 映画監督 )

カンボジアのプノンペン生まれ。クメール・ルージュ政権による大量虐殺を逃れ、1980年にパリに行く。IDHECで学び、2003年、『S21, クメール・ルージュの虐殺者たち』は、1975年から1979年にかけてクメール・ルージュによって組織的に行われた抹殺政策を検証し、広く受賞したドキュメンタリーである。2006年、カンボジアにボファナ・センターを設立し、カンボジアの視聴覚遺産のアーカイブとその専門家の養成を行う。

2013年、監督作『消えた画 クメール・ジュージュの真実』がカンボジア映画として初めてアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。2020年の第70回ベルリン映画祭のコンペティション部門に出品された最新作『照射されたものたち』は、最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。グラセット社から出版されたクリストフ・バタイユとの共著「消去 ― 虐殺を逃れた映画作家が語るクメール・ルージュの記憶と真実」「Peace with the Dead」などを出版している。

 

審査員

キキ・ファン ( Kiki FUNG / 香港 / 映画プログラマー )

香港国際映画祭のプログラミング・コンサルタントや香港演芸学院のアドバイザーを務めほか、ウディネ極東映画祭にも携わる。オーストラリアのブリスベン国際映画祭やブリスベン・アジア太平洋映画祭のヘッド・プログラマーを務め、ブリスベン映画祭とシドニー現代美術館ではゲスト・キュレーターとしても活躍した。2010年にオーストラリアに移住する以前は香港フィルムアーカイヴに7年間勤め、出版物の編集や会場運営に携わり、香港映画に関する出版物の編集にも協力した。香港映画批評家協会のメンバーでもある。

キム・ヒジョン ( KIM Hee-Jung / 韓国 / 映画監督 )

ポーランドのウッチ映画大学を卒業後、パリのカンヌ映画祭レジデンシーに選出され『13歳、スア』(2007)を完成させた。2012年には『グレープ・キャンディ』でソウル国際女性映画祭のピッチ&キャッチ賞を受賞。『Snow Paths』(2015)が全州映画祭のチョンジュ・シネマ・プロジェクトに選出され、カルロヴィ・ヴァリ映画祭を含む複数の映画祭に招待された。2016年に釜山映画祭にAPM KOCCA賞を受賞した『A French Woman』(2019)は2021年のワイルドフラワー映画賞で最優秀女優賞と撮影賞を受賞。2021年のAPMに選出された『Where Would You Like To Go!』は現在を撮影を終え、ポストプロダクション中。

観客賞

観客の投票により選出されます(対象作品はスケジュール確定後発表します)。

学生審査員賞

東京学生映画祭主催の「学生審査員賞」は3人の学生審査員がコンペティション部門の作品を対象に審査し、11月5日(土)の授賞式で最優秀作品を発表します。学生審査員の選任から、賞の運営までを東京学生映画祭の手で行います。

東京学生映画祭 <tougakusai.jp


はるおさき(HARUO Saki)
東京藝術大学大学院修士1年
監督作品:『川凪ぐ火葬場』第33回東京学生映画祭出品


山辺愛咲子(YAMABE Asako)
武蔵野美術大学2年
第33回東京学生映画祭企画委員


高野志歩(TAKANO Shiho)
立教大学2年
第33回東京学生映画祭企画委員