2009年11月29日
11月29日、東京フィルメックスの最後を締めくくるクロージング作品『渇き』が有楽町朝日ホールで上映された。「復讐三部作」で知られる韓国の鬼才パク・チャヌク監督の新作にして、09年カンヌ国際映画祭では審査員賞を受賞するなど、注目を集めている本作。上映後に行われたQ&Aではパク監督が登壇し、映画の異様な雰囲気に興奮冷めやらぬ会場から、数多くの質問が寄せられた。
11月28日、特別招待作品の『春風沈酔の夜』が有楽町朝日ホールにて上映された。ロウ・イエ監督は第1回東京フィルメックスにおいて、『ふたりの人魚』でグランプリを受賞。十年後の今年、審査員としてフィルメックスに戻って来た。新作『春風沈酔の夜』はホモセクシャルのカップルを中心に南京に住む5人の男女の人間関係を繊細に描いている。上映後のQ&Aでは、カンヌ国際映画祭において脚本賞を受賞し注目を集める本作品に、多くの質問が寄せられた。
有楽町朝日ホールで11月28日、特別招待作品としてイスラエルのアモス・ギタイ監督最新作『カルメル』が上映された。第10回を迎える東京フィルメックスの中で、9本の作品が上映されているギタイ監督。今回の『カルメル』は監督にとって「非常に個人的な体験を、大きな歴史的出来事と結びつけようと試みた大変私的な作品」であると上映前の舞台挨拶で述べ、同作を携えて来日できたことの喜びを語った。
11月27日、シネカノン有楽町一丁目において、コンペ作品『2つの世界の間で』の上映後に、ヴィムクティ・ジャヤスンダラ監督のQ&Aが行われた。スリランカ出身のジャヤスンダラ監督は、前作でカンヌ国際映画祭カメラ・ドールを受賞、本作もヴェネチア国際映画祭のコンペ部門で上映され、注目を集めている。フィルメックス初上映ということもあり、客席からは独特な作品世界の裏側を探るような質問が相次いだ。
11月26日、有楽町朝日ホールでコンペティション作品『堀川中立売』が上映された。2004年『おそいひと』で東京フィルメックスに参加をしている柴田剛監督が、京都を舞台に大胆なパラレルワールドを描く今作品は完成したばかり。フィルメックスがワールドプレミアとなる。上映前には柴田監督を始め、個性的な俳優陣が登場し、賑やかな舞台挨拶となった。また上映後は不思議な『堀川中立売』ワールドへ多くの質問が監督に投げかけられた。
11月26日有楽町朝日ホールにて、コンペティション作品の『天国の七分間』が上映された。本作はオムリ・ギヴォン監督の監督デビュー作となる。イスラエルから来日した主演女優のレイモンド・アンセルムさんは、舞台挨拶でオムリ監督のメッセージを代読し、上映後の質疑応答では、観客から寄せられた数々の質問に応じた。外国人プレスからも質問が挙がるなど、本作品への注目度の高さが窺えた。
11月25日、有楽町朝日ホールにて特別招待作品『甦りの血』の上映終了後、豊田利晃監督によるQ&Aが行われた。豊田監督作品のファンが多く訪れた会場は、作品の独特な雰囲気と圧倒的な重厚感に飲み込まれ、その余韻を残しつつも多くの人から質問の手があがり活気溢れるものとなった。
11月24日有楽町朝日ホールにて、特別招待作品である『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』が上映された。これがワールドプレミア上映となるこの作品。上映後には、大森立嗣監督と主演の松田翔太さん、高良健吾さん、安藤サクラさんをゲストとして迎え、観客を交えてのQ&Aセッションが行われた。ステージにゲストが登場すると、会場は熱気と緊張感で最高潮に盛り上がり、これからの日本映画を背負う監督と若き俳優たちに、熱い視線と多くの質問が寄せられた。
11月24日、コンペティションに出品の『セルアウト!』が有楽町朝日ホールに て上映された。マレーシアからやってきたこの作品は、ヨ・ジュンハン監督のデ ビュー作で、テレビ・キャスターの女性と家電開発者の男性が主人公のブラッ ク・コメディである。随所にミュージカル・シーンが織りこまれた、斬新な作品だ。
有楽町朝日ホールにて、コンペティション作品『息もできない』の上映後、監督で主演も務めたヤン・イクチュンさんと、女子高生ヨニの弟役の俳優イ・ファンさんを迎えてQ&Aが行われた。韓国から来日したヤン監督は、第一声で「みなさん、おごって!」と茶目っ気たっぷりに日本語を披露し、映画の中のキャラクターとは全く違うその素顔に観客は驚かされた。
3連休最終日の11月23日。有楽町朝日ホールにて特別招待作品「フローズン・リバー」が上映された。コートニー・ハント監督が自ら脚本も担当し、アカデミー賞オリジナル脚本賞にノミネートされた注目の話題作として、多くの観客がつめかけた。カナダ国境、先住民モホーク族の保留地で起きた実話がモデルである同作品は、白人のレイ、モホーク族のライラ、2人の女性の「母性」「貧困」「家族の情景」を丁寧に描き出し、ハント監督を迎えてのQ&Aは、作品の終了と共に沸き起こった拍手の余韻を残しつつスタートした。
11月23日、コンペティションに出品の『意外』が有楽町朝日ホールにて上映された後、ソイ・チェン監督を迎えてQ&Aがおこなわれた。香港でロケ撮影をおこなった『意外』は、ルイス・クーさんが演じる用心深い殺し屋の心理を追ったサスペンスである。
第10回東京フィルメックスの開会式を迎えた11月22日、セレモニーに引き続きオープニング作品『ヴィザージュ』が上映され、ツァイ・ミンリャン監督が登壇しQ&Aが行われた。上映前にも舞台挨拶を行った監督は、「どうぞ途中で席を立たれませんように」と冗談交じりに早々と“難解映画”宣言。