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「第14回東京フィルメックス」
「学生審査員賞」審査を終えて
東京学生映画祭の主催による「学生審査員賞」を、2011年に創設しました。
審査員を務めた3名の学生審査員より、「審査を終えて」のコメントをいただきましたので、ご紹介いたします。
ここにもある通り、審査は大変に白熱し、充実したものとなりました。
彼らの熱い気持ちが作り手や、観客の皆様に届くことを願ってやみません。
次回の学生審査員にご興味をお持ちになった学生の皆様は、東京学生映画祭にお問い合わせください。
東京学生映画祭 » http://www.tougakusai.com/
各学生審査員コメント »中村祐太郎(NAKAMURA Youtaro) »川和田恵真(KAWAWADA Emma) »須山拓真(SUYAMA Takuma)
中村祐太郎(NAKAMURA Youtaro)
多摩美術大学3年
監督作品:『ぽんぽん』第25回東京学生映画祭実写部門グランプリ受賞
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映画ならきっと人生が変わる。僕の場合はだ。
それは、自分を取り巻くありとあらゆる情報の中で生きて、それを食べて過ごしている、没用な時間の中で見つけた道しるべだからだ。
それを辿った先が、きっと今より、人間として生きることへの可能性が開けた未来である。
今まさに、そういった希望と野望に満ちあふれ、只ならぬ自信が最高潮をむかえている。
少しずつ、撮り貯めたショットの数々が、「今日の岐路」というシーンを形成するようである。
映画は所詮、映画でしかないが、作り手は、自分の人生にもっと時間をかけて取り組まなければ、面白い映画は作れないだろう。
東京フィルメックス、僕も作り手だ。ここで上映されて、Q&Aで、おばはんに質問されたい。
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川和田恵真(KAWAWADA Emma)
早稲田大学4年
監督作品:『circle』/第25回東京学生映画祭実写部門準グランプリ受賞
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この一週間、のぼせてしまうくらい映画に浸りました。まだポカポカしてます。
私にとって有楽町は未知への憧れが詰め込まれているような場所です。初めて会場に向かう際、私は迷いに迷い、何度もビルの間を往復しました。そうしてようやく辿り着いたホールのその高級な空気に、汗を拭いながら入る自分はまったく場違いな存在でないかと、さらに冷や汗が止まりませんでした。
しかし、そんな私が、一週間後には審査員としてそのホールの満員の舞台に立たせて頂いたのです。あの強い光の中、その奇跡に夢見心地で真っ直ぐ立てていたかも分かりませんが、足下を強く支えてくれたのはコンペ10作品それぞれから溢れ出た、強く強く漲るエネルギーでした。
さすがのセレクション、すべての作品に「出逢えて本当に良かった」と思う瞬間を貰いました。映画と映画の間に、学生審査員各々の率直な感触についてあれこれ話しあう事もとても面白く、それも含め非常に貴重な映画体験となり。そのうちに、1つの作品を目指し揺るがない気持ちとして重なりあったことは感動的でありました。
「私たちがいつまでも映画の学生であり続けられますように。いつまでも学ぶ気持ちを持ち続けられますように」
この賞を受けてのハンナ・エスピア監督の御言葉を、私は生涯胸に抱いていきます。現在4年生の私には、大学生としてのこの季節はもう二度とやって来ない訳で...。しかし、この言葉が教えてくれる謙虚に学ぶ気持ちを持ち続け、その意味で学生であり続けたいと思います。そして私の未来にまた強い光がありますように。芽吹いたこの願いを咲かせられるよう、一歩一歩、精進します。
最後になりますが、こんなにも貴重で幸福な時間を与えてくださり、また細かな気遣いでサポートしてくださったスタッフの皆様に、心からお礼を申し上げます。本当に本当に、ありがとうございました。
来年のこの季節にまた、今度は迷わずに有楽町を歩きます。
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須山拓真(SUYAMA Takuma)
青山学院大学4年
監督作品:『薄いしきり』/第25回東京学生映画祭本選出場
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好きそうなものを探して、気に入ったものに浸り続ける。そんなある種、単調になりかけていた日常を打ち砕いてくれる強烈な一週間でした。
予備知識のほとんどない映画体験は幾度とないハッとさせられる瞬間への出会いでもあり、それがいかに嬉しいものであるかを実感するとともに、映画が物語であるという以前に体感であるということを再認識させられました。
コンペの10作品を順に観ていくなか、次はどんな世界が待ち受け、何が潜んでいるのか期待し続け、互いの映画体験を熱が冷める前に、時に共感し、時に激しくぶつけ合いながら、すぐさま語り合えたこの一週間は、映画の広大さに心が沸き立つと同時に、自らの無知と偏った捉え方といったものを痛感せずにいられない、輝かしくもほろ苦い思い出として心に深く刻まれ、今後もどんな形であれ映画に立ち向かい続けるという決意につながりました。
映画へのたゆまぬ思いを持った多くの方々が集結したからこそ実現した、この映画祭自体、ある種の奇跡であり、それを引き起こしてくれた方々、またその場に審査員という責任ある立場として招いてくださり、ただ素直に映画を観て感じればいいと示してくださった方々に心からお礼申し上げます。
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