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【レポート】『僕はイエス様が嫌い』舞台挨拶

第19回 東京フィルメックスの初日となる11月17日(土)、開会式に先駆けて有楽町スバル座にて『僕はイエスさまが嫌い』が上映された。東京から雪深い地方のミッション系の学校に転校した少年ユラが、新たな習慣に戸惑いながら、突然現れた小さなイエス様や友達と過ごす姿を描いた作品。奥山大史監督が監督、脚本、撮影、編集を手がけた長編デビュー作で、去る9月にサンセバスチャン映画祭で最優秀新人賞を獲得した話題作。今回のフィルメックスでの上映が日本初公開となる。

最初に、市山尚三東京フィルメックス・ディレクターから、登壇予定だった奥山監督が急遽来場できなくなった旨が伝えられ、監督からのビデオメッセージが紹介された。コメント内容は以下の通り。

「皆さんこんにちは。今日はご来場いただきありがとうございます。今、僕はスウェーデンのストックホルムにいて、急遽滞在が伸びてしまい会場へ行けなくて残念です。この作品は今日が日本初公開となり、年内の上映予定はないので、皆さんの貴重な感想を楽しみにしています。ツイッターやフェイスブックなどでも是非伝えていただけたら。舞台挨拶は、出演者の皆さんに託しますのでよろしくお願いします。それでは映画をごゆっくりお楽しみください」

上映に先立って舞台挨拶が行われ、出演者の佐藤結良さん、大熊理樹さん、チャド・マレーンさん、佐伯日菜子さんが登壇すると、会場から大きな拍手が送られた。

司会の市山ディレクターから、奥山監督の印象について聞かれた主人公役の佐藤さんは「監督はとても優しかった。事前に台本はもらっていなかったが、ぶっつけ本番でセリフを一つひとつ優しく教えてくれました」と答えた。ここで市山ディレクターから、本作がサンセバスチャン映画祭で本作最優秀新人賞を受賞したことが告げられると、会場から拍手が起こった。

同映画祭に監督と出席した感想を聞かれた大熊さんは「今回スペインにいけなかった佐藤結良君の分も背負って行ったが、上映中もお客さんがとても笑ってくれてすごく嬉しかった。見守ってくれていた皆さんにも届いたと思います」と話し、サンセバスチャン映画祭はレベルが高く、上映されるのもなかなか難しいと市山ディレクターも加えた。

イエス役のチャドさんは、『ビック・リボウスキ(98)』に出てくるジーザスのTシャツを着て自身の役柄のヒントを出していたと明かし、「世界中で一番多く描かれているキャラクター、悪魔、サンタクロース、ジーザスの3本指に入れて有難い。この作品も神がかってるなと。監督はとても優しかったです。本作のオファーを受けた時は短髪で、撮影日直前まで(イエス様用の)かつらを探すのに必死だったが、監督だけは根性が座っていた。撮影は大変で、映画を見ていただけたらわかると思います」とユーモアたっぷりに答えた。

22歳という若さの奥山監督の演出について聞かれた佐伯さんは「監督はとても落ち着いていて、初めて会った時も、本当に22歳なのかと思った。淡々としてとても静かで。でも雪中での撮影に合流した時、監督がとても派手なジャンパーを着ていたり、屈託なく話しかけてくる姿を見て、やっぱり22歳なんだなと少年らしさを感じた。演出には迷いがなく、監督の中には確固たるイメージがあることを感じました」と明かした。
最後に、チャドさんの呼びかけで、会場全体で「僕はイエス様が嫌い」とタイトルコールを行い、客席からの大きな拍手とともに舞台挨拶は終了した。
国内では来年の劇場公開が予定されている本作。鮮烈なデビューを飾った若き奥山監督の今後のさらなる活躍に期待したい。

(文責:入江美穂 撮影:明田川志保)


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