第9回ウディネ映画祭 開幕!

 以前にもお伝えしましたアジアン・クイアー・フィルム&ビデオ・フェスティバルでの「マキシモは花ざかり」の上映は全て前売り券が売り切れとなってしまったようです。明日の上映の際には、当日券の発売はないとのことですのでご注意ください。
 本日は、「世界の映画祭だより」にて、イタリアのウディネ映画祭の開幕情報を掲載しました。どうぞご覧ください。
<第9回ウディネ映画祭 開幕>

第9回ウディネ映画祭

 イタリアの北東部、半島の付け根にあたる都市ウディネで、今年が9回目となるウディネ映画祭が4月20日から28日までの日程で開催される。
 ウディネ映画祭は、その英語名称であるUdine Far East Filmの通り、東アジア及び東南アジアを中心とした地域の作品が上映される、コンペティション部門を持たない映画祭である。作品の傾向では、各国で1年間にヒットした娯楽大作や、いわゆるファンタ系映画(SFやアクションのカルト映画)の他、監督に焦点をあてた旧作の特集上映などが特徴的だ。
 過去に東京フィルメックスで上映された作品で、このウディネでも上映された作品もあり、例えば「サグァ」や「PTU」、「武士-MUSA-」「幽霊人間」などがある。
 毎年、日本映画の出品も多く、今年も多くの作品がお目見えする。
 塩田明彦監督の「どろろ」がオープニングを飾るほか、「デスノート」「さくらん」「口裂け女」「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」「ストロベリーショートケークス」「フラガール」「日本沈没」「嫌われ松子の一生」「NANA 2」「LIMIT OF LOFE 海猿」「笑う大天使」などが上映される。
また、今年のレトロスペクティブは、香港のパトリック・タム特集である。
<ウディネ映画祭 公式サイト>

第9回ニッポン・コネクション開催

 ドイツのフランクフルトで「第9回ニッポン・コネクション」が4月18日から22日にかけて開催される。
 もともとは学生を中心としたメンバーたちの熱意により生まれた映画祭であったが、日本映画の新作をインディペンデント作品からメジャー作品まで幅広く積極的に紹介を続けて、地元の人々はもちろん、欧州各地の日本映画ファンの支持を集めて定着を果たした。ドイツ国内の劇場での商業公開や、ベルリン映画祭などでの上映とは違った選択肢を観客に提示して好評だ。
 また、映画上映にとどまらず、食やファッション、アートパフォーマンスやマンガなどのサブカルチャーまで、日本文化を紹介する企画が多いのも、この映画祭の特徴のひとつである。
 今年、上映される日本映画は以下の通り。
「笑う大天使」*
「無花果の顔」
「14歳」*
「メゾン・ド・ヒミコ」*
「恋する日曜日」*
「松ケ根乱射事件」*
「いつか読書する日」
「蟲師」*
「悪夢探偵」
「悶絶ほとばしる愛欲」*
「紀子の食卓」
「パプリカ」
「パビリオン山椒魚」*
「ストロベリーショートケイクス」
「スウィングガールズ」
「鉄コン筋キンクリート」
「夢十夜」
「おじさん天国」*
「恐い女」*
「プルコギ」
「横浜メリー」*
 このうち、ドイツプレミア上映となる作品(上記中*印)を対象に、観客の投票で選出する「NIPPON CINEMA AWARD」には副賞として2,000ユーロが授与される。
レトロスペクティブは、「SHOOTING THE SUN」と題して60年代の実験映画をイメージフォーラムなどの協力を得て特集する。
<ニッポン・コネクション 公式サイト>

香港映画祭レポート&シンガポール映画祭開幕記事 掲載中です

 「世界の映画祭だより」にて、市山尚三プログラミング・ディレクターによる香港国際映画祭のレポートを掲載中です。今回は映画祭本体の他で様々な新しい取り組みがなされた香港ですが、どのように変わってきたのか、ぜひご覧ください。
 また、今週より開幕するシンガポール映画祭の開幕記事も掲載しました。こちらもあわせてご覧ください。
<第31回香港国際映画祭 レポート>
<第20回シンガポール国際映画祭 開幕>

第20回シンガポール映画祭(4/18-4/30) 開幕

シンガポール映画祭 公式サイト
第20回シンガポール映画祭では、40か国から300作品(ワールド・プレミア4本、インターナショナル・プレミア4本、アジア・プレミア16本)が上映される。
オープニングは、スリランカのPrasanna Jayakody監督の長編第一作「Sankara」。
クロージングは、「オペラジャワ」インドネシアのガリン・ヌグロホ監督。
Silver Screen Awardsの対象となる、アジアの長編映画のコンペティション部門は、11作品。中東からインド、東南アジア、韓国、中国などからの幅広い作品がラインナップされ、シンガポール映画「Solos」やフィリピン映画「The Woven Stories of The Other」などの新進監督も紹介される。また、昨年の東京フィルメックスの上映作品「アザー・ハーフ」(イン・リャン)、「スクリーム・オブ・ジ・アンツ」(モフセン・マフマルバフ)、「オペラジャワ」もプログラムされている。
Asian Cinema部門では、日本から廣木隆一監督の「M」、他にインドネシアをはじめ東南アジア作品が目立っている。
また、5つの特集上映が組まれており、特に第20回記念特集として歴代のシンガポール短編コンペティション受賞作37本を上映する。
他に、没後25周年ファスビンダー特集(11本)、音楽ドキュメンタリー映画(8本)、アラブ映画特集(7本)、エジプトのノーベル文学賞受賞作家で、昨年他界したナギーブ・マフフーズ原作の作品(2本)が上映される。
第20回を迎えたシンガポール国際映画祭は、東南アジアにおける最初の国際映画祭として東南アジアのハブとなり、ネットワーク作りを支えてきている。
 また、シンガポール自国の映画をバックアップして、短編コンペティションでの顕彰やプレミア上映などにより、エリック・クーやロイストン・タンなどの監督を紹介してきている。長編劇映画の製作本数が年間数本程度というシンガポールの映画状況ではあるが、活性化を促す機会を作り、地道にサポートを続けている。
 なお、特筆すべき点として、1987年の創設以来、チェアマンGeoffrey Malone氏とディレクターPhilip Cheah氏が継続して任にあたっており、映画祭としての一貫したベースを固めて活動している。
(報告者:森宗厚子)

横須賀美術館に4月28日、谷内六郎館がオープン!

 東京フィルメックスでは、2001年の第2回よりメインビジュアルに谷内六郎さんの「虹色のタングステン」をモチーフとしています。週刊新潮の表紙を、その創刊号から亡くなる81年までの間、1,300枚を超える絵が飾りました。生まれ育った東京の原風景を表現した作風に、懐かしさを感じる方もたくさんいらっしゃるかと思います。
 最近でもNHKの「みんなのうた」にイラストが使用されたり、いまもなお愛され続けている谷内六郎の世界。
 東京フィルメックスの「顔」となっている「虹色のタングステン」の原画は、黒一色で描かれた素朴な作品です。谷内さんが少年工として勤務していた電球工場で見たイメージからふくらませたという、タングステン電球の中に天使が入っている、愛らしさにあふれた作品。
 映画祭のメインビジュアルでは、そこに発光のイメージを加えたり、はたまた天使がフィルムのコマにおさまったり、劇場のスクリーンに映し出されたり、大きな手につまみあげられたり、お花の形になったり、虹色に染まったり…と、いろいろな輝きをみせてくれました。
 さて、今年はどんな風に天使があらわれるでしょうか。
 また、今月28日に横須賀に新しくオープンする横須賀美術館には、「谷内六郎館」が入ります。たくさんの作品の中から展示を構成し、映像や音楽を使った企画も予定されているようです。
 建物もユニークで、目の前には海が広がるというロケーション。ぜひ、一度、訪れてみてはいかがでしょうか?
<横須賀美術館>
<谷内六郎公式サイト-ROKU>