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「第12回東京フィルメックス」
「学生審査員賞」審査を終えて
東京学生映画祭の主催による「学生審査員賞」を、2011年に創設しました。
審査員を務めた3名の学生審査員より、「審査を終えて」のコメントをいただきましたので、ご紹介いたします。
ここにもある通り、審査は大変に白熱し、充実したものとなりました。
彼らの熱い気持ちが作り手や、観客の皆様に届くことを願ってやみません。
次回の学生審査員にご興味をお持ちになった学生の皆様は、東京学生映画祭にお問い合わせください。
東京学生映画祭 » http://www.tougakusai.com/
各学生審査員コメント »古地良子 (KOCHI Ryoko) »山口直哉 (YAMAGUCHI Naoya) »梶睦 (KAJI Mutsumi)
■古地良子 (KOCHI Ryoko)
東京造形大学 4年
監督作品:『デリバリーファッションヘルス』/第23回東京学生映画祭グランプリ・観客賞受賞
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映画を審査する方法なんて、
習ったこともなければ、
そもそも「審査」というものの基準がわからず、
毎日、手探りの状態でしたが、本当に貴重な経験が出来たと思います。
東京フィルメックスの映画は、ジャンルだけではなく、製作国も多種多様で、
「映画」って何なんだろ?と言う疑問に、
「審査する」と言う立場から改めて考えさせられたと思います。
沢山の人に見せたい作品だから、
この監督の次の作品が見たいから、
もう一度見たい作品だから、
沢山の1番があり、「選び」「審査する」とう言うことは、本当に大変なんだと
キチンと審査員という立場を持って体験させて頂き、
フィルメックスには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
コンセプトにあった「映画の未来へ」
学生審査員といえど、
コンペティションで賞を授与する(付加価値を与える)審査員という立場に
学生と言う曖昧で、未発達な人間が関わる事で、
映画に対する意識が広がり、映画の未来へと繋がっていれば良いと思います。
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■山口直哉 (YAMAGUCHI Naoya)
東京藝術大学 3年
監督作品:「短編映像作品『死神』」/第23回東京学生映画祭準グランプリ受賞
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はじめ、学生審査員のお話を頂いた時、「なぜ自分なのか」と正直に思いました。私は作り手としても、観客としても、映画の経験値がまだまだ低いですし、むしろ「学生が審査するのは失礼に当たるのでは」と不安でした。しかし、いざノミネートされた作品を劇場で拝見すると、考え方はガラリと変わりました。
どの作品も、伝えたいメッセージ、表現したい世界観など、作り手の「こうしたい!」という想いが根底にありました。それらは時に無骨でもあり、学生の私と共鳴しました。作り手の想いがつまった映画に対して、学生である私が感じた率直な感想を持って、議論をする。それこそが最大の敬意であると気づきました。
映画について、こんなに議論した事はありません。もちろん学生審査員、全員が率直な感想を述べますから、かなり時間をかけました。しかし、それは辛くも幸せな時間でした。それぞれの違う受け取り方を知る事ができたからです。
楽に、素直に、映画を鑑賞して、議論をする。それが「映画の未来」を盛り上げるのではないかと思います。自分の感想を持つ事の大切さ、楽しさを、東京フィルメックスの学生審査員で学びました。貴重な経験をありがとうございました!
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■梶睦 (KAJI Mutsumi)
東京慈恵会医科大学 2年
東京学生映画祭企画委員
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第12回東京フィルメックスの学生審査員をやらせていただき、普段絶対に経験できないようなことを体験できてとても有意義なものでした。ありがとうございました。
はじめは審査員という、幾つかの作品に数人で順位を付けなくてはいけないという非常に難しい仕事にどう臨めばいいのか不安でならなかった。東京学生映画祭で審査はしているが、審査方法が全く正反対だったことが理由の一つである。東京学生映画祭ではいくつかの項目に最大10点ずつ振っていき総合得点で機械的に本選出場作品を選んでいく。これに対し今回の審査では自分を含めた3人の審査員でひたすら話しあうというものであった。話し合いとなると、一つ問題が出てくる。3人がお互い譲らなく平行線をたどるという可能性である。すでにたくさんの中から選びぬかれた10作品であったので必然的にその問題は起こった。他の二人の方は映画製作をなさっている方で、そんな二人に対してなにも製作をしていないただの映画好きが意見を強く言えるか不安だった。最後に各々が推した3作品はそれぞれがどの作品も好きで、相手の作品を否定する(自分推している作品のほうが相対的に良いというポイントを挙げる)こともできず、かなり煮つまっていた。それでも最後まで自分の意見を言えたのは非常に嬉しかったしよかった。結局、いくつか項目を設けてそれにふさわしい作品を3作品から挙げていき得票の高い作品を挙げることとなった。同じ機械的な方法でもあれだけ話し合った後だと満足感も一入であったので、この選考方法は参考にさせていただきたいと思った。あと、ちょっと欲を言えば選ばなかったほかの2作品についても思いを伝えたかったので、学生風情が偉そうではありますが、特別メンションのようなものがあったらいいなと思った。
また、本選とは別に特別プログラムも観させていただくことができたのは一映画好きとして物凄く嬉しかった。古い作品だとDVDが無かったりあってもプレミアでやたら高級だったりとかで観たくても観られなかったものが多かったし、観られるものでもやはり劇場でとなるとなかなか経験できるものではない。本当にありがとうございました。
学生というのは大人とは違ってお金はないし、時間も全ての人がまとまって取れるわけではないですが、考えたことを制限するものはほとんどないので100%近くストレートに表現できる特殊な存在だと僕は思っています。だからこそ学生映画というものは商業映画や自主映画とはまた違った魅力があります。学生映画が評価される場はここ何年かで増えたように感じますが、それは得てして一方的に評価者の立場に置かれるばかりで、他作品に対して意見を、思いを発する場は決して多くはないように感じます。だからこそ、今回東京フィルメックスで学生に評価の場、審査の場を与えてくださったことに深く感謝いたします。何度もしつこいようですが、本当にありがとうございました。
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