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東京フィルメックス・コンペティション
『オールド・ドッグ』(監督:ペマツェテン)
(中国/2011年/88分/カラー)
副賞として賞金100万円が監督に授与されます。
【受賞理由】
これは何もない場所にある静寂と雰囲気を捉え、登場人物の心の中に入り込んだ作品です。非常に真摯な手段で文学から映画への移行が行われています。私たちに、この地域そしてその人々の生活を経験させてくれるものです。
『ムサン日記~白い犬』(監督:パク・ジョンボム)
(韓国/2010年/127分/カラー)
副賞としてコダック株式会社より8,000米ドル相当の生フィルムが監督に授与されます。
【受賞理由】
カメラの前と後ろに立つという困難に身を置きながら、監督は情熱をもってこの作品を完成させました。その情熱が全キャスト、全スタッフに伝染し、真のコラボレーションを達成させました。主人公を通して私たちは現代の韓国と北朝鮮の複雑な状況そのものを経験するのです。
社会の隅に追いやられた主人公の人物像を繊細に作り上げた『ミスター・ツリー』のワン・バオチャン(王宝強)の演技は特筆すべきものでした。
また、審査員はドキュメンタリー作品『無人地帯』に映し出された福島に住む人々への想いをスペシャルメンションとして伝えたいと思います。
■第11回東京フィルメックス コンペティション審査員:
アミール・ナデリ(審査委員長:アメリカ/映画監督)、フィリップ・アズーリ(フランス/批評家)、チョン・スワン(韓国/映画研究者)、篠崎誠(日本/映画監督)、スーザン・レイ(アメリカ/ニコラス・レイ財団代表、映画監督)
『アリラン』(監督:キム・ギドク)
(韓国/2011年/91分/カラー)
『東京プレイボーイクラブ』(監督:奥田庸介)
(日本/2011年/96分/カラー)
【受賞理由】
東京フィルメックスのコンセプトに「映画の未来へ」とあります。芯をもってやり切る強さ、製作者の情熱が観客への刺激になり、最も映画を豊かにする。それこそが映画の「未来」に繋がるのではと考えました。数ある作品の中で、特に奥田監督の作品は、「映画を撮りたい!」という初期衝動が、無骨にむき出している様に感じました。それが本当に、刺激的でシビれました!!
故に、本賞に選ばせて頂きました。
本作のようにパンクな作品がもっと世に広まっていけば、映画はより豊かになると思います。
●学生審査員:古地良子(東京造形大学)、山口直哉(東京藝術大学)、梶睦(東京慈恵会医科大学)
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イラン / 2011 / 104分
監督:モハマド・ラスロフ (Mohammad RASOULOF)
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海外に出国しようとするものの様々な困難に直面する女性弁護士を主人公に、テヘランの現在を描いた作品。監督は昨年3月、ジャファール・パナヒとともに一時拘束された映画作家モハマド・ラスロフ。本年のカンヌ映画祭「ある視点」部門で監督賞を受賞。
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スリランカ / 2011 / 124分
監督:サンジーワ・プシュパクマーラ (Sanjeewa PUSHPAKUMARA)
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スリランカの新鋭サンジーワ・プシュパクマーラの監督デビュー作。民族対立による内戦の時代、暴力の恐怖にさらされた東部スリランカの村を舞台に3つの物語が展開し、戦争が人々に残す傷跡を描き出す。目を見張る鮮烈な映像美と驚愕のラストが見る者を圧倒する。
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中国 / 2011 / 88分
監督:ペマツェテン (Pema Tseden)
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都市開発が進むチベット。富裕層に高く売れる種類の犬を飼っている老人は、犬を売ろうとする息子に反発し、いったん売られた犬を強引に連れ戻す......。頑固な老人とその犬を描きつつ、チベットの現状を表現した作品。チベット人監督ペマツェテンの監督第3作。
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中国 / 2011 / 88分
監督:ハン・ジェ (HAN Jie)
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ジャ・ジャンクーの助監督をつとめ、『ワイルドサイドを歩け』でデビューしたハン・ジェの待望の監督第2作。重い過去を背負いつつ、開発の進む地方都市に暮らす青年を人気俳優ワン・バオチァンが演じる。上海映画祭で審査員特別賞、監督賞など3つの賞を受賞。
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中国 / 2011 / 96分
監督:ユー・グァンイー (YU Guangyi)
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『サバイバル・ソング』のユー・グァンイーが三たび黒龍江省に生きる人々の生活をとらえたドキュメンタリー。主人公は雪で覆われた山に暮らす40代の男。独身を貫く男は、宿屋で働く女性に恋愛感情を抱いている。だが、その女性は男の好意に応えようとしない......。
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韓国 / 2010 / 127分
監督:パク・ジョンボム (PARK Jung-bum)
配給:スターサンズ
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ロッテルダム、プサンなど数々の国際映画祭で賞に輝く注目の作品。北朝鮮から韓国にやって来た青年が直面する厳しい現実、その痛みと孤独を描く。イ・チャンドンの助監督をつとめ、本作が初の長編監督作となるパク・ジョンボムが自ら脱北者の主人公を演じている。
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韓国 / 2011 / 121分
監督:チョン・ジェホン(JUHN Jai-hong)
配給:マクザム
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キム・ギドクの助監督をつとめたチョン・ジェホンの監督第2作。主人公は南北朝鮮の国境を行き来し、密輸品などを運ぶ謎の男。男は韓国に住む元北朝鮮高官の愛人を脱北させる密命を受ける......。『執行者』のユン・ゲサンがこれまでのイメージを覆す主人公を熱演。
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韓国 / 2011 / 119分
監督:ホ・ジョンホ(HUH Jong-ho)
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肝臓がんを宣告された債権取立屋と美貌の女詐欺師が繰り広げる駆け引きをテンポ良く描いたアクション・コメディ。韓国映画界きっての演技派、チョン・ジェヨンとチョン・ドヨンの共演が話題を呼んでいる。監督はこの作品がデビュー作となる注目の新鋭ホ・ジョンホ。
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日本 / 2011 / 96分
監督:奥田庸介(OKUDA Yosuke)
配給:スタイルジャム
c2011 東京プレイボーイクラブ
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『青春墓場~明日と一緒に歩くのだ~』が高い評価を受けた奥田庸介の商業映画デビュー作。東京郊外の錆びれたラウンジに流れてきた男が巻き込まれるトラブルの顛末をコミカルかつバイオレントに描く。大森南朋、光石研、臼田あさ美の演技のアンサンブルが素晴しい。
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日本、フランス / 2011 / 102分
監督:藤原敏史(FUJIWARA Toshifumi)
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『映画は生きものの記録である~土本典昭の仕事』を監督した藤原敏史が原発事故後の福島で撮影を行ったドキュメンタリー。住民が避難し無人地帯となった田園の、それでも美しい春の風景と、周辺地域に住み続ける人々、そしてまもなく避難させられ無人地帯となる飯館村の人々との出会いから福島の現状が浮彫りになる。
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