映画のタイトルについて、お話します。配給が決まっている作品はともかく、上映を決めた後に、事務局みんなで日本語のタイトルを考えます。基本的には元のタイトルに沿って日本語でおかしくないように固めるのですが、原語でのタイトルと英語で流布しているものの意味が微妙に違う作品も、中にはあります。例えば今年は「世紀の光」の英語タイトルは[Syndromes and a Century]なのですが、 監督ご本人にも確認してから決定しました。バフマン・ゴバディ監督の「半月」は、英語では「Half Moon」だったので、カタカナで「ハーフムーン」という方法も考えましたが、中国のインリャン監督の「アザー・ハーフ」とお客様が混乱しないように漢字に決めました。またフィリピンの「マキシモは花ざかり」も意味を汲みながら雰囲気を出そうとみんなで相談して決めましたが、英語タイトルは「Blossoming of Maximo Oliveros」です。ちなみに小林政広監督の「幸福」は、コウフクではなく「しあわせ」と読みますのでご注意ください。タイトルには作り手の気持ちが込められていますので、大事にご紹介したいものです。