ニュース/事務局からのお知らせ
『お早よう』を話そう〜親子鑑賞会レポート
寒さがまだ残る3月9日(日)に、都内の松竹本社にて第8回<「映画」の時間>が開催されました。今回は「『お早よう』を話そう〜親子鑑賞会」と題して、小津安二郎監督の1959年の名作を親子で鑑賞し、上映後のワークショップで感想を共有する試みです。
小津監督は、日本国内のみならず、世界の映画ファンや映画監督からも尊敬を集めています。2013年に生誕110年と没後50年を迎えたことを記念して、4作品がデジタルリマスター復元され、昨年5月のカンヌ映画祭で『秋刀魚の味』、8月のヴェネチア映画祭で『彼岸花』、今年に入って2月のベルリン映画祭で『秋日和』、そして3月の香港映画祭で『お早よう』が上映されました。これら4作品がBlu-rayで発売される機会に、松竹のご協力をいただいて実現いたしました。
参加者は一般の公募で集まった12組のご家族、子どもたちは6歳から12歳までの17名。
受付では登場人物の顔写真が印刷された紙に、自分の名前を書き込んで名札代わりにします。
まずは「おはようございます」の挨拶から。慣れない場所だからか、見知らぬひとたちに囲まれているからか、子どもたちの声に少し力が足りません。「これから観る映画は、あいさつがとても重要な役割を果たします。もう一度おおきな声でやり直しましょう」今度は、とても元気な声で「おはようございます」の挨拶が聞こえてきました。
上映の前にはスタッフと子どもたちの間で短いお話をしました。「ラジオがお家にあって、聴いたことがあるひと?」との質問に、子どもたちは「おばあちゃんのお家にならある」との声が。やはり普段はあまりなじみがないようです。「じゃあ、テレビを観たことがないひとは?」誰も手を挙げません。「みなさんはいま欲しいものがありますか?」の質問には「Wii U!」と素早い反応が返ってきます。「おとうさん、おかあさんは欲しいものはありますか?」「おかあさんは宝石が欲しいんだよ」と子どもが教えてくれます。
「これから観る映画は、テレビがまだお家にあまりなかった時代。10軒のうち、3軒ほどにしか、ありませんでした。だから、大人も子どもも、みんながテレビに夢中で、みんなが欲しいと思っていた時代のことです」と、いまの感覚からは、あまり想像できなかったことを補足します。映画を観る前のお話は、これだけ。
参加者には、コミュニティシネマセンターが2006年に作成したリーフレットと、当時を理解するためのヒントになるキーワードについての副読本を配布してあります。(収録されたキーワードは…「婦人会」「軽石」「ねこいらず」「給食費」「若乃花」「押し売り」「ルンペン」「西洋寝着」「翻訳」「タンマ」「テレビ」「デジタルリマスタリング」)
今回は”『お早よう』をお話しよう”というイベントです。映画の中でも、お話する、伝えるということが、とても重要なポイントになっています。そこで、今回の映画は「たくさんお話をしてもよい」ということにしています。上映の最中に、聞き取りにくかったり、分からない言葉や、難しいなと思ったことは、隣にいるお父さんやお母さんに聞いてもかまいません。ただし、映画と関係のないおしゃべりをしてはいけません。
さて、いよいよ上映開始。
最初は少し硬かったような場内の雰囲気も、映画の中のおならの数が増えるにつれて次第にやわらかく変化していきます。土手の上でラジオ体操をしながら、リズムに合わせておならを連発するおじさんに、子どもたちは大喜び。押し売りとの攻防や、ご近所のうわさ話などはお母さんたちにも実体験があるのか、大人からも笑い声がもれてきます。特に勇の「ちぇっ」と胸の前で指を鳴らすフリや、覚えたてで脈絡のない「アイ・ラブ・ユー」などの数々の微笑ましい言動に、自然と笑いが起きます。実と勇が盗み出した、おひつとやかんが無人の交番の机に並べられている場面では、子どもたちの笑いがどっと起き、<省略>の味わいも楽しんでいたようです。
(C) 1959 松竹
また、上映前に「お話しよう」とナビをしたこともあり、上映中も親子で映画の内容やセリフ、画面に出てきたモノについて会話をしている光景も見られました。
94分の上映時間、「終」のマークとともに場内からは自然と拍手が起きました。
試写室から出て来て、会議室へと場所を移します。
まずは名札に印刷された登場人物「お父さん」「お母さん」「実」「勇」にあわせて4つのテーブルに分かれて座ります。「お父さん」は父親と母親の混成チーム、「お母さん」は全員母親のチーム、「実」は2年生から6年生、「勇」は1年生と年長さんのチームです。いきなり説明もなく、お父さんやお母さんたちと分かれて、見知らぬ同年代の子どもたちとテーブルを囲み、「これから何をするんだろう…」とやや不安げな子どもたち。
まずは本題に入る前の準備体操として、ミニゲームをしました。映画の中で、両親とケンカしてだんまり作戦を実行中の実と勇が、給食費を学校に持っていかなくてはならなくなり、大ピンチ。どうにかして、お母さんから給食費をもらおうと、言葉を使わずにジェスチャーで伝えようとしますが…。久我美子演じる節子おばさんにも分かってもらえず、このやりとりが爆笑ポイントになっています。この場面を思い出しながら、まずはそれぞれのチームでジェスチャーゲームをしてみました。お題は「好きなもの」。各チームのファシリテーターから始まり、それぞれ2人にジェスチャーをしてもらい、30秒の制限時間内に正解を見つけます。大人チームはさすがに人生経験の余裕からか、見事に正解を連発しますが、子どもチームは苦戦しています。3ゲームが終わったところで切り上げようとすると、勇チームからは「もっとやりたい!」の声が出ましたが、本題に移ります。
「これから始めることは、学校の授業とは少し違います。正解を見つけることが目的ではありません。みなさんが「気づい」たことを「話し合う」ことを大切にしたいと思います」
各テーブルに配られたA4の白紙とカラーペン。「映画の中で、覚えている場面、忘れられないことを絵に描いてください」と告げられました。制限時間は4分。絵は上手でなくても構いません。棒人間でもいいです。何が映っていたかな…誰がいたかな…どんな色だったかな…描きながら思い出していきます。おしゃべりをたくさんしても構いません。みんな次々に描いていきます。
何を描こうかな…と迷っている子どもたちもいます。ファシリテーターとお話しながら、「場面」を見つけていきます。
さて、制限時間になりました。今度は、その描いた絵をもとに、ひとり1分ずつ、チームのメンバーにどの場面か、何を描いたのか、なぜ気になったのか、などをお話していきます。同じ場面を描いたひともいれば、ばらばらになったチームも。思い思いの場面がテーブルの上に広がりました。
そして、次はそれぞれの絵とコメントをもとに、メンバーが思いのままにお話していきます。
大人チームは大盛り上がり。1人が感想を言うと「私もそれが気になりました」「他に◯◯もありましたよね」と続き、疑問点が出てくると、みんなで考え込んだり。子どもチームも絵を見ながら、言葉をつなげていきます。
出て来たコメントや感想、疑問点など、なんでもぜんぶを拾い集めて、ファシリテーターが付せんに書き出していきます。大きな模造紙を、各チームの付せんが埋めつくしていきます。
6分ほど話し合ったあと、1分間でまとめの時間です。この後の発表に向けて、それぞれ似た内容の付せんを分類して模造紙に貼付け、分類したグループに名前をつけていきます。それぞれのチームで、どの話題がホットだったかが次第に浮かび上がってきます。
さて、発表の時間です。
まずは「勇」チームから。子どもたちの絵を見せながら、どんなことを話し合ったのか、他のチームに伝わるようにお話していきます。
このチームはいちばんちいさな子どもたちが集まっていたのですが、みんな積極的にお絵描きをしていました。その中でも、映画本編の冒頭で、松竹のロゴマークとともに浮かび上がる富士山が強く印象に残ったらしく、紙いっぱいに立派な富士を描く子どもが続出しました。中には「松竹」と漢字で書いている子どもも…。普段から、山を描き慣れているから、というのもあるかも知れません。
大きく分けると、やっぱり大人気の①『おなら』(いろいろな人物のおなら、うまくできない子どもなど)、だんまり作戦中におひつとやかんのお茶を盗み出して土手で食べたり、おならを上手に出すために軽石を食べたりする②『食べる』、朝の登校や町内会費をめぐるやりとりなど当時の③『生活』に注目するお話が多く出ました。
続いて「実」チームは、勇チームと比べて少しお兄さんにあたる子どもたちです。絵を描いて見せることに照れている子もいますが、どんどん描いていく子もいます。ここは助産師をしている原口さんのおばあちゃんが、押し売りを大きな包丁で撃退するところが一番人気でした。勇チームと同じく、土手におひつとやかんを置いて逃げ出したところや、勇が覚えたての「I Love You」を文脈に関係なく連発して笑いを誘っていたことなども印象に残ったようです。二人が意地になってだんまり作戦を敢行するところでは「やりとげる根性がすごい、僕なら絶対ムリだと思った」という意見も。
「おかあさん」チームでは、やはりおかあさん目線のコメントがたくさんあがりました。佐田啓二をめぐる『恋愛』や、当時の風俗が垣間見える『時代』、『子どもたちの様子』などについても出ましたが、なんと言っても『主婦・女性の視点』に意見が集まりました。主婦のうわさ話の恐ろしさや、エプロンの前が濡れていたり、お父さんの足袋の裏が汚れていたり、結局、最後はテレビを買っちゃうんだね(子どもに甘いなあ)というような、”あるある”ネタに共感したようです。また、多くの方が『色の使い方や柄、インテリア』がオシャレ!と感じたようです。たとえば、おばあちゃんの服やふすまの柄がかわいい、赤とえんじ色の使い分け、お茶碗の柄がみんな違う、道路の街灯がモダン、などなど。
最後の「おとうさん」チームは、男性と女性の混成チーム。ここでは子どもチームと同じように『おなら』の話題も出ましたが、おひつや火鉢、フラフープなどあまり見かけなくなった『モノ』に視線が集まったようです。そして、いちばん盛り上がった話題が『家、建物』について。各家庭の配置がどうなっているのかが謎、外観も内観もどれも同じように見えるのが不思議、玄関と勝手口の関係など間取りがわからない…など、すっかり小津世界の迷路にはまりこんでしまいました。そもそも建売りなのか借家なのか…丸山さんが引っ越したから借家に違いない、家の中にいながら隣の家と会話できるなんて面白いねえ…など、話は尽きませんでした。
さて、それぞれのチームからの発表が終わりました。お家に帰ってから、今度はお父さん、お母さん、子どもたちで自分たちの描いた絵を見せながら、またいろいろとお話が出てくることでしょう。
ここで松竹株式会社メディア事業部の藤井宏美さんに、今回上映した『お早よう』のデジタルリマスタリングについて、解説していただきました。実際の35mmフィルムやDCPのHDドライブ、Blu-rayディスクなどを見せていただくことで、より実感できるものとなりました。
また、先日104歳で亡くなられたまどみちおさんの『おならはえらい』という詩を紹介しました。この詩には、『お早よう』と重ね合わされる部分がいくつもあるように見えます。
最後に、参加してくださった子どもたちにお土産が配られました。
中に入っていたのは…昔なつかしい紙風船と巻鳥のほか、作品ポスターにも映り込んでいる木製のなげわのミニチュア、喜びを爆発させた勇が景気よく回すフラフープ(組み立て式!)、そしておならと言えば…ブーブークッション。これをつかえば、軽石を飲まなくても、実や勇より上手におならを鳴らすことができます。
そして、今回の鑑賞会特製のソーマトロープとマジックロール。マジックロールの方は、お家に帰ってから自分で作れるようなキットになっています。鉛筆を左右に動かすことによって、節子おばさんが部屋に入ってきた途端に勉強をしているフリをする実と勇が見えます。これも、徹底的に構図や相似形のアクションにこだわった小津監督の特性が、見事な笑いに転化したものです。
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ここで第1部が終了、一時的に解散しました。
続いて第2部の企画展示を鑑賞する家族は、フィルムセンターへ移動します。
フィルムセンターでは岡田秀則主任研究員が、展示品を丁寧に、子どもたちにも分かりやすい言葉で解説してくださりました。
『お早よう』のタイトルクレジットや、小津監督が参加者の子どもたちと同じ小学生の頃に書いた作文や習字などの貴重な資料もあります。『お早よう』の文字デザインも、監督自身が手がけ、色の指定なども書き込まれていました。『お早よう』の絵コンテと撮影用シナリオを見比べたり、上映後のお話タイムでも出て来た「建物の位置関係」の謎がすっきりと分かる、オープンセットの平面図やセット写真のスクラップブックも見ることができました。
展示室の入口に作られた「とんかつ」の看板やポリバケツのセット模型では、小津独特のローポジションを体感できるとあって、親子で撮影に盛り上がっていました。
半日たっぷりのワークショップも、無事に終えることができました。
当日の模様はご取材いただいたメディアでもご紹介をいただいています。
・eiga.com(3/9)
「親子で小津安二郎の「お早よう」鑑賞 55年前の名作に子どもたちも笑い声」
・日本経済新聞夕刊(3/15)
「子供たちと小津を見る」
・しんぶん赤旗(3/18)
「親子で映画楽しむ」
ご参加をいただいた親子のみなさま、企画にご協力をいただいた松竹株式会社、東京国立近代美術館フィルムセンター、リーフレットを提供していただいたコミュニティシネマセンター、当日の運営を手伝ってくださったスタッフのみなさま、本当に有り難うございました。
(報告者:岡崎 匡)
新規寄付者獲得キャンペーンのお願いとクレジットカードの期間変更のお知らせ
【新規寄付者獲得キャンペーンのお願いとクレジットカードの期間変更のお知らせ】 いつもご支援、応援いただき、誠にありがとうございます。 現在、認定NPOの取得を目指して新規寄付者獲得キャンペーンを実施しております。 お陰様でキャンペーンを開始した2/26から3/12までの2週間で 18件、135,000円 のご寄付を頂戴しました(うち、資格要件対象16件) ここにご支援くださった皆様に心より御礼申し上げます。 尚、前回までのご案内で、クレジットカードでの受付期間3/10(月)とお知らせしておりましたが、銀行振込と同様に3/31(月)受付分まで、と変更いたします(*1)。 ========================== 新規寄付者獲得キャンペーン(3月末まで) ========================== ご新規の寄付、 お一人当たり6,000円の寄付 ×60名のご支援の獲得を目指します。 「未来の映画鑑賞者育成」のために子ども向けの活動の一環として3月9日(日)に、「第8回<「映画」の時間>『お早よう』を話そう~親子鑑賞会」を開催し、30名様にご参加いただきました。 eiga.comに掲載のレポートはこちら。 ぜひ、活動を支えるためにご支援、ご協力のほど、心よりお願い申し上げます。 【ご寄付はこちらのリンクからお願いします】 ●クレジットカードによるご寄付の場合 *期間が延長になりました。 (キャンペーン締切:3/31(月)23:59手続き分まで) ●銀行振込みによるお申込 *フォームにご記入後、銀行口座の情報がメールで届きますので、お振込をお願いします。 *6,000円のご寄付をいただき、例えば50人集まれば、耳の不自由な方向けの日本語字幕付上映をすることが出来ます。達成した場合には、次年度の東京フィルメックスで実施する予定です。 これからも活動に力を入れてまいりますので、ご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。 *1、クレジットカードの受付期間変更についてのご説明。 2/26のキャンペーン開始より、これまでの間、クレジットカードでの受付期間を3/10(月)とお知らせしておりました。 これは、寄付者様のカードでの「決済」から当会への「入金」が3月末日までに完了するのは、3/10(月)受付分までであるというタイムラグの事情でした。 当会が本年度より採用している「NPO会計基準」では、受取寄付金は 「実際に入金したときに収益として計上する」 と明記されており、私どもも期間設定の判定材料としました。 しかしながら、クレジット決済寄付について、NPO会計税務ネットワークなど専門家グループが次のように見解を述べています。 「クレジット決済寄付に関しては、その確実性から未収計上することも必ずしも間違いではない」 これを受け、当会の顧問税理士とも協議の上、今期(H26年3月期決算)の収益に計上出来ると判断するに至り、このたび受付期間を変更いたします。 期間の変更により、ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力の程、何卒よろしくお願いいたします。
第14回東京フィルメックス・ブロードキャスト
第14回東京フィルメックス・ブロードキャスト
2013年11月23日~12月1日まで第14回東京フィルメックスが開催されました。
<12/11>new!!!
11/30『授賞式』Q&A
<12/10>
11/30『ピクニック』Q&A
12/1『ピクニック』舞台挨拶
11/27『ハッピー・リターン』part2トークイベント
<12/5>
11/30『わたしの名前は…』Q&A
<12/1>
11/30『THE MISSING PICTURE』(英題)Q&A
<11/30更新>
11/29『夏休みの宿題』Q&A
11/29『鉄くず拾いの物語』Q&A
<11/29更新>
11/27『ハッピー・リターン』part1トークイベント
11/28『高原の情熱』舞台挨拶
11/27『トランジット』Q&A
<11/28更新>
11/27『父、中村登を語る』トークイベント
<11/27更新>
11/26『ILO ILO』(英題) Q&A
<11/26更新>
11/23『見知らぬあなた』Q&A
11/25『若さ』Q&A
11/25『祭の馬』Q&A
<11/25更新>
11/24『カラオケ・ガール』Q&A
11/23『微笑み絶やさず』Q&A
11/24『トーキョービッチ,アイラブユー』舞台挨拶
11/24『トーキョービッチ,アイラブユー』Q&A
<11/24更新>
11/23第14回東京フィルメックス・開会式
第8回<「映画」の時間>『お早よう』を話そう〜親子鑑賞会を開催します
小津安二郎監督の生誕110年、没後50年を記念して、『お早よう』の親子鑑賞会を3月9日(日)に実施します。
内容および申し込み方法の詳細は、<「映画」の時間>のページをご覧ください。
・第8回<「映画」の時間>『お早よう』を話そう〜親子鑑賞会
『お早よう』小津安二郎監督 (C)1959 松竹
寄付のご報告とキャンペーンのお願い
寄付金累計額のご報告 いつもご支援、応援いただき、誠にありがとうございます。 さて、東京フィルメックスでは平成24年度(2012年)より、認定NPOの取得を目指し2カ年で3,000円の寄付者年間100人を目標に皆様からのご支援をお願いしてきました。 お陰様で多くの方々からのご支援が寄せられ、46件もの寄付が寄せられました。 これまでに23ヶ月間累計で 1,042,655円 と100万円を突破いたしました。 東京フィルメックスの大きな支えとなっております。 ここにご支援くださった皆様に心より御礼申し上げます。 ただ、金額は目標値を超えたものの、寄付者の人数が認定NPO申請要件には足りていないのが現状です。 そこでこのたび年度末にかけての最後のお願いとして、1ヶ月間、寄付キャンペーンを実施いたします。 ========================== 新規寄付者獲得キャンペーン(3月末まで) ========================== ご新規の寄付、 お一人当たり6,000円の寄付 ×60名のご支援の獲得を目指します。 「未来の映画鑑賞者育成」のために子ども向けの活動の一環として 3月9日(日)に、「第8回<「映画」の時間>『お早よう』を話そう~親子鑑賞会」を実施いたします。 ぜひ、活動を支えるためにご支援、ご協力のほど、心よりお願い申し上げます。 【ご寄付はこちらのリンクからお願いします】 ●クレジットカードによるご寄付の場合はこちら (キャンペーン締切:3/10(月)23:59手続き分まで*カード決済の都合により早めに終了) ●銀行振込みによるお申込はこちら *フォームにご記入後、銀行口座の情報がメールで届きますので、お振込をお願いします。 *6000円のご寄付をいただき、 例えば50人集まれば、耳の不自由な方向けの日本語字幕付上映をすることが出来ます。 達成した場合には、次年度の東京フィルメックスで実施する予定です。 これからも活動に力を入れてまいりますので、ご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
第8回<「映画」の時間>『お早よう』を話そう〜親子鑑賞会を開催します
・第8回<「映画」の時間>『お早よう』を話そう〜親子鑑賞会の参加者を募集しております。
日本国内にとどまらず世界的にも高い評価を集める小津安二郎監督(1903-1963)。2013年に生誕110年および没後50年を迎えたことを記念して、親子を対象とした上映会を企画しました。
多くの映画ファンや評論家たちを虜(とりこ)にしてきた小津作品の世界は、大人だけでなく子どもたちをも描いています。子どもたちの視点から、大人の世界の"不思議と不条理"に抵抗をみせる名作『お早よう』を鑑賞し、上映後には参加者全員で感想や気づきを共有するワークショップを通じて、小津作品の魅力を親子で発見します。
参加した子どもたちには、映画で描かれた時代に親しみを感じることのできるお土産もあります。
また、希望者は引き続きフィルムセンターに移動し、開催中の企画展「小津安二郎の図像学」を鑑賞し、映画の世界と背景をより深く学ぶことができます。
『お早よう』を話そう〜親子鑑賞会
小津安二郎生誕110年・没後50年&ブルーレイ発売記念
【日時】
2014年3月9日(日) ひる13時〜
*終了15時20分(1部のみ参加の場合)
16時40分(2部まで参加の場合)
【会場】
1、松竹本社 試写室
(第1部:上映会場)
東京都中央区築地4-1-1(東銀座駅 徒歩1分)
2、東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室
(第2部:自由参加会場)
東京都中央区京橋 3-7-6 (宝町駅、京橋駅 徒歩1分)
【参加費】
無料
(第2部の企画展のみ、入館料大人200円、子どもは無料)
*参加した子どもには、映画にちなんだお楽しみプレゼントがあります!
【対象】
小学1年生~6年生と保護者
(親子での参加。子どものみの参加は不可)
【募集定員】
50名
(事前申込制。大人と子どもあわせて。ただし定員に達し次第締切)
【実施内容】
第1部『お早よう』(小津安二郎監督/1959年/カラー/94分)鑑賞
+感想を共有するワークショップ
第2部(自由参加)「小津安二郎の図像学」展覧会鑑賞
+岡田秀則主任研究員による解説
◎ 申し込み方法
以下の申し込みフォーム(URL)か、メールでお申し込みください。
・申し込みフォーム: http://bit.ly/1mq3buY
・申し込みアドレス: eiganojikan@filmex.jp
メールでお申し込みの場合は、下記情報をご記載ください。
→全員(お子さんと保護者)の「氏名(ふりがな)、性別、学年」、代表者の「郵便番号、住所、お電話番号、メールアドレス」、第2部(自由参加)への参加希望の有無。
受付後、フィルメックス事務局よりご返信申し上げます。お申し込みが定員に達した場合には、お断りする場合もございますので、お早めにお申し込みください。
◎ プログラム・スケジュール(予定)
12:30 松竹試写室 開場・受付
13:00 第1部:上映会開始
映画館での注意、資料配布
スタッフによる「映画を観る前のお話」(約5分)
13:10 『お早よう』上映開始(94分)
14:44 上映終了
感想・気づき共有ワークショップ (30分)
15:20 第1部:映画鑑賞企画終了(以下は自由参加)
15:30 第2部(自由参加):松竹出発
16:00 フィルムセンター展示室到着
「小津安二郎の図像学」鑑賞(NFCスタッフによる解説付き、予定)
16:40 第2部:終了、解散
* 注意事項
・子どもたちの引率や付き添いでない成人の方の単独でのお申し込みはご遠慮下さい。
・試写室は飲食禁止です。ワークショップ前後の休憩時間にとる飲み物などは各自にてご持参ください。
・申し込み時にいただきます個人情報は、今後の<「映画」の時間」>の活動に関する御案内の目的にのみ利用することとし、第三者への提供、その他の目的には使用いたしません。
・当日は、活動を記録するためのカメラが入るほか、マスコミの取材や見学が入ることもあります。ご了承くださいませ。
◎作品詳細
(C) 1959 松竹
『お早よう』
(小津安二郎監督/1959年/カラー/94分)
出演:佐田啓二、久我美子、笠智衆、三宅邦子、杉村春子、設楽幸嗣、島津雅彦、泉京子、高橋とよ、沢村貞子、東野英治郎
脚本:野田高梧、小津安二郎 撮影:厚田雄春 美術:浜田辰雄 音楽:黛敏郎
近所付き合いの小さな波風にふり回される大人たちと、テレビを買ってとねだり大人を困らせる子供たち。東京郊外の新興住宅地を舞台に、戦後の庶民生活を小津流に活写した作品で、軽さのある演出が際立っている。幼い兄弟のオナラのギャグが実に微笑ましい。描かれる昭和時代の風景を、楽しく観ましょう!
※松竹と東京国立近代美術館フィルムセンターの共同作業による<デジタルリマスター版>DCPで上映。
掲載記事について
第14回東京フィルメックスが閉幕し、各メディアにて映画祭に関するレポートや作品レビューが掲載されていますので、ここで一部をご紹介いたします。
◎インタビュー記事
【新聞】
読売新聞 朝刊・顔
12/13 「東京フィルメックスで観客賞を受賞した映画監督 アンソニー・チェンさん」
【web】
映画.com
12/17 「検閲、商業主義、デジタル化……激変する環境に立ち向かうアジアの映画作家」
web DICE NEW!
12/24 「「中国には物質的な豊かさを得た後の喪失感が漂っている」新鋭チュエン・リン監督語る」
REAL TOKYO
12/18 「100:吉田光希さん(『トーキョービッチ,アイラブユー』監督・脚本・編集・製作)」
FASHION HEADLINE
12/16 「アニエスベー”妥協せず、すべて自分で作った”初映画」
web dacapo
12/27 「アニエスベーことA・トゥルブレ監督『私の名前は…』について。」
映画の森 NEW!
1/2 「 「ILO ILO(英題)」アンソニー・チェン監督に聞く アジア映画の今(1)「小さなことに人間性が宿る。人々の生きざま描きたい」」
1/3 「 「ピクニック(仮題)」ツァイ・ミンリャン監督に聞く アジア映画の今(2) 引退宣言の真意 「作品を美術館で展示する。映画を観る概念変えたい」」
1/4 「 「微笑み絶やさず」モフセン・マフマルバフ監督に聞く アジア映画の今(3) イランを離れて10年 「映画を作れる場所が私の家」」
映画と。
12/6 「 観客賞受賞作『ILO ILO(英題)』アンソニー・チェン監督インタビュー:マーライオンだけではない、リアルで息づいたシンガポールを表現したい」
銀幕閑話
12/6 「第478回 「夏休みの宿題」のヤン・リャンユー君に聞く」
web neoneo
11/30 「モフセン・マフマルバフ監督インタビュー 東京フィルメックス2013」
11/25 「女優・渡辺真起子が語る東京フィルメックス2013」
mammo.tv「映画のある生活」
12/7 「『ILO ILO』アンソニー・チェン監督インタビュー」
アジアンパラダイス NEW!
11/29 「『ILO ILO』アンソニー・チェン監督インタビュー」
→Podcast版はこちら。
◎レビュー記事
ぴあ映画生活
11/23 「コンペティション全10作品のライターレビューが掲載!」
映画と。
12/2 「『閉ざされたカーテン』これは映画ではある!~ジャファル・パナヒ監督、不屈の挑戦」
12/1 「『THE MISSING PICTURE(英題)』生きている以上は伝えなければならない」
12/1 「『ILO ILO(英題)』フィリピン人メイドがつないだ家族の絆」
11/29 「『祭の馬』震災、原発事故、数奇な運命を辿った馬の姿が伝えたこと。」
11/26 「『見知らぬあなた』夫婦の危機と中国社会分断の構図」
11/25 「『アナ・アラビア』小さな古い住宅地につづれ織られたふたつの民族、人間模様」
銀幕閑話
11/29 「第477回 フィルメックス(『罪の手ざわり』)」
◎レポート記事
【新聞】
日本経済新聞・夕刊
12/3 「アジア映画の才能 育む 東京フィルメックス 新人躍動」
読売新聞・夕刊
12/6 「『花咲くころ』に最優秀作品賞 東京フィルメックス」
しんぶん赤旗 日曜版 NEW!
12/15 「社会の現実 独創的に」
映像新聞 NEW!
12/9 「アジアの才能発掘 コンペに10本」
12/16「生誕100年を記念「中村登特集」」
【web】
映画.com
12/1 「第14回東京フィルメックス最優秀作品はグルジアの少女を描いた「花咲くころ」」
12/1 「デザイナー・アニエスベーが長編初監督作を紹介 日本へのオマージュも」
11/30 「ツァイ・ミンリャン監督、引退宣言の真意を語る「待っていてくれれば、また現れるかも」」
11/30 「ダニス・タノビッチ監督が語るロマ系ボスニア人の現状「90%以上が正規雇用を得られない」」
11/28 「中村登監督生誕100年特集上映で息子が語る巨匠との思い出」
11/27 「カンヌ新人監督賞「ILO ILO」アンソニー・チェン監督「この映画には普遍的な価値観がちりばめられている」」
11/26 「「祭の馬」松林要樹監督、製作過程の変化を明かす「馬の美しさだけを残していった」」
11/25 「「フィルメックス」コンペ出品の吉田光希監督、映画ならではの表現を模索」
11/23 「第14回東京フィルメックス開幕!イランの巨匠・マフマルバフ、祖国や中国の検閲に言及」
シネマトゥデイ
11/30 「東京フィルメックス、最優秀作品賞はグルジア・ドイツ・フランス合作映画に!」
11/28 「“映画大好き”アニエスベー、初監督作のきっかけを明かす 」
11/23 「第14回東京フィルメックス開幕!映画の力を信じる9日間を映画ファンと共に!」
河北新報・シネマに包まれて
11/30「(1)アジアの台風の目。チェン監督の「ILO ILO」/東京フィルメックス始まる。」
11/26「(2)原発事故。放射能を浴びて・・/松林要樹監督の「祭の馬」」
11/27「(3)巨匠を新発見!注目してほしい中村登特集/林加奈子ディレクターに聞く」
11/30「(4)アート系に逆風。日本の80年代に似ている中国/市山尚三プログラム・ディレクターに聞く」
12/1「(5・完)最優秀作品賞にグルジアの「花咲くころ」/タレント・キャンパス成果続々」
エキサイトイズム
12/6 「衝撃と興奮の日々―第14回東京フィルメックス」
11/18 「特別上映は、中村登とフランスのジャン・グレミヨン」
10/30 「アジアの新進作家、コンペティションに結集」
10/23 「凄すぎる特別招待作品」
10/3 「今年の上映作品を発表」
ぴあ映画生活
11/26 「レイト上映も人気。東京フィルメックスが現在、開催中」
映画と。
12/1 「第14回東京フィルメックス最優秀作品賞は、『花咲くころ』に決定!」
映画の森
12/3 「中村登監督 生誕100年記念特集 「松竹に新しい波」 息子が語る撮影秘話」
12/2 「最優秀作品賞にグルジア映画「花咲くころ」 観客賞にシンガポール映画「ILO ILO(英題)」」
12/2 「ジャ・ジャンクー新作で開幕 「映画の力を信じ、充実の9日間を」」
シネマコリア NEW!
12/24 「第14回東京フィルメックス ~キム・ドンホ、マフマルバフの映画人生と、映画祭の役割」
ミニシアターにいこう NEW!
12/1 「第14回東京フィルメックスクロージングセレモニー-最優秀作品賞はグルジア映画『花咲くころ』に決定」
アジアン・パラダイス
12/1 「『ピクニック』の蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督Q&A」
11/30 「『夏休みの宿題』の主演子役楊亮俞(ヤン・リャンユー)Q&A」
アジア映画巡礼
12/1 「東京フィルメックス最終日」
11/29 「第14回東京フィルメックスの日々」
11/24 「第14回東京フィルメックス始まりました!」
◎東京学生映画祭presents 「生誕100年 中村登」特集上映 全10作品レビュー
11/27 『土砂降り』
11/26 『いろはにほへと』
11/26 『我が家は楽し』
11/26 『二十一歳の父』
11/25 『暖春』
11/24 『夜の片鱗』
11/24 『河口』
11/23 『わが闘争』
11/22 『集金旅行』
11/22 『古都』
◎English / 英語
Variety
1.Dec. 「‘In Bloom’ Wins Tokyo Filmex Grand Prix」
Film Business Asia
2.Dec. 「In Bloom takes top prize at Tokyo Filmex」
事務局より、支援のお願い
東京フィルメックスでは、皆様からのご支援を受付けております。
なかでも特徴的なのは、不要になった本やDVDなどの買取額をフィルメックスに納めていただく仕組み。本を使ったチャリティということで、通称「チャリボン」と呼ばれています。
このたび、チャリボンを運営するバリューブックスでは、年末から年始に掛けて、「クリスマス&年賀マッチングプラン」と題したキャンペーンが実施中です。
キャンペーンの期間、買い取り価格が通常の20%アップとなり、さらにバリューブックスからのマッチング・ギフトが上乗せされます。
年末の大掃除等で、ご不要の本やDVDなどがありましたら、フィルメックスへの支援をご検討いただけませんでしょうか?
◆◆◆◆「クリスマス&年賀マッチングプラン」◆◆◆◆
期間:2013年12月15日~2014年1月末日
内容:買取価格20%アップ+書き損じはがき50円/枚換金(バリューブックスからのマッチング)
お申込は、こちらのサイトより<申込書をダウンロード>からPDFファイルをダウンロードしていただき、必要事項をご記入の上、ファックスにてお申込ください。
皆様のご支援、心よりお待ち申し上げております。
第14回東京フィルメックス開催結果のご報告
11月23日(土)~12月1日(日)の会期で開催された「第14回東京フィルメックス」が閉幕いたしました。
総合入場者数他、開催結果につきまして、以下の通り、ご報告いたします。
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◎総合入場者数:13,723人(前年=19,932人)
・メイン会場である有楽町朝日ホールの入場者数の各回アベレージは、前年比3%増
・ただし、会期が1日短くなり上映作品数と上映回数が減少したことと、昨年の東劇会場での木下惠介特集のような大規模な特集上映(約5,000人)がなかったため、総合入場者数は大幅に減少している
◎劇場観客動員数(実数):12,540人(前年=18,413人)
◎サイド・イベント:1,183人(前年=1,511人)
◎上映作品本数=全33作品
◎登壇ゲスト数(のべ):計52名
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*「生誕100年 中村登」で、今回ニュープリントを作成した『我が家は楽し』『土砂降り』『夜の片鱗』の3本が2014年2月に開催のベルリン国際映画祭フォーラム部門にて上映されることが決定しました(『夜の片鱗』は13年9月のヴェネチア映画祭に続く、海外での紹介です)。
受賞結果につきましては、【賞・審査員】ページをご覧ください。