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特集上映(1)『生誕100年 中村登』






『我が家は楽し』 Home Sweet Home
1951年/91分
©1951 松竹
脚本:柳井隆雄、田中澄江 原作:田中澄江
出演:笠智衆、山田五十鈴、高峰秀子、岸惠子、佐田啓二

【作品解説】
裕福ではないが笑顔の絶えない家族。会社から勤続25年の表彰で金一封をもらえることになった父は、子どもたちに欲しいものを買ってやれると大喜びする。しかし、表彰式の帰り道に金をすられてしまい...。松竹大船調の小市民映画の伝統を受け継ぎ、豪華キャストとスタッフを確かな演出力でまとめあげた、清々しさが心に染み入る傑作。そそっかしくも心優しい父を笠智衆、やりくり上手な良妻賢母を山田五十鈴、父母の苦労に心を痛める絵描き志望の長女を高峰秀子、無邪気な女学生の次女を本作がデビュー作となる岸惠子が演じている。




















中村登



1913年8月4日、東京・下谷に生まれる。1936年東京大学文学部卒業と同時に助監督試験を受けて松竹に入社、大船撮影所で斉藤寅次郎、島津保次郎らにつく。1941年6月監督に昇進、記録映画『生活とリズム』(1941)を1作目に製作。続いて同年に劇映画としてのデビュー作である『結婚の理想』(1941)のメガホンを執る。『我が家は楽し』(1951)では、大船調のホーム・ドラマで優れた演出ぶりを発揮して好評を得る。松竹カラー映画の2作目となる『夏子の冒険』(1953)では、カラー映画にふさわしい華麗な演出を展開し、第一線監督としての名声を築いた。川端康成原作の『古都』(1963)は、岩下志麻の二役で双生児を登場させる物語のユニークさと京都の季節ごとの美しさを折り合わせた作品となり、アカデミー外国語映画賞にノミネートされる。有吉佐和子の原作を映画化した『紀ノ川』(1966)は、明治、大正、昭和に生きた女の姿を描き出し、ベテラン監督の風格を見せつけた名作である。1981年5月20日、死去。享年68才。勲四等旭日章を受勲。生誕100年にあたる2013年8月開催の第70回ヴェネチア国際映画祭クラシック部門にて『夜の片鱗』が上映され、高い評価を集めた。








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