今年のメインビジュアルも発表しております。
これまで映画祭が歩んできた10年の”軌跡”をカラフルに表現。道筋や流れをイメージして、10年間に紹介を続けてきた映画作家たちの勢いと同じく、ダイナミックに動きのある線で軌跡を描きました。同時に色とりどりの線は、映画作家たちの様々な作家性をも表しています。
10回目の祝祭性にぴったりの華やかさが演出されています。
サイト内の過去のアーカイブでは、デイリーニュースのテキストや動画などもご覧いただけます。
また、先行発表がある場合には、この公式サイトでお知らせしていきますので、どうぞブックマークをお願いいたします。事務局だよりや映画祭だよりなどは、RSSにも対応しています。
どうぞ第10回東京フィルメックスにご期待ください。
ニュース/事務局からのお知らせ
第62回カンヌ国際映画祭レポート
カンヌから「映画の未来」を見据える
スターが集う華やかさの一方で若い才能を支援する多くの企画
◆作品上映が最大の支援
第62回カンヌ国際映画祭が先月開催された。メインのコンペ部門では常連が顔をそろえ、ミヒャエル・ハネケの『ザ・ホワイト・リボン』がパルム・ドール(最高賞)に輝いた。「例年よりも作品の水準が高い」という評判の中で、ベテランが実力通りの貫禄を見せ、気鋭の若手たちは意欲的な作品を発表して確かな一歩を踏み出した。そこには、未来を担う映画作家を積極的に支援する映画祭の姿勢がはっきりと見えた。
当然ながら、作品を上映することが映画祭による最大の支援だ。もっとも注目を集めるコンペの他にも”ある視点”や”監督週間””批評家週間”など多くの部門があり、そこに並んだ作品にはきらめく可能性が秘められている。
中でも注目は、1998年に創設されたシネフォンダシオン部門だ。カンヌの総代表ジル・ジャコブの肝いりで始められ、当初は学生による短編映画を上映する部門だった。映画学校から推薦された作品を上映し、審査を行い、一席を獲得した監督には長編1作目がカンヌの公式部門で上映されることが約束される。
2000年からは新たに<レジデンス>が始まった。選抜された監督がパリに4か月半にわたり滞在、そこで企画開発や脚本執筆に取り組む。これは映画よりも美術の分野で広く定着している手法だ。今年のカンヌで「インディペンデンシア」「マニラ」の二本が上映されたフィリピンの異才ラヤ・マルティンもレジデンス出身だ。
<アテリア>という企画マーケットも05年より開始。監督たちにプレゼンテーションの場が与えられ、製作会社や出資者とのマッチングを行う。今年の上映作品では、コンペの「顔」(ツァイ・ミンリャン/台湾)、ある視点のポルトガル映画「男らしく死ぬために」などが、2年前のアテリアに選ばれた企画だった。
◆花開く若い作家たち
創設から12年を経て、これら3つの軸が有機的に機能し、一定の成果を挙げ始めている。その一例が近年勢いが目覚ましいルーマニア出身のコルネリウ・ポルンボイウだ。04年に短編がシネフォンダシオンで上映されて二席を獲得。翌05年にはレジデンスに選抜され、06年のデビュー作でカメラドールに輝いた。そして、2作目の「警察、形容詞」は今年のある視点で上映されて審査員賞、とまさにシンデレラストーリーを地で行く。「警察、形容詞」は官僚主義への痛烈な批判を、カメラの長回しや、繰り返しの演出によってユーモアでうまく包み込むことに成功した、特異な作品だ。
もちろん、シネフォンダシオンはあくまでも「きっかけ」や「場」であり、それを活かすのは作り手次第だ。しかし、世界中から映画の目利きが集まるカンヌにおいて、スポットライトがあたるステージが用意されている魅力は何物にも替え難い。
スターがレッドカーペットを上った先の、同じ建物の中でジーンズ姿の学生が、上映前にたどたどしい英語でスピーチをしている。数年後にはタキシード姿で、隣の会場に立っているかもしれない。一方で、この部門での日本映画の長い不在について考える。製作環境に恵まれた国だから、あまり気にされないのだろうか。
だが、ここには資金だけではない、もっと多義的なチャンスが転がっている。そして、映画祭は「映画の未来」を見据えて彼らを待っている。
(報告者:岡崎 匡)
アルバイト募集を締め切りました。
映画祭事務局のアルバイト募集を締め切りました。
たくさんのご応募をいただきまして、有難うございました。
お送りいただいた方には、書類選考の上、順次ご連絡をいたしますので、いましばらくお待ちください。
ボランティアスタッフは、引き続き募集しております。
どうぞ奮ってご参加ください。
サポーターズクラブのご案内
ただいま東京フィルメックスでは、当会の趣旨と志に賛同し、活動を支援していただく賛助会員制度「東京フィルメックス サポーターズ・クラブ」への入会を受け付けております。
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サポーター会員への入会を心よりお願い申し上げます。
第10回東京フィルメックス・サポーターズクラブのご案内
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Vol.14『四川のうた』ジャ・ジャンクー監督
Vol.15『ミルク』ガス・ヴァン・サント監督
Vol.16『スラムドッグ$ミリオネア』ダニー・ボイル監督
Vol.16『ウルトラミラクルラブストーリー』横浜聡子監督
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4月号『彼女の名はサビーヌ』サンドリーヌ・ボネール監督
5月号『子供の情景』ハナ・マフマルバフ監督
6月号『バーン・アフター・リーディング』ジョエル&イーサン・コーエン監督
カルロビバリ映画祭にて、フィルメックス上映の日本映画3本が特集上映!
第44回カルロビバリ映画祭にて、昨年の東京フィルメックスで上映された「愛のむきだし」「ノン子(36歳家事手伝い)」「PASSION」が上映されます。
映画祭ディレクターからのコメントもいただきました。詳細は「世界の映画祭だより」をご覧ください。
第44回カルロビバリ国際映画祭にて日本映画の特集
この他、ロッテルダム、ベルリン、シンガポール、チョンジュなどの映画祭に関する記事も、「世界の映画祭だより」にて掲載しています。ぜひ、ご覧ください。
第38回ロッテルダム国際映画祭 開催
第38回ロッテルダム国際映画祭 報告
第59回ベルリン国際映画祭 開幕
第59回ベルリン国際映画祭 レポート
第22回シンガポール映画祭(4/14-4/25) 開幕
第10回チョンジュ国際映画祭(4/30-5/8) まもなく開幕!
第10回チョンジュ国際映画祭(4/30-5/8) まもなく開幕!
韓国のチョンジュ(全州)国際映画祭が第10回の開催を迎え、世界40カ国から長編147本と短編53本を上映する。
2000年より、インディペンデント/アート映画/デジタルシネマなどに焦点をあて先端的な作家を紹介しており、毎年3人の監督による短編オムニバスを製作する「Jeonju Digital Project」も話題となっているが、今年は韓国のホン・サンス、日本の河瀬直美、フィリピンのLav Diazによる作品がお目見えする。
コンペティション部門は、監督1~2作目の長編を対象として、タイ、フィリピン、アルゼンチン、ルーマニア、ノルウェイ、ドイツ、アメリカなどからの13作品を取り上げる。日本からは池田千尋の『東南角部屋 二階の女』が上映される。審査員は、映画監督のキム・ドンワン(韓国)、柳町光男(日本)、Mahamat-Saleh Haroun(チャド)、映画評論家のAdrian Martin(オーストラリア)、Richard Porton(アメリカ)の5名がつとめる。
デジタルシネマによる映画作りが活性化しているフィリピンからは、各部門で作品を取上げている。とりわけ、1984年生まれのRaya Martinの特集は、今年のカンヌ映画祭ある視点部門に新作“Independencia”が選出されたところでもあり、注目を集めるだろう。
また、Cinema Scape部門では、ジョアナ・ハジトゥーマ&カリル・ジョレイジュ『私は見たい』(昨年の東京フィルメックスで上映)や、内藤隆嗣『不灯港』など世界各国の作品が紹介される。
日本からは、他部門も含めると『buy a suit スーツを買う』(市川準)、『斬~KILL~』(押井守、深作健太、辻本貴則、田原実)、『ブタがいた教室』(前田哲)、田中登特集(3作品)が上映される。
チョンジュ映画祭は、韓国インディペンデント映画の紹介にも力を入れており、韓国作品については長編部門と短編部門のコンペティションを行なう。また、韓国のレトロスペクティブ部門も2003年以来復活し、修復された『下女』(キム・ギヨン)を含め『Sweet Dreams』(1936, Yang Ju-nam)から『The Last Witness』(1980, Lee Doo-yong)まで、近年再評価されている4作品を上映する。また、韓国インディペンデント映画史の重要監督としてHong Ki-Seonの特集を行なう。
他に特集上映としては、イエジー・スコリモフスキー監督特集、スペインのPere Portabella監督特集 スリランカ映画特集が組まれている。
10周年記念の特別企画として、「チョンジュ映画祭で見い出された監督たち」では、山下敦弘『どんてん生活』、ポン・ジュノ『吠える犬は噛まない』、アピチャッポン・ウィーラセタクン『真昼の不思議な物体』、ワン・ビン『鉄西区』など、また、「チョンジュ映画祭受賞者の新作上映」として、イン・リャン『好猫/グッド・キャット』、荻上直子『バーバー吉野』などが上映される。
なお、10周年を記念し、インディペンデント映画の製作支援をめざして、企画マーケットも立ち上げられる。
チョンジュ国際映画祭公式サイト
(報告者:森宗 厚子)