No Bears
【オープニング作品】
イラン / 2022 / 107分
監督:ジャファル・パナヒ ( Jafar PANAHI )
配給:アンプラグド
映画監督ジャファル・パナヒの目を通して並行して語られる2つの愛と抵抗の物語。ここ十数年、芸術的自由に関する自己言及的作品を作り続けてきたパナヒの最新作。パナヒがイラン当局に拘束される中、ヴェネチア映画祭でプレミア上映され、特別審査員賞を受賞した。
10月29日(土)14:50- →チケット購入はこちら
1960年7月11日生まれ。イランニューウェーブの動きとともに認識され、映画監督、脚本、編集として活動。数年間、アッバス・キアロスタミの助手として働きながら数本の短編映画を制作。長編デビュー作『白い風船』(1995)がカンヌ映画祭監督週間でプレミア上映され、カメラ・ドールを受賞し、早くもイランにおける最も影響力の強い監督の一人と見なされた。イラン国内ではほとんどの作品が上映禁止でありながら、国際的に継続して作品を発表し、多くの映画評論家や批評家より称賛され、『鏡』(1997)でロカルノ映画祭金豹賞、『チャドルと生きる』(2000)でヴェネチア映画祭金獅子賞、『クリムゾン・ゴールド』(2003)でカンヌ映画祭ある視点部門作品賞、『オフサイド』(2006)でベルリン映画祭銀熊賞を受賞している。
作品としてはイランの生活に対する人間的な視点で知られ、しばしば子どもや貧困層、女性の苦難に焦点を当てている。映画の内容をめぐってイラン政府と数年間対立し、2010年3月に妻、娘、友人15人とともに逮捕され、その後、イラン政府に対するプロパガンダの罪で起訴された。世界中の映画人、映画団体、人権団体の支援にもかかわらず、2010年12月、パナヒは6年の実刑判決と20年間の映画監督、脚本執筆、イランや外国のメディアとのいかなる形のインタビューも禁止される判決を言い渡された。控訴の結果を待つ間、逮捕の法的影響にもかかわらず、ビデオ日記形式のドキュメンタリー長編『これは映画ではない』(2011)を制作した。ケーキの中にフラッシュメモリーを隠してイランから上映素材が密輸され、2011年のカンヌ映画祭で上映された。
2013年2月の第63回ベルリン映画祭ではカンボジヤ・パルトヴィとの共同監督作品『閉ざされたカーテン』が上映され、銀熊賞(脚本賞)を受賞。『人生タクシー』(2015)は第65回ベルリン映画祭で上映され、金熊賞を受賞した。前作『ある女優の不在』は2018年のカンヌ映画祭で上映され、脚本賞を受賞した。