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『扉の少女』(仮題)チョン・ジュリ監督Q&A


TOKYO FILMeX (2014年11月27日 23:55)

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11月27日、TOHOシネマズ 日劇での『扉の少女』(仮題)上映後、チョン・ジュリ監督によるQ&Aが行われた。ぺ・ドゥナさん演じる警察官ヨンナムと、キム・セロンさん演じる少女ドヒ、社会から疎外された二人の女性の出会いから展開される緊張感に満ちたドラマに、観客からは主演女優二人の演技を絶賛する声が相次いだ。チョン監督は「お褒めの言葉は必ず二人に会った時に伝えたい」と感謝を述べた。


まず、長編デビュー作で同性愛や未成年者への虐待といった難しいテーマを選んだ理由についての質問が上がった。
それについてチョン監督は「この作品にはさまざまな要素が描かれていますが、私が一番描きたかったのは寂しい二人の人物の出会いです。寂しさを強調するために、二人をこのような状況に置きました」と語り、また「脚本を書いているときは自分自身が寂しく、辛い時期でもあった」と明かした。「ドヒは自分が寂しいことを理解すらしていない。それは、彼女がこれまで一度も誰かの愛情の対象になったことがないからなのです。それとは対照的に、ヨンナムは孤独を充分すぎるほどに自覚していますが、それを克服する方法を知らず、克服できるとも考えていません」


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「主演の二人の涙が美しく印象に残った」という観客からは「どのような演技指導を行ったのか」との質問が寄せられた。監督は「非常に才能豊かな二人の女優を起用できたことは本当に幸運で、恵まれていたと思います」と応じ、「私がやったのは、彼女たちが可能な限り役柄に感情移入できるようにお話を作り、この世界にとけ込めるようにすること。そして心の底から正直にいろんなことを話し合いました」と語った。撮影に入ってからはチョン監督から言葉を掛ける必要はほとんどなく、二人が互いにインスピレーションを与え合い、呼吸を合わせて演じてくれたそう。


続いての質問は、ドヒに暴力を振るう継父ヨンハについて。彼も寂しい人物だと感じた、という観客から、人物造形をどのように意識したのか、と問われると「今回の映画に登場する人物たちすべてを、筋の通った人物として造形することを心がけていました」とチョン監督。それぞれに人生があり、あらゆる行動、言葉には背景がある。限られた時間の中にも、それが反映されているように描こうとしたという。ヨンハは救いがたい悪人であるように見えるが「それも彼の人生、彼なりの理由があってそうなっているのだということを、演じたソン・セビョクさんが見事に表現してくれたと思います」と語った。


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この映画のもうひとつの登場人物ともいえる、寂れた港町ヨス。監督はこの町を舞台に選んだ理由を、「韓国の南端にあり、ソウルからは非常に離れている。ヨンナムが逃げるように辿り着いた場所として、ふさわしいと考えた」と説明した。そして、ヨスは監督自身が生まれ、高校時代まで過ごした町でもある。大学進学で町を離れてからはお盆や正月に短期間帰省するだけだったが、今回のシナリオを書くために長く滞在し、ヨスの知らなかったさまざまな面に気付くことになった。幼い頃からの懐かしい思い出の数々と結びついた風景であると同時に、まるで見知らぬ場所であるかのように、新しい姿で立ち現れたのだという。


最後の質問は、ラストシーン、ヨンナムがドヒに掛ける言葉について「日本語字幕・英語字幕ともに、こうしたシチュエーションでの表現としては少し変わっているように感じたが、どのような意図だったのでしょうか」というもの。
それに対して「この言い回しには二人の行く末についての私自身の願いが込められていて、韓国語の台詞でもそのような表現になっています。英語字幕を作成する際に、翻訳に特にこだわった点」とチョン監督。今回の日本語字幕を手掛けたのはこのQ&Aの通訳を務めた根本理恵さん。「日本語字幕でもその意図を汲んでくださって、ありがとうございます」と監督から感謝の言葉が述べられると、会場からも根本さんに大きな拍手がおくられた。


寄せられた質問の鋭さに感心しきりだったチョン監督。夜遅い時間にも関わらず、ロビーで待ち構えた熱心な観客に丁寧に応じる姿が印象的だった。


『扉の少女』(仮題)は、2015年G.W.に渋谷ユーロスペースでの公開が決定している。


(取材・文:花房佳代、撮影:白畑留美)

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