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タレンツ・トーキョー2014授賞式


TOKYO FILMeX (2014年11月29日 17:00)

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11月29日、東京フィルメックス期間中に開催されたタレンツ・トーキョー2014(以下、TT)の授賞式が有楽町朝日ホールスクエアで行われた。TTは、「次世代の巨匠」になる可能性を秘めた「才能(=talent)」を東京に招き実施する、東京都などが主催する映画分野の人材育成プロジェクト。日本を含む、東アジア・東南アジアから事前審査で選ばれた15名の監督・プロデューサーが6日間のワークショップに参加した。


まず司会の市山尚三東京フィルメックス・プログラムディレクターが6日間を振り返り、ワークショップの様子がスクリーンに映し出されると、参加者からは歓声があがった。期間中は、ジャ・ジャンク―監督と塚本晋也監督をお招きしたマスタークラスや、業界関係者を迎えて各参加者が企画を発表する公開プレゼンテーション。一般の方も参加可能なオープン・キャンパス等、多彩なプログラムが滞りなく行われた。


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また今年度、TT修了生を対象に「ネクスト・マスターズ・サポート・プログラム」が新設。制作前の企画の実現を支援する企画開発ファンド(上限100万円)、完成間近の作品を後押しするプロモーションファンド(上限50万円)の2種類の資金援助プログラムが設置されたことを市山PDが発表した。企画開発ファンドの受賞者である曽我満寿美さんは2011年の修了生。「この3年間、TTで出会った3人の監督やプロデューサーと一緒に作品を制作した。カンヌ国際映画祭でも評価いただき、これからも海外の監督とのコラボレーションを続けていきたいです」と抱負を語った。


続いて、メイン講師の諏訪敦彦さん(映画監督)、ウィニー・ラウさん(ワールド・セールス)、フロリアン・ウェグホルンさん(ベルナーレ・タレンツ、プログラム・マネージャー)、オ・ジョンワンさん(プロデューサー、帰国されたため授賞式には欠席)が紹介された。ラウさんは「才能溢れるTTに参加できて幸せな6日間だった。皆さんのプロジェクトの成功を祈っている。私たちのアドバイスを時々思い出してくれたら幸いです」と挨拶した。


次にウェグホルンさんよりスペシャル・メンションが発表された。選出されたのは『A Family』(ムン・クォン監督/韓国)。「一般的に知られてはいるけれどもあまり注目されることのないテーマを扱っている。TTの公開プレゼンテーションでは、特にその厳選されたビジュアルにより、監督の創り出したい包括的な雰囲気を提示してくれた」と選考理由を述べた。クォン監督は「心からメイン講師の方にお礼申し上げたい。この企画を実現したいので、投資家・プロデューサーの方で興味を持っていただけたら韓国まで来て下さい」と意気込みを語った。


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参加者の期待が高まる中、タレンツ・トーキョー・アワード2014が発表された。受賞したのは『Somewhere South of Reality』(ジャンカルロ・アブラアン監督/フィリピン)。賞金30万円が副賞として贈られた。授賞理由について「素晴らしいタイトルのついたこの企画は、私たちの現実を超えた世界にヒントを得ている。神話の要素を巧妙に取り入れ、現代社会にも通ずるようなストーリーになっている。公開プレゼンテーションも、刺激的で新鮮な発表でゲストの心を鷲掴みにするものでした」と、メイン講師を代表してウェグホルンさんが称賛した。満面の笑みを見せて賞状を手にしたアブラアン監督は「本当にありがとうございます。このプロジェクトはとても思い入れが強い。この企画に出てくるモンスターたちに感銘を受けたことから始まった。私自身が抱えているモンスターを皆さんと共有することができて嬉しかったです」と喜びを語った。


最後に、TT主催者である東京都を代表して、東京都生活文化局文化振興部長の鳥田浩平さんがご挨拶された。「開校式と今日では、参加者の皆さん雰囲気が全く異なり感動している。参加者と講師の一体感こそが、TTの財産だと思う。企画を是非実現させてほしい。それを日本で見ることができたらとても幸せ。TTを支えてくださった全ての関係者の皆さん、本当にありがとうございました」と感謝の言葉で締めくくった。


今年のコンペティション部門では、2010年の参加者であるフランシス・セイビヤー・パション監督の『クロコダイル』が最優秀作品賞を受賞するなど、TT修了生の活躍が目覚ましい。今年度の参加者が世界にその名を轟かせる日を楽しみに、タレンツ・トーキョー2014は閉幕した。


(取材・文:小嶋彩葉、撮影: 穴田香織、関戸あゆみ)

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