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タレンツ・トーキョー2014オープンキャンパス ウィニー・ラウさん講義


TOKYO FILMeX (2014年11月27日 18:30)

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11月27日、有楽町朝日ホール・スクエアBにてタレンツ・トーキョー2014オープン・キャンパスが開催された。タレンツ・トーキョーは、「次世代の巨匠」になる可能性を秘めた「才能(=talent)」を東京に招き実施する、映画分野の人材育成プログラム。本プロジェクトの魅力をより多くの皆様に発信することを目的とし、今年のメイン講師の1人であるウィニー・ラウさん(ジェット・トーン・フィルムズ社 国際共同製作責任者)をむかえ、ワールドセールスの役割と海外展開についてお話しいただいた。


ラウさんは、ゴールデン・ハーベスト・エンターテインメントでの配給マネージャー経験を経て、2001年に世界有数のセールスエージェントであるフォルティッシモ・フィルムズに入社。セールスと買付を担う国際部を率いて、多くのプロデューサーや配給会社と仕事をし、ウォン・カーウァイ(『花様年華』(00))、マーティン・スコセッシ(『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』(08))等、世界的に有名な監督とも密な関係を築いた。今回は、フォルティッシモ・フィルムズで担当された映画を例に、セールスエージェントの役割を具体的にご紹介いただいた。


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セールスエージェントとは、監督やプロデューサーに代わって、各国の映画祭での上映に向けた交渉や配給会社と劇場配給権・DVD販売などあらゆる権利に関して一括で交渉する役割を担っている。また、国や地域ごとに、契約スタイルや見込まれる観客層・好まれるジャンル等が違うため、あらゆる理解と人脈が必要とされる仕事だ。


例えば、ワールドプレミアをどこで行うかというテーマに関して「多くの監督はカンヌ国際映画祭がいい、あるいはアメリカがいいと言います。しかし、なぜカンヌが良いのか、他の国ではダメなのか、制作者と話し合いアドバイスするのがセールスエージェントです。監督がどんなに希望しても、配給戦略上セールスエージェントとしては認めることはできない場合もあります。1度上映してしまえば、2度目の機会はありません。もしかしたら、映画祭という場ではない方が良いケースもあるでしょう。いつ、どこの国でどのような状態で最初に上映するのがベストなのか、またそれはなぜなのか、考えなくてはいけない」と、制作者と一緒になって海外展開の戦略を立てることの重要性を訴えた。


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続いて、フォルティッシモ・フィルムズが手掛けた『二郎は鮨の夢を見る』(11)の予告編が上映され、この作品へのセールスエージェントの関わり方が紹介された。「私がニューヨークにいる時に、この映画のコンセプトを紹介された。アメリカ人監督が日本で小野二郎さんと出会い、彼の寿司に魅了されてしまった、ということでした。この時には、まだ脚本もなければ資金も集まっていない。ただ制作したいという熱意を持つ監督と話し合う中で、一緒にやってみようと話がまとまりました。」4か月後にラフなカットを見せられた時には、ラウさんの方から「もっとお寿司の映像を見せたい」と希望したそうだ。監督と一緒に議論していく中で、クラシック音楽をBGMにすること、二郎さんの仕事や生き方にフォーカスすること、ユニバーサルな普遍性を持って誰にでも受け入れられる作品にすること、という方向性が決まったそうだ。その後も、サブタイトルの有無やポスターにいくつ寿司を出すのか、等の細部に至るまで、多くの事が話し合われたという。


そして、公開方法についても話が及ぶ。「アメリカの制作だが、日本の要素が強い。最終的にベルリン国際映画祭のカリナリ・シネマ部門を選択した。オープニングで上映されるということで、完璧なセッティングだった。日本の配給会社と交渉した時には、小野二郎さんも寿司も日本では語りつくされていると、良い反応を得られなかった。しかしベルリンで上映され、世界的に評価を得られると、最終的に日本でも良い結果を納めることができた。これが、私たちセールスエージェントが早い段階で参画した良い例。クリエイティブなインプットをすることで、より国際的な公開を視野に入れた際に観客にとって良い映画にするアドバイスをした。それこそがセールスエージェントの役目だと自負しています」と自らの経験を語った。


有名な監督や俳優がいなくても、資金が多くなくても成功することは不可能ではない。しかし、厳しい世界であることも確かだというラウさん。それでは、セールスエージェント側はどのような人材を求めているのだろうか。「私たちは、志向型の監督、しっかりした意見を持っている監督を求めている。自分のストーリーを語りたい、自分のスタイルを語りたいという監督が、このような競争の厳しい世界では必要。そして、何をしたいのか分かっている、常識のあるプロデューサーを求めています」と、一緒に仕事をしたいと感じる人材を教えてくれた。


ラウさんのプレゼンテーション後には、参加者からの質問も受け付けた。会場には、映画制作に携わる若者を中心に、多国籍な顔ぶれが並んだ。世界中を飛び回り活躍しているラウさんの貴重な話に耳を傾けると、1時間があっという間に終了。セールスエージェントが制作側とどのように関わり、観客に届けられるまでどのような流れをとっているのか理解できる興味深い内容であった。


(取材・文:小嶋彩葉、撮影:穴田香織)
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