デイリーニュース

2005年11月27日

11.27. クロージングセレモニー

9日間にわたって開催された第6回東京フィルメックスも最終日、
アボルファズル・ジャリリ監督の『フル・オア・エンプティ』の上映前に授賞式が行われた。

審査結果発表に先立ち、林ディレクターから「連日通っていただいた観客の皆様、作り手の皆様、審査委員の方々、映写字幕チームの方々、ここにいる全ての皆様に心から感謝いたします。80名のボランティア・スタッフの皆様もありがとうございました。映画は人生を、また心を豊かにしてくれます。引き続き皆様に素晴らしい映画をご紹介できるよう力を尽くします。来年11月の第7回東京フィルメックスでまたお会いしましょう」と挨拶。そして審査員の西島秀俊氏、フレッド・ケレメン氏、マリアン・レビンスキー氏、エリカ・グレゴール氏、審査委員長のアボルファズル・ジャリリ氏が登壇し、各賞が発表された。

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投稿者 FILMeX : 18:30

2005年11月26日

「無窮動」 Q&A

映画上映後、ニン・イン(寧瀛)監督をお迎えしてQ&Aが行われました。

林ディレクター: 最初に、監督から日本の観客の皆様に一言いただけますでしょうか。

ニン・イン監督: 土曜日の朝からこの映画を見に来てくださって本当にありがとうございます。私が東京フィルメックスに参加させていただきますのはこれが2回目です。本当に光栄に思いますし、とても感激しております。ありがとうございます。

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投稿者 FILMeX : 10:30

2005年11月25日

「サウンド・バリア」 Q&A

映画上映後、アミール・ナデリ監督を迎えてQ&Aが行われました。

市山ディレクター:監督から一言どうぞ。

ナデリ監督: まず申し上げたいのは、これは音についての3部作の1本目だということです。この前に私は3本映画を作っていますが、それはニューヨークに移り住んでからの新しい人生、経験についての映画でした。今見ていただいた映画は長い間構想していたもので、このストーリーも、映画も作るのが大変だろうということ、また、皆さんに見ていただくのも大変な経験だろうということは初めからわかっていました。しかし、私は何かとりつかれたような、非常に強い欲望を持っている人間なものですから、映画や人生を映画、音、編集といったものを通して経験していくということを大事にしてきました。この映画ができたのは、この物語を信じているからです。実際に皆さんがこれをどう受け止められたかは分かりませんが、私にとっては信じられるものなのです。25年間映画を作ってきましたが、その中でいろいろな映画を見てきました。いわゆる伝統的な、古典的な方法で物語を作る映画も作ってきましたし、そのような方法で映画を作ってきた多くの監督を知っていますし、優れた映画もたくさん見てきました。しかし、私は今ご覧いただいたような方法、すなわち、自分なりの方法でしか映画は作れないと思っています。私は自分の祖国のイランでは9本の映画を作りましたが、うち3本はいわゆる古典的な、伝統的な方法の映像スタイルを使いました。しかしその後、音と比較的少ないダイアログで何かを語っていくという自分なりの方法を編み出していきました。1975年に作った「Waiting」という映画以降、この新しい手法を使っていると思います。このスタイルを認めてくれるイランの観客の人たちも少数はいましたけれども、私にとってはこれしか信じられないので、この方法をとり続けています。ニューヨークに移り住んでから10年間、初めのうちは自分自身、人間としての自分自身を見つけ出すのに時間がかかりました。そして、映画の方法も次第に確立していったのです。正直言いますと、この自分の人生の選択は間違っていなかったと私は大変嬉しく思っております。皆様にも感謝申し上げたいと思います。ご質問があればぜひお願いします。

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投稿者 FILMeX : 18:40

「あひるを背負った少年」 Q&A

●監督から観客へ一言
今日は、この場所に招いていただいて、そしてここで映画を上映していただいて、本当に嬉しく思います。10ヶ月間、大変つらい思いをして撮った映画が、完成できて幸運に思います。低予算で撮ったこの作品が、皆様に観ていただけることができて嬉しいです。

Q1、この作品は、監督の長編デビュー作ですが、何故このような題材を選んだのですか。

A1、主人公は11歳の時に父親と離別していますが、実は自分自身も同じような経験をしています。それ故、父との別れが、その後の物の見方に影響しています。映画の勉強をした後、私は西南地区で生活しはじめました。中国は土地が違えば、色々な暮らしがあります。私自身は東部の出身ですが、西南地区での生活を経験し、幼い頃の心の遍歴と、西南地区の人々の暮らしをあわせて映画にしました。そして、父に対する思いをまとめ、こういった題材を選ぶことにしました。

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投稿者 FILMeX : 15:50

2005年11月24日

「完全な一日」 Q&A

上映終了後、ジョアナ・ハジトゥーマ監督とカリル・ジョレイジュ監督をお迎えしてQ&Aが行われました。

林ディレクター: この作品は、スイスのロカルノ映画祭で国際批評家連盟賞とドンキホーテ賞の両方を獲られたレバノン映画です。今朝到着されたばかりでお疲れと思いますが、一言ずつご挨拶お願いします。

ジョレイジュ監督:まずは東京に来られてとても嬉しいです。関係者の皆さん、映画祭に呼んでいただき本当に感謝しています。この映画は私の個人的な思い出から出発しているものです。というのも、私の叔父が17,000人の内戦以降行方不明になっている人の1人だったのです。この行方不明者を扱うことの興味深さというのは、現代の問題を扱うことにもなるということです。つまり、今、レバノンでは内戦からの復興が目覚しく進んでいますが、一方で彼らは未だ帰ってきていないのです。ですから、この映画に取り組むにあたっての私たちの問題は現代と歴史ということにどう取り組むかということ、言い換えれば、直線的な物語を語ることができない歴史をどう映画として取り込むかということでした。ですから、私たちはもちろん物語あるいは歴史という過去を持っていますけれども、その過去からの贈り物を敢えて覆すことで、むしろ未来に向かおうと、ある種モダニスト的なアプローチでこの作品に臨みました。そうすることである種の緊張感、ヒステリックなまでの緊張感を作品に持たせようとしました。

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投稿者 FILMeX : 19:00

2005年11月23日

「サグァ」 Q&A

映画の上映後、カン・イグァン監督と主演のムン・ソリさんを迎えてティーチインがおこなわれました。

林ディレクター:監督は本作がデビュー作ですが、脚本も書いておられて、9月のサンセバスチャン映画祭ではモンブラン賞という新人脚本賞を受賞されていますが、これは最初からムン・ソリさんを想定してアテ書きで脚本を書かれていたんでしょうか。

監督:実は最初にシナリオを書いている時は、誰も想定していませんでした。ですが、書き終えて、この役が誰に合うかと考えた時に最初に浮かんだのがムン・ソリさんでした。

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投稿者 FILMeX : 19:00

「やわらかい生活」 Q&A

「やわらかい生活」の上映前に廣木隆一監督と主演の寺島しのぶさんの舞台挨拶があり、お二人から簡単なご挨拶を頂きました。監督からは東京フィルメックスに参加できたことをうれしく思いますと、また寺島さんからは躁うつ病である主人公の役柄に入り込みすぎて、病院に行くくらいにがんばって演技をしたというお話をいただきました。
上映後は廣木監督を招いてのQ&Aを行いました。

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投稿者 FILMeX : 15:30

11.23. トークイベント『日本映画のいま 廣木隆一監督の映画術』

東京フィルメックス5日目。特別招待作品として上映される『やわらかい生活』の廣木隆一監督を迎えてトークイベントが開催されました。『ヴァイブレータ』の監督と主演コンビによる2作目ということで早くも話題を呼んでいる同作。司会進行は監督とは旧知の映画評論家・塩田時敏さん。廣木監督が助監督時代から面識があるというだけに、楽しいトークが展開されました。また終盤近くに寺島しのぶさんが乱入!? 『ヴァイブレータ』『やわらかい生活』と廣木作品に2度主演した寺島さんから思わぬ本音が飛び出すなど、映画祭でなければ聞くことができない撮影秘話に会場は興奮。笑いが絶えない一時となりました。

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投稿者 FILMeX : 14:45

2005年11月21日

『雪崩』生伴奏付き上映 Q&A

第6回東京フィルメックスの特集上映のひとつ「映画大国スイス1920’s-1940’s」が、ジャック・フェデー監督「雪崩」で幕を開けました。まず、スイスフィルムズのサビーナ・ブロッカルさんより挨拶、引き続き審査員のマリアン・レヴィンスキーさんから作品についての解説がありました。

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投稿者 FILMeX : 19:00

2005年11月20日

「マジシャンズ」 Q&A

前作の「スパイダー・フォレスト」に引き続き、2年連続の参加、通算で3度目の参加となるソン・イルゴン監督の「マジシャンズ」の舞台挨拶には監督のソン・イルゴンさん、プロデューサーのキム・ジョンオクさん、撮影監督のパク・ヨンジュンさんの3名が来られました。監督からは以下のような、映画の特徴、見所などを含む充実したご挨拶をいただきました。

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投稿者 FILMeX : 18:50

「バッシング」 Q&A

司会:東京フィルメックスの公式サイトでも監督に事前にインタビューをさせていただいて、お話を伺ったことがあるんですが、詳しくは(公式サイトを)お読みいただければと思います。その時に監督から今回、この「バッシング」で今までのすごく画作りにこだわった作り方から、逆にスタッフも5-6人に絞って、スタイルを意識的に変えてドラマを描いていこうということに集中したと伺いました。どんどんそぎ落としていって、その中で集中を密にしていこうという、そういうような"演出の力"というのを私は感じ取らせていただいたのですけれども。

監督:何度か作って、本を書いて自分で監督して、というふうになっていくと限界を感じるというか、基本的には、最初に本があって、役者さんが最終的にいて、これで大体もう決まりだなというか・・・いい役者さんというか役にあった役者をキャスティングできるかで映画の80%くらいが決まってるなという。だから、後の20%はどうするかですが、今までは頑張って自分でイメージしたり絵作りしたりしてやっていたんです。自分で、役者にここはこうしてとか言ってると、言っている先からつまんなくなってるんじゃないか、だめにしてるかもという不安があって、役者さんにはなるべくこうやってとか言わないようにしました。

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投稿者 FILMeX : 17:00

「バッシング」 舞台挨拶

日本で初公開となる「バッシング」の上映に際し、監督と出演者4名の方をお迎えして舞台挨拶が行われました。(監督:小林政弘 出演者:占部房子・香川照之・本多菊次朗・加藤隆之)

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投稿者 FILMeX : 16:00

11.20. 『生誕百年特集 映画監督 中川信夫』トークショー(司会:鈴木健介 ゲスト:若杉嘉津子)

東京国立近代美術館フィルムセンターにて上映中の『生誕百年特集 映画監督 中川信夫』。この日は『人形佐七捕物帖 妖艶六死美人』の上映後にトークショーが行われた。ゲストは『人形佐七捕物帖 妖艶六死美人』『毒婦高橋お伝』『東海道四谷怪談』に出演している若杉嘉津子さん、司会はご自身も映画監督で、中川作品では『怪異談 生きてゐる小平次』の助監督を務めた鈴木健介さん。中川作品の製作現場を知るお2人に、中川信夫監督について、また当時の思い出などをたっぷりと語っていただいた。会場には多くのファンをはじめ、中川監督の息子さんや中川作品でお馴染の俳優、明知十三郎のご家族なども駆けつけ、偉大なる映画監督を偲ぶ貴重なトークイベントとなった。

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投稿者 FILMeX : 14:00

2005年11月19日

「スリー・タイムズ(原題)」 侯孝賢監督Q&A

Q:監督の映画に対する思いや創作する姿勢について

A:創作というのは道と同じで、どこまで行ってもたどり着けない、どこまでいっても終わりのないものです。創作という道の途中でいろいろと自分を見つめ、反省したり、しっかりと見つめて行くということです。またいろんなものを観察していき、またそして人間について思索していくわけです。人間とはどういうものであるのか、それとどういう風に向き合っていくのか、というこの創作の道というものは尽きないものが沢山あって、ずっと歩いていってもたどり着けない、尽きることがないという道が創作といえます。もちろんその歩いていく過程でもしかして自分が創作というものになれきっていないか、自分の能力がどれくらいあるのか、またなぜその映画を撮っていくのか、そういうものを考えながら歩いていくのがこの創作の道だと思います。ですから、尽きることのない道であると考えています。

小説を読んだり、映画を見たりするとき、若い時と年齢を経てからそういうものを鑑賞したときの感覚というのは全く違ってくると思います。それは、台湾の政治状況が台湾の歴史というものを繰り返しいろいろと考えさせてくれる場合にも同じように当てはまると思います。例えば、政治の中でいろいろなことが歪められているし、その真実がどこにあるのかが分からなくなってくるようなことがありますが、その繰り返しが歴史となっているわけです。それは私が映画を撮る中で、もう既に自分が撮り終えたと思っていたものをまた繰り返すということと似ています。自分はまた自分の撮ってきたものをこれでいいのかどうか、絶えず自分で問いかけながら、先ほど創作の道が自分を問うもの、自分を見つめなおしていくものだといいましたが、そのようにまた繰り返し歴史と同じように、撮り続けていくわけです。

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投稿者 FILMeX : 21:00

オープニングセレモニー

今年で第6回を迎える東京フィルメックスは林加奈子ディレクターの開会宣言で和やかに幕を開けた。まずは林ディレクターから「同映画祭の特集企画『生誕百年特集 映画監督 中川信夫』が来年のベルリン映画祭と香港映画祭で上映されることが決定した」という報告と、フィルメックスを支える国内外の関係者、多くの観客へ感謝の辞が述べられた。

続いて市山尚三プログラム・ディレクターより5人の審査員が紹介され、特別招待作品『落ちる人』のドイツ人監督フレッド・ケレメンさん、スイスの映画史家でキュレーターのマリアン・レビンスキーさん、ドイツの映画祭コーディネーターのエリカ・グレゴールさん、俳優の西島秀俊さん、クロージング作品『フル・オア・エンプティ』のアボルファズル・ジャリリ監督が登壇。審査委員長という重責を担うアボルファズル・ジャリリ監督は「イラン人は判断するのが苦手」と冗談を交えながら挨拶。

最後にオープニング作品『スリー・タイムズ(仮題)』のホウ・シャオシェン監督がステージに登場。満員の会場から大きな拍手で迎えられた監督は「若い監督を応援すると同時に古い作品も観させてくれる素晴らしい映画祭。アジアで重要な映画祭になることを祈っています」。
ホウ・シャオシェン監督が審査委員長を務めた第2回東京フィルメックスで、審査員特別賞を受賞したのが今回の審査委員長のジャリリ監督(『少年と砂漠のカフェ』)。そんなお2人が壇上で握手を交わす姿も印象的だった。

(取材・文:北島恭子)

投稿者 FILMeX : 18:30

東京フィルメックス開催!

いよいよ11月19日より第6回東京フィルメックスが開催しました!
こちらのデイリーニュースでは、映画祭期間中のQ&Aやトークショーの模様をアップいたします。
どうぞご期待ください!

投稿者 FILMeX : 18:00

 
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