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特集上映「限定!川島パラダイス♪」 川島雄三監督作品






『愛のお荷物』 Burden of Love
1955 / 110分
©1955 日活
出演:山村聰、三橋達也、北原三枝、轟夕起子、山田五十鈴、東野英治郎、フランキー堺、殿山泰司

【作品解説】
第二次大戦後の第一次ベビーブームでの人口急増を背景に、受胎調節を訴える厚生大臣の一家に次々と子供ができていく騒動を軽快なタッチで描いた風刺喜劇。川島が得意とした都会派コメディー路線を代表する作品の一つで、ブルジョワ家庭を舞台にした皮肉たっぷりの内容だが、同時に人々に対する大らかな視点に溢れた人間賛歌にもなっている。川島の日活での第一回作品であり、同じく松竹から移籍した今村昌平が助監督を務めた。





川島雄三

1918年、青森県下北郡田名部町(現在のむつ市)に生まれる。明治大学を卒業後、松竹に入社。島津保次郎、小津安二郎、木下惠介らの助監督をつとめ、44年、田中絹代主演の『還って来た男』で監督デビュー。その後はナンセンス・コメディーの傑作『シミキンのオオ!市民諸君』(48)など主にプログラム・ピクチャーを監督していたが、下町の風俗を生き生きととらえた『とんかつ大将』(52)では新境地を開拓した。54年、『昨日と明日の間』を最後に、製作を再開した日活に移籍。和製スクリューボール・コメディ『愛のお荷物』(55)、傑作メロドラマ『洲崎パラダイス 赤信号』(56)、織田作之助原作を映画化した『わが町』(56)などの名作を手がける。57年、しばしば日本映画史を代表する映画として選出される代表作『幕末太陽傳』を監督した後、東宝傘下の東京映画に移籍。大岡昇平原作の『花影』(61)、山本周五郎原作の『青ベか物語』(62)などの文芸映画を手がける一方、『グラマ島の誘惑』(59)、『縞の背広の親分衆』(61)など過激なコメディにも冴えを示した。東京下町の花柳街を描いた『夜の流れ』(60)では成瀬巳喜男と共同監督もつとめている。一方、大映でも3本の作品~『女は二度生まれる』(61)、『雁の寺』(62)、『しとやかな獣』(62)~を監督。いずれも若尾文子を主演に迎えながら、全く異なるタイプの傑作を生み出した。63年6月11日、遺作となった『イチかバチか』の公開の直前に肺性心で急死。亨年45歳であった。松竹や日活時代の助監督に今村昌平、浦山桐郎、中平康らがいる。








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