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特集上映「限定!川島パラダイス♪」 川島雄三監督作品






『洲崎パラダイス 赤信号』 Suzaki Paradise : Red Light
1956 / 81分
©1956 日活
出演:新珠三千代、三橋達也、轟夕起子、芦川いづみ、河津清三郎、牧真介、桂典子、小沢昭一

【作品解説】
川島映画の一つの到達点であるのみならず、日本のメロドラマ映画史上に燦然と輝く傑作。芝木好子の小説を原作に、歓楽街"洲崎パラダイス"に流れ着いた男女の離れるに離れられない関係が、歓楽街へ出入りする人物たちとの関わりの中で詩情豊かに描かれる。50年代半ばの社会風俗を背景に、登場人物たちの感情の機微を見事に捉えた無駄のない演出に加え、腐れ縁の男女を演じた三橋達也と新珠三千代が素晴らしい演技を見せている。







川島雄三

1918年、青森県下北郡田名部町(現在のむつ市)に生まれる。明治大学を卒業後、松竹に入社。島津保次郎、小津安二郎、木下惠介らの助監督をつとめ、44年、田中絹代主演の『還って来た男』で監督デビュー。その後はナンセンス・コメディーの傑作『シミキンのオオ!市民諸君』(48)など主にプログラム・ピクチャーを監督していたが、下町の風俗を生き生きととらえた『とんかつ大将』(52)では新境地を開拓した。54年、『昨日と明日の間』を最後に、製作を再開した日活に移籍。和製スクリューボール・コメディ『愛のお荷物』(55)、傑作メロドラマ『洲崎パラダイス 赤信号』(56)、織田作之助原作を映画化した『わが町』(56)などの名作を手がける。57年、しばしば日本映画史を代表する映画として選出される代表作『幕末太陽傳』を監督した後、東宝傘下の東京映画に移籍。大岡昇平原作の『花影』(61)、山本周五郎原作の『青ベか物語』(62)などの文芸映画を手がける一方、『グラマ島の誘惑』(59)、『縞の背広の親分衆』(61)など過激なコメディにも冴えを示した。東京下町の花柳街を描いた『夜の流れ』(60)では成瀬巳喜男と共同監督もつとめている。一方、大映でも3本の作品~『女は二度生まれる』(61)、『雁の寺』(62)、『しとやかな獣』(62)~を監督。いずれも若尾文子を主演に迎えながら、全く異なるタイプの傑作を生み出した。63年6月11日、遺作となった『イチかバチか』の公開の直前に肺性心で急死。亨年45歳であった。松竹や日活時代の助監督に今村昌平、浦山桐郎、中平康らがいる。






11/19 川島 雄三を語る1 / 寺島 進
from ブロードキャスト 2011/11/19


 
11/19 川島 雄三を語る(1)
トークイベント/東劇

ゲスト:寺島 進(俳優)

聞き手:林 加奈子(東京フィルメックスディレクター)
 
Talk Session / Togeki
Guest: TERAJIMA Susumu (Actor)
MC: HAYASHI Kanako (TOKYO FILMeX Director)

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『洲崎パラダイス 赤信号』
1956 / 81分
監督:川島雄三
 
Suzaki Paradise : Red Light / Suzaki Paradaisu : Akashingou
1956 / 81 min.
Director: KAWASHIMA Yuzo





新情報は順次、追加されます。


『洲崎パラダイス 赤信号』トーク(ゲスト:寺島進さん)
from デイリーニュース2011 2011/11/19

1119terashima_01.jpg11月19日、第12回東京フィルメックス開催初日、東劇では川島雄三監督特集上映『限定!川島パラダイス♪』 が幕を開けた。 上映された『洲崎パラダイス 赤信号』(56)は、歓楽街"洲崎パラダイス"に流れ着いた男女の離れるに離れられない関係が、歓楽街へ出入りする人物たちとの関わりの中で詩情豊かに描かれている。上映後には俳優の寺島進さんを迎え、林 加奈子東京フィルメックスディレクターとのトークショーが行われ、川島作品の魅力について語られた。


寺島さんは「とにかく最高の一言。もっと早く作品を観ておけば、主演の(故)三橋達也さんに色々と伺えた。何より自分もこの作品に参加したかった!」と興奮気味に語った。また、林ディレクターからは、作品冒頭シーンで登場する勝鬨橋について説明がされた。勝鬨橋は1933年(昭和15年)に隅田川にかかる可動橋(跳開橋)として建設され、1968年(昭和43年)までは路面電車も走っていた。林ディレクターと寺島さんが、偶然にも「実は隅田川を挟んで近い場所に住んでいた」という意外なエピソードも紹介された。


1119terashima_02.jpg登場人物について話題が及ぶと「冒頭シーンから三橋達也さんと新珠三千代さんの演技が素晴らしい」と絶賛の寺島さん。「特に元々宝塚歌劇団の娘役として活躍していた新珠さんには、汚れ役のイメージがない。なのに、絶妙なバランスで着こなされた着物姿には昔の祇園の女性を思い出させてくれる」と感動した様子で語った。もし本作品をリメイクしたなら「ぜひ宝塚出身の女優さんにお願いしたい!」と話すと、会場からは笑いも起こる一幕も。
ここで林ディレクターより特集上映の主旨として、川島雄三監督作品が海外での知名度がまだ低いことを挙げ、そのプロモーションも兼ねていることが説明された。「実は、海外では昔の日本映画の中に眠るお宝への関心が高く、まだまだ驚かせてくれる作品が沢山あると認識されており、小津・黒澤だけではない日本映画の魅力を紹介していきたい」と林ディレクター。


「この『洲崎パラダイス』と『愛のお荷物』(55)を合わせて見ると、三橋さんの演技力の幅広さを感じさせてくれる」と両人。林ディレクターからは「脇を固める轟夕起子さん、小沢昭一さんの川島ファミリーとも言える程の演技の奥深さ」が語られ、「今の自分たちよりも大人で、俳優としてのレベルも高くいい刺激になる」と寺島さん。
また、1950年代東京の情景についても話題が及び「青森県出身の川島監督が切り取った当時の東京の風景も本当に素晴らしい。洲崎は現在の江東区東陽1丁目近辺。当時の秋葉原電気街や、周囲に高層ビルがない日本橋三越デパートなど、とにかく東京の空の広さが見えていて素晴らしい。また売春防止法の制定など、エンタテインメントだけでなく社会風刺にもポイントが置かれているのも、川島作品の魅力のひとつ」と林ディレクター。また寺島さんからは「祖母が洲崎界隈で小料理屋をしており、母親が手伝いに行っていた」というエピソードも語られた。


1119terashima_03.jpgさらに川島監督の演出方法には「テンポの良さ、スピード感を大事にしていた」と林ディレクターが話すと、寺島さんが「全てにおいてきちんと仕込んでいないと出来ないこと。出演者の間の取り方は相当のレベル」と話し、第12回東京フィルメックスで審査員を務める篠崎誠監督が以前、三橋さんと引き合わせてくれたというエピソードも披露した。「2001年の毎日映画コンクール授賞式で、40年ぶりに三橋さんが男優賞を受賞された時に『自分も40年後に受賞できる役者を目指します』とスピーチしました(※三橋達也さんは1966年『女の中にいる他人』(成瀬巳喜男監督)で男優助演賞を、2001年『忘れられぬ人々』(篠崎誠監督)で男優主演賞を受賞。2001年に寺島さんは『みすゞ』『BROTHER』『空の穴』で男優助演賞を受賞した)。今思えばもっと早く『洲崎パラダイス 赤信号』を観ておけば、当時の映画の作り方やあのシーンでの演技のことを色々と伺えたのに」。川島作品からは「役者としての"愛のお荷物"を貰えたというか、人間が持つジェラシーのいい意味での心地よさを見せて貰えた」と寺島さんは語り、トークイベントは終了した。


『限定!川島パラダイス♪』では11月25日まで、計4作品を東劇にて上映する。『洲崎パラダイス 赤信号』は25日10:00から、再度上映される。


(取材・文:阿部由美子、撮影:米村智絵)


1119terashima_04.jpg 1119terashima_05.jpg 1119terashima_06.jpg





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