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特別招待作品






『野火』 Fires on the Plain / 野火
日本 / 2014 / 87分
監督:塚本晋也 (TSUKAMOTO Shinya)
製作:海獣シアター
© SHINYA TSUKAMOTO / KAIJYU THEATER

【作品解説】
第二次大戦末期のフィリピン。既に日本軍の敗色は濃厚な中、肺病を病んで部隊を追いだされ、行き場を失った田村一等兵は熱帯の原野を一人さまよう。極度の飢えに苦しみつつ彼が目撃したものは、想像を絶する地獄絵図だった......。大岡昇平の同名戦争文学を塚本晋也が監督兼主演で映画化した作品。目的を失った泥沼の戦場という極限状況の中に放り込まれた兵士たちの姿は、現在の世界で展開されている様々な戦争を思い起こさせずにはいないだろう。撮影の一部は実際にフィリピンでも行われ、雄大な自然とその中で苦悶する人間たちとのコントラストが見事に表現されている。ヴェネチア映画祭コンペティションに選ばれ、大きな話題を巻き起こした傑作。









塚本晋也


1960年、東京に生まれる。中学時代から自主映画を製作。89年に監督した『鉄男』がローマ国際ファンタスティック映画祭でグランプリを受賞し、国際的に注目される。『東京フィスト』(95)はサンダンス・フィルムフェスティバル・イン東京グランプリを獲得し、『バレット・バレエ』(98)、『双生児』(99)、『ヴィタール』(04)はヴェネチア映画祭で上映。『六月の蛇』(02)はヴェネチア映画祭コントロコレンテ部門で審査員特別賞受賞。『鉄男 THE BULLET MAN』(10)はヴェネチア映画祭コンペティションに選ばれ、2011年の東京フィルメックスで上映された前作『KOTOKO』では、ヴェネチア映画祭オリゾンティ部門グランプリに輝いた。その他の作品に『ヒルコ/妖怪ハンター』(90)、『鉄男Ⅱ BODY HAMMER』(93)、『悪夢探偵』(07)等がある。






11/22『野火』Q&A
from ブロードキャスト 2014/11/25


 
11/22『野火』Q&A
有楽町朝日ホール 
  
塚本 晋也(映画監督)
リリー・フランキー(俳優)
森 優作(俳優)
石川 忠(音楽)
 
林 加奈子(東京フィルメックス ディレクター)
ドン・ブラウン(通訳)

 
日本 / 2014 / 87分
監督:塚本晋也 (TSUKAMOTO Shinya)
製作:海獣シアター
 
Fires on the Plain / 野火
Japan / 2014 / 87 min.
Director: Shinya TSUKAMOTO



11/22『野火』舞台挨拶
from ブロードキャスト 2014/11/24

 

11/22『野火』舞台挨拶
有楽町朝日ホール 
  
塚本 晋也(映画監督)
リリー・フランキー(俳優)
森 優作(俳優)
石川 忠(音楽)
 
林 加奈子(東京フィルメックス ディレクター)
ドン・ブラウン(通訳)


 
日本 / 2014 / 87分
監督:塚本晋也 (TSUKAMOTO Shinya)
製作:海獣シアター
 
Fires on the Plain / 野火
Japan / 2014 / 87 min.
Director: Shinya TSUKAMOTO





新情報は順次、追加されます。


『野火』舞台挨拶・Q&A
from デイリーニュース2014 2014/11/22

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11月22日(土)、有楽町朝日ホールにて特別招待作品『野火』が上映された。上映前に舞台挨拶、上映後にはQ&Aが行われ、主演・監督の塚本晋也さんをはじめ、出演者のリリー・フランキーさん、森優作さん、音楽の石川忠さんが登壇した。本作は大岡昇平の原作をもとに塚本監督が20年前から構想し続けた待望の新作。ヴェネチア国際映画祭とトロント国際映画祭で注目を集め、日本では初上映となる。


本作の舞台は第二次世界大戦末期のフィリピン。地獄のような戦場を彷徨する日本兵の尊厳と絶望が描かれる。舞台挨拶では、各登壇者より上映できる幸せと作品に懸けた想いが伝えられた。本作で主演も務めた塚本監督は、現在の日本で映画を制作することの難しさと、協力してくれたスタッフへの感謝を語り、「この映画を観終わったとき、100%げんなりしてしまうでしょう。激しい暴力シーンがあるが、実際に戦争が起こったらこんなものではすまされない。暴力は映画の中でたくさんです」とコメントした。


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上映後、まだ会場の熱気冷めやらぬ雰囲気ではじまったQ&Aでは、まず司会の林 加奈子東京フィルメックス・ディレクターが本作を「監督にとってターニングポイントとなる大傑作」と絶賛し、制作の経緯について質問した。塚本監督は十代の頃に初めて大岡昇平の原作を読んだときの衝撃を「あたかも本当に自分が戦争に行ってしまったかのようだった」と語った。その後映画化への想いは持ち続けるも、資金面の壁が立ちはだかり実現しなかったという。しかし「戦争体験者が年老いていくにつれ、日本の社会が戦争へと向かう勢いが大きくなっていっているのではないか、という恐怖を強く感じ、その危機感から製作資金の目途が全く立たない状態で撮影をはじめることを決意した」と振り返った。


次に、映画を観て絶望を感じた、という観客から、映画作家として考える平和の可能性について質問があがると、塚本監督は「僕の場合、映画は論理的じゃなく、時代の空気を嗅いで、感覚的に作っている」と前置きし、「戦争において被害者となることの悲劇というより、加害者になることの恐怖を描きたかった。戦争に駆り出されて関係のない人を殺すことになる、ということの恐怖。自分のオリジナルであればもっとわかりやすく凄惨に描いただろうが、それは自分の仕事ではない気がした」と語った。そして「自分は絶望していないのだと思う」と世界各地の映画祭で築いた対個人の良好な関係性について言及し、「怖いのは状況だ」と続けた。


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出演者と監督の関係について質問が及ぶと、塚本監督から石井輝男監督の『盲獣VS一寸法師』(01)の現場で共演したリリーさんと仲良くなったというエピソードが明かされ、場内を沸かせた。リリーさんは本作について「商業映画ではできないテーマ。戦争の複雑な状況はあえて説明せず、観る人のイマジネーションに委ねるという監督の潔い切り口で表現したことを痛快に感じ、同時に考えさせられた」と語った。また、森さんからは「塚本監督は本当に物腰が柔らかく、最初は道端で会ったオジさんと喋ってるみたいに感じた。しかし目は真逆で、そこに強く惹きつけられてしまって...塚本さんの目が好きです!」と突然の告白がなされ、会場を大いに盛り上げた。それに対し塚本監督は、起用している俳優の特徴として「岩清水のように自然で透明な演技ができる人」と塚本作品の強固なフィクションを支える役者の秘密について語った。「森くんもそういう人なんですが、澄みきっているからこそ黒いインクを入れると真っ黒になる...そこが彼の魅力ですね」。


音楽を担当した石川さんは「塚本監督の場合は先に出来上がった映像があり、そこに音楽をのせる。今回は映像からピリピリする異様な"暑さ"を感じ、それを表現したかった。お聴きになった通りですが、なるべく西洋の楽器は使わないで組み立てました。また、戦争という重いテーマではあるが、どこまで登場する人物に入り込んで曲を作れるかが大事だと思った。そこは苦労したが、監督と二人三脚で作り上げました」と明かした。


最後の質問は原作における「神」についてどう考えるか、というもの。塚本監督は「劇中で描かれる野火をはじめ、すべてのことを消化して映画を作るわけでなく、その分からなさが表現の原動力になっている」と前置きしたうえで、原作の神については二つの種類があるのでは、として「一つはキリスト教的な意味合いの神で、原作では幼少時の田村一等兵の信心深さが描かれ、人を食べることにおける葛藤も深く描かれるが、映画では扱わなかった。二つ目はいつも自分を見ている目のように感じられる神。この神についても消化はしきれなかったが、それは謎のまま保ち、映画を撮るうえでずっと意識していた」と語った。


作品の凄まじさとは対照的に、終始穏やかでユーモアあふれる受け答えだった塚本監督。普段は目にすることのない俳優やスタッフとの信頼関係も感じられ、改めて塚本作品の魅力に触れたQ&Aとなった。


『野火』は2015年7月25日より渋谷ユーロスペースでの公開が決定したと発表された。塚本監督がどうしても今撮りたかったという本作、今回見逃された方も是非劇場に足を運んでいただきたい。


(取材・文:高橋直也、撮影:明田川志保、白畑留美、関戸あゆみ、中堀正夫、船山広大)

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