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審査員会見


TOKYO FILMeX (2013年11月30日 18:00)

1130shinsakaiken01.jpg11月30日(土)、有楽町朝日ホールスクエアで第14回東京フィルメックスの審査員会見が開かれ、「タレント・キャンパス・トーキョー2013」の受賞作を除く各賞の発表が行われた。


最初に、市山尚三東京フィルメックス・プログラム・ディレクターから、学生審査員の中村祐太郎さん、川和田恵真さん、須山拓真さんが紹介され、今年で3回目となる学生審査員賞が発表された。選ばれたのは、ハンナ・エスピア監督の『トランジット』(フィリピン)。中村さんが「ドメスティックに絡まり合う切実なテーマを、現実味を損なうことなく、映画的な手法で私たちの前に紐解いてくれました。"ここで生きていく"という強い決意がある種の生命力としてあり、それを鮮明に映し出した本作品は私たちの心を丸ごと掴み、今も離そうとしません」と授賞理由を読み上げた。


1130shinsakaiken02.jpg昨年、タレント・キャンパス・トーキョーに参加したエスピア監督は、「このような機会をくれたタレント・キャンパス・トーキョーと東京フィルメックスに私は一生感謝し続けると思います。また、私は映画を学ぶ学生たちこそが映画の未来であると信じています。才能豊かな若い人たちからこうした賞をいただくのはとても光栄であると同時に、とても謙虚な気持ちにさせられます。私たちがいつまでも映画の学生であり続けられますように。いつまでも学ぶ気持ちを持ち続けられますように」とメッセージを寄せた。


1130shinsakaiken03.jpg続いて、イザベル・グラシャン審査員より「アジア映画の将来のため、これからが期待される2人の監督に」と前置きがあり、スペシャル・メンションが発表された。授与されたのは、ウィッサラー・ウィチットワータカーン監督の『カラオケ・ガール』(タイ、アメリカ)と吉田光希監督の『トーキョービッチ,アイラブユー』(日本)の2作品。『カラオケ・ガール』は「主人公の風俗嬢に寄り添い、彼女の実生活を通して心の奥底までを描き出した」こと、『トーキョービッチ,アイラブユー』は「都市・東京を監督自身の哲学的な視線で見据え、人々の孤独とその中で彼らが関係を持つことの難しさを繊細に読みとった」ことが評価された。吉田監督は「この賞は"まだまだ映画を作りなさい"という審査員からのエールだと受け止め、大切にしたいと思います」と感謝を述べた。


次に、松田広子審査員より審査員特別賞が発表された。受賞したのはエミール・バイガジン監督の『ハーモニー・レッスン』(カザフスタン、ドイツ、フランス)。「政治と文化の調和のあり方により生まれてしまう暴力性を、男性社会というメタファーで描いたその才能ある洞察力」が讃えられた。


最優秀作品賞は、ナナ・エクチミシヴィリ監督とジーモン・グロス監督の『花咲くころ』(グルジア、ドイツ、フランス)に贈られた。渡辺真起子審査員は「10代の少女たちの力強い生命力を、90年代前半のグルジア社会を背景に、エネルギッシュかつリアルに描き出した才能を讃えて」と授賞理由を読み上げた。エクチミシヴィリ監督とグロス監督からは「世界の全く別の場所にいる人々の心に自分たちの作品が届くというのは、素晴らしく最高の気分です」と喜びのコメントが届いた。


1130shinsakaiken04.jpg次に、審査員を代表して、モフセン・マフマルバフ審査委員長が登壇し、審査の背景を語った。「作品の上映後に毎回会議を開き、映画について語り合う過程でお互いの考え方をも学び合いました。審査員の共通認識は、作品を批判するのではなくポジティブに捉えることです。私たちは監督全員が完璧な作品を作るよう努力したと信じています。ですから、監督の才能を探すことに注力しました。最終的に結果は満場一致で決まりました」と語った。


ここで、観客賞の集計結果の速報が伝えられた。アンソニー・チェン監督の『ILO ILO(英題)』(シンガポール)が受賞したと発表され、拍手が送られた。


続いて、質疑応答に移った。
「それぞれの作品の間に技術的な差はありましたか」という質問に、マフマルバフ審査委員長は「デジタル化が進んでいるため、技術的な問題は重要ではないと感じています。今回はアジア映画の将来を担う人を探すことを最優先に考えました。作品自体の評価というより、その作品スタイルやコンセプトを通して、監督の才能を見つけることを重視しました」と答えた。


また、「今回のコンペティションについて、総論をマフマルバフ審査委員長からお話いただけませんか」というリクエストに、「作品同士の比較はしませんでした。作品のスタイルが新しいか、コンセプトがどれほど現代に生きる人々にとって重要なものか、という点を見ました。イランの詩に"真実は神の手にある鏡のようなもの"という言葉があります。作品自体も鏡の欠片のようなものです。皆それぞれ鏡の欠片を手にして、違う角度から世界を見ているのだと思います。今回、林 加奈子東京フィルメックス・ディレクターにお願いして、最優秀作品賞と審査員特別賞に加え、スペシャル・メンション2作品を増やしました。本当はもっと賞を選びたいくらいです」と語った。


最後に会場から大きな拍手が送られ、第14回東京フィルメックスの審査員会見が終了した。


(取材・文:宇野由希子、撮影:穴田香織、永島聡子)
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