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『高原の情熱』ヌーレディン・エサディさん舞台挨拶


TOKYO FILMeX (2013年11月28日 20:15)

1128lumiere01.jpg第14回東京フィルメックスの6日目となる11月28日、特集上映ジャン・グレミヨン特集の一本『高原の情熱』の上映に先立ち、フランス大使館映像放送担当官のヌーレディン・エサディさんが舞台挨拶を行った。エサディさんは「映画ファンに愛されるこの重要な映画祭のセレクションの中で、フランス映画のご紹介の場を与えてくださったことを大変光栄に思います」と挨拶し、東京フィルメックスに感謝の意を示した。


今回の特集は、「呪われた映画作家」と呼ばれてきたグレミヨンの作品を再発見する機会、という。ジャン・ルノワール、ジュリアン・デュヴィヴィエ、マルセル・カルネなど、同時代の監督と同様フランス映画史において重要な存在でありながら、その作品は忘れられていった。その理由として「彼の映画のポエティックな部分、あるいは存在の複雑さを描く深遠なる部分が、当時の観客たちによって前衛的すぎると見なされたせいかもしれません」とエサディさん。その後、世界中のシネマテークやシネクラブ、映画史家や映画監督たちがグレミヨンを紹介してきたことで、再評価の機運がここ数年で高まっている。「多くの映画作家たちが、グレミヨンから着想を得た作品を撮り始めています」。


1128lumiere02.jpg『高原の情熱』は、1943年にアルプ=ド=オート=プロヴァンス県エーグルのダム工事の現場で撮影された。このダムについてエサディさんは、占領下でレジスタンスとドイツ軍の戦闘が行われた場所で、フランス全土が解放された後「レジスタンスのダム」と呼ばれるようになった、と紹介した。


パリのアンスティチュ・フランセ本部では、フランス映画の古典作品の35mmフィルムを数多く所蔵しており、今回上映する『愛慾』『不思議なヴィクトル氏』『高原の情熱』もそうした所蔵作品の一部。東京フィルメックスに引き続いて、2014年にアンスティチュ・フランセ日本では大規模なジャン・グレミヨン特集を開催する。1月に東京、2月に福岡と京都、春に横浜での上映を予定しており、専門家や批評家の講演会や作品紹介も行われるという。


東京フィルメックスのジャン・グレミヨン特集では、12月1日(日)に『愛慾』(10:00〜)『不思議なヴィクトル氏』(12:30〜)の上映が予定されている。


(取材・文:花房佳代、撮影:白畑留美)

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