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特集上映「相米慎二のすべて ~1980-2001全作品上映~」






『東京上空いらっしゃいませ』 Tokyo Heaven
1990 / 109分
©1990 松竹
出演:中井貴一、牧瀬里穂、笑福亭鶴瓶

【作品解説】
不慮の事故に見舞われた新人モデルは自分の死を受け入れられず、死神を騙して現世に舞い戻ってくるが......。少女の逡巡や躍動を長回しのカメラで捉えるスタイルは不変ながら、幽霊になった彼女が生きることの歓喜を知っていく過程の描写には、それまでの相米作品とは異なる高揚感がある。








相米慎二

1948年、岩手県盛岡市に生まれる。71年、中央大学文学部を中退し、日活撮影所に契約助監督として入所。その後フリーとなり、長谷川和彦、寺山修司らの助監督をつとめる。80年、『翔んだカップル』で監督デビュー。続く第2作『セーラー服と機関銃』(81)はその年の日本映画を代表する大ヒットを記録する。これら2作品は薬師丸ひろ子を主演に迎えた商業映画であったが、長回しを多用した大胆なカメラワーク、また俳優に対する厳しい演技指導など、独特のスタイルが映画ファンの間で大きな話題を呼ぶ。82年、長谷川和彦の呼びかけによってディレクターズ・カンパニーの設立に参加。その後も『魚影の群れ』(83)、『ションベン・ライダー』(83)、『雪の断章-情熱-』(85)などの話題作を監督。唯一のにっかつロマンポルノ作品である『ラブホテル』(85)も高い評価を受けた。85年に開催された第1回東京国際映画祭では『台風クラブ』がヤングシネマ大賞を受賞、審査員をつとめたベルナルド・ベルトルッチに絶賛される。同作品はフランスやアメリカなど海外でも公開され、相米慎二の海外での評価のきっかけとなる。93年、『お引越し』(93)がカンヌ映画祭「ある視点」部門で上映。『あ、春』(98)はベルリン映画祭パノラマ部門に選ばれ、国際批評家連盟賞を受賞。同時にキネマ旬報ベストテンの第1位に選出される。2001年には『風花』がベルリン映画祭フォーラム部門で上映。その後新作の撮影に向けて準備を行っていたが、同年9月9日、肺がんにより53歳の若さで急逝。その13本の監督作品は多くの監督たちに影響を与え続けている。












11/25『東京上空いらっしゃいませ』トークイベント/ 笑福亭 鶴瓶
from ブロードキャスト 2011/11/25


 
11/25『東京上空いらっしゃいませ』
トークイベント/ 東劇
ゲスト:笑福亭 鶴瓶 (落語家)
 
Talk Session / Togeki
Guest: SHOFUKUTEI Tsurube
 
----- * ----- * ----- * ------
『東京上空いらっしゃいませ』
1990 / 109分
監督:相米慎二
 
Tokyo Heaven / Tokyo Joku Irasshaimase
1990 / 109 min.
Director: SOMAI Shinji





新情報は順次、追加されます。


『東京上空いらっしゃいませ』トーク(ゲスト:笑福亭鶴瓶さん)
from デイリーニュース2011 2011/11/25

1125joku_01.jpg東銀座・東劇にて開催された「相米慎二のすべて〜1980-200全作品上映〜」。最終日の11月25日、『東京上空いらっしゃいませ』(90)の上映が行われ、終了後、笑福亭鶴瓶さんを迎え、トークイベントが開催された。このイベントで初めて相米作品に出演し、その後、遺作『風花』まですべての作品に出演した鶴瓶さん。聞き手を置かず、独演会さながらに、相米監督への限りない思慕をにじませながら生前のエピソードを語ってくれた。


「どうも、鶴瓶です。
相米さんと、この映画で出会いました。未だになんで僕が選ばれたのか分からないんですけど...終わった後、お前アカデミー賞獲るで、って言われました。こんなんで獲れるんならちょろいもんやと思いましたけど。ただ、ここに出てる中井貴一と牧瀬里穂とはいまでも付きおうてますし、相米さんともずっと付き合いがありました。皆さん相米信者の方はおわかりになると思いますが、『お引越し』(95)や『あ、春』(98)...ずうっとですよ...タダで。『あ、春』なんて酷いですよ。ド頭に出るんや言われて、台本もなんも渡さんと、現場着いたら坊さんの役で。そいで、俺はウソ言うたらええと思ってたんですよ。ムニャムニャ...と。そしたら、台本渡されてこれ覚えろ、と。お経、生まれて初めてで。俺にお経を指導してくれる坊さんが来てくれてるんですけど、下手やねん。声、高いねん。せやから「もうよろしいわ」言うて。お経だいぶ覚えたんですけど、落語に生きてますよ。まったく何とも言わずにそれ渡されて...(監督は)何とも思ってないんですよね。
『東京上空〜』でも、8時間も牧瀬里穂の乳揉ますんですよ。初めて会うのに...(笑)揉んでませんよ。揉んでるふりするだけ。可哀想やから。そしたら「ダメだお前、それ」って言うんですよ。あと(牧瀬さんを)担ぐシーンも、その日はダメで。意味がわからん、なんでダメか。担いで向こうまで走るんですが、「いいや、やめよう今日は」って。たぶん、終わるのがさみしかったんやろね、アイツ。それから、CGとかない時代じゃないですか。(空を飛ぶシーンで)パーンと跳ぶねん。アレ夜中ですよ。ホン書いてる作家の人にも、「おい、引っ張れ」言うて。土方みたいにみんな俺をロープでつり上げて。素人ばっかりで、俺委ねるしかないんですけど、ひとつ間違えたら落ちてコケますよ。素人ばっかりで引っ張ってて、着地も「もっとすーっと降りろ!」って。喧嘩しましたよ。引っ張って下ろす方が大事ちゃうんかい、と。ドン、っと着地したら「ダメだ!」って。ずーーっと吊られてました、夜中じゅう。ほんま死ぬんちゃうかなって思いましたよ。


1125joku_02.jpgで、そっからですよ。なんか...家遊びに来て。三日くらいいましたよ、相米。相米、安田(プロデューサーの安田匡裕さん、2009年3月死去)、俺、中井貴一の四人で「アホの会」ってのを作ってて、いっつも集まってたんですけど、金出すのは俺か中井貴一、やっさん(安田さん)も出してたか。相米はぜっったい出さないんです。何にも出さずに生きてきたんですよ、それも、偉そうにですよ。「おい、今日はなんかないのか」って。「鍼のいいとこないか」って言って、俺のツケで鍼打ってきてるんですよ。ようあんなんで生きていけたなあ思うわ。刺されへんかなあ思うんですけど、なんか愛されるんですよ。信じられませんよ。
ほいでねえ、うちの家泊まって、そいでゴルフ行こうって。ゴルフやり出した頃やったから、新しいゴルフバッグあいつに渡したんです。これ使いや、って。そしたら、取り出して「お、これいいな」なんて言って。(コース回ってる時は)1ホールごとにダラーっと寝そべってんのね。何してんのや言ったら、ゴルフの柄で、痔入れてるんですよ。俺のですよ。新品のですよ!そんなんもういらんやん。そういう作戦で取りよんねん。きったない奴やで。で、ゴルフ場行く時に、「お前、落語できんのか?」って。そんなこと言われたら喧嘩になるやろ?普通。...ならないのよ。あれ、なんかあんな術あるのやろか。コラーお前、なんや!ってなるやろ。(落語できるか、って訊かれて)「出来るで」って言うたんですけど、出来てないんですわ。でも意地やん、こっちの。で、やったんです。そしたら、「お前できるじゃん」て。あれでちょっと自信つきましたよ(笑)。相米慎二がオーケー出してくれたんや。ほんとに落語家としてやりだしたんはここ10年くらいのことで、やっさんは見てるけど、相米にも見せたいなあと思いましたね...
坊さんとか葬儀屋とか、いろんな役やってきましたわ。封切られた時は人入ってなかったのに、なんでこんなに入ってるんやろ、死んでから(笑)。若手の監督とか、よう「相米さんてどんな人?」って訊きにくるんですよ。せやから、あ、すごい影響あったんやな、て。


1125joku_03.jpgで、最後の『風花』ね。取り立て屋の役って言うから、やるわ、って。ずうっと、お金ももろうてないんですよ、出なあかんようになってしまってるんですよ。スケジュールも空けて、金ももらわんのに。なんで?...いてるよね、そういう人。ボロカスに言われても、好きやな、って思う人、いてるよね。それがアイツなんですよ。好きや、とは言うたことないですよ。屈辱的なこと言われてもね...中華屋でみなぎょうさんで飯食べよるとき俺が「もっとジュウナンに物考えや」って言うたんですよ。そしたら、相米が立って、「こいついまジュウナンに、ていうたけど、ジュウナンの漢字が書けるかどうか、ハイ、100円」そんなひといます?結局その場は緊張して書けなかったんですけど(笑)そんな人いますか?屈辱的ですよ。で、書けなかったから金取られてん。
で、取り立て屋の役。台本もなんもないんですよ。で、後から、「あの役な、大阪弁で取り立てたら怖いから、役変える」「え?」とにかくスタジオ来い、言うから、日活やったかな、あのスタジオ。行ったら、カエル。「え?何の役?」「カエル」。
ラストな、鳥獣戯画みたいなん出てくるんや、「小泉今日子」とかってクレジットをカエルが引っ張ってくる、そのカエルや。んで、やったんや(笑)「やってみろ」「ゲロゲロ...」「もっと明るく」「ケロッケロケロ!」「いやもっとカエルらしく!」ものすごい怒られんねんで、カエルの声で。信じられます?
数々の屈辱的な目におうても、嫌じゃない、と。ほんで、死んで、もう10年や。もう関わりもしたくないのに、こうして来て。今回のトークイベントも、タダやで、ギャラ。なんで?「相米=タダ」みたいになってんねん。納得いかんわあ。訳の分からん映画ばっかり撮りやがって。


生きてたらまた違うことになってたでしょうね、俺も貴一さんも、ようそんな話してるんですけど。今日はほんまに相米のために...喜ぶと思うよ、こんなぎょうさん集まってくれたら。相米の息掛かった人たちと、会うたびいつも相米の話してて。男が男に好かれるって、羨ましいですよね。不思議なもんですわ。


後に、そのやっさんて人と、西川美和さんが喋ってるときに...まあ相米一派ですよね、是枝裕和さんもそう。その時に、『ディア・ドクター』(09)の主役誰にしよーってなってたんですよ。やっさんと是枝さんが、鶴瓶さんでどう?って。そいで、あれ7冠もらったんですよ、7冠!かつてありますか、ちょっと自慢したいわ。だから、なんかそういう人間の繋がり言うのは...『東京上空〜』から相米と繋がり、やっさんと繋がり、西川美和と繋がり...そして『ディア・ドクター』に繋がって...良い経験させてもらいましたわ。やっさんもそういうの見ないで死んでいきましたし、相米も...そういう良い映画に出てるってことを...どっかで見てくれてると思いますわ。今日はほんとにありがとうございました、相米のために」


(取材・文:花房佳代、撮影:米村智絵)

1125joku_04.jpg 1125joku_05.jpg 1125joku_06.jpg





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