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タレンツ・トーキョー授賞式

11月25日、有楽町朝日ホールスクエアにて、審査員会見に引き続きタレンツ・トーキョー2017(以下、TT)の授賞式が行われた。TTは、「次世代の巨匠」になる可能性を秘めた「才能(=talent)」を育成することを目的に、映画監督やプロデューサーを目指すアジアの選抜された人材を東京に招いて実施する、東京都などが主催する映画分野の人材育成プロジェクト。今年も事前審査で選ばれた15名の若手監督・プロデューサーたちが6日間のワークショップに参加した。

期間中はゲスト講師にサウンドデザイナーの森永泰弘氏、今回のコンペティション部門の『殺人者マルリナ』のモーリー・スリヤ監督を招いたマスタークラスや、業界関係者を迎えて各参加者が企画を発表する公開プレゼンテーションを開催。一般の方も参加可能なオープン・キャンパス等、多彩なプログラムが行われた。

司会の市山尚三東京フィルメックス・プログラムディレクターより、6日間のワークショップの様子がスクリーンに映し出されると、参加者から歓声があがった。続いてメイン講師のペンエーグ・ラッタナルアーン氏(映画監督)、チェドミール・コラール氏(プロデューサー)、フレデリック・コルヴェズ氏(ワールド・セールス)、クリスティーネ・トロストロム氏(ベルリナーレ・タレンツ、プロジェクト・マネージャー)が紹介され、講師を代表して、コラールさんより総評が述べられた。
「今まで多くのワークショップに参加してきたが、今回ほど達成感を感じたことはなかった。タレンツの皆さんが真剣に取り組み、友情が育まれたいい空間だった。皆さんの目覚ましい成長はご覧の通り。今後も是非TTを続けていってほしい。映画制作に携わる自身にとっても価値のある重要なプロジェクトであり、プロデューサーとして出品もしている東京フィルメックスにも感謝したい」

授賞結果の発表に移り、まずはコルヴェズさんよりスペシャル・メンションが発表された。選出されたのは『Doi Boy』(スパッチャ・ティプセナ プロデューサー/タイ)。
授賞理由は「プロデューサーとしての今後の活躍が楽しみ。フィクションもドキュメンタリーもどんどん作っていってほしい」とコルヴェズさん。ティプセナさんは「本当に有難うございます。タレンツトーキョーに心からお礼を申し上げたい」と喜びを語った。

そしていよいよ、タレンツ・トーキョー・アワード2017の発表へ移った。受賞したのは『I wish I could HIBERNATE』(ピュレヴダッシュ・ゾルジャーガル監督/モンゴル)。賞金30万円が副賞として贈られた。授賞理由については「環境と社会問題に関する真摯な関心。そして映画作家としての声を応援していきたい」とラッタナルアーンさんが講師を代表して述べた。

桜美林大学への留学経験があり、5年ぶりに来日したというゾルジャーガルさんは「私はまずTTに受かったこと、沢山の友人と出会えたことだけで十分に“勝った”という気持ちでいたので、受賞については全く期待していなかった。モンゴルに帰ったらこの大きな賞金はプロジェクトの進行に活かされ、励ましになる。ありがとうございました」と日本語で受賞の感動を表した。

最後に、TT主催者である東京都を代表して、東京都生活文化局文化振興部長の樋渡(ひわたし)幸生様がご挨拶された。
「今年も優秀なタレンツ同士の交流、熱意と意欲があった。TTの終了生は100名を超え、国際映画祭での活躍なども聞き主催者として喜んでいる。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、東京ならではの文化事業を国内外へ発信していく中で、東京で学んだタレンツの皆さんが世界で活躍してくれることは2020年への大きな力となる。皆さんの今後のご活躍をお祈りします」と締めくくった。

今年のコンペティション部門では、2010年の参加者であるモーリー・スリヤ監督の『殺人者マルリナ』が最優秀作品賞を受賞するなど、TT修了生の活躍が目覚ましい。今年のタレンツたちが世界中で活躍する映画の未来に期待を寄せながら、タレンツ・トーキョー2017は閉幕した。

(取材・文:入江美穂、撮影:明田川志保、吉田留美)


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