HOME


ニュース


> 事務局からお知らせ
> レポート
> イベント・上映情報
> 世界の映画祭だより
> デイリーニュース
> ブロードキャスト


デイリーニュース


ラインアップ発表


TOKYO FILMeX (2010年9月16日 22:44)

kaiken01.jpg9月16日、東京・京橋の映画美学校にて第11回東京フィルメックスのラインアップ発表が行われた。林 加奈子ディレクターと市山尚三プログラム・ディレクターが、雨の中足を運び会場を埋めた来場者に、厳選されたラインアップを披露した。


最初に、林ディレクターから審査員の紹介が行われた。審査委員長はウルリッヒ・グレゴール氏。2010年のベルリン映画祭で、夫人のエリカ氏とともに特別功労賞を授与された重鎮は、東京フィルメックスには毎年来場するお馴染みの顔だ。他にタイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督、中国のニン・イン監督、脚本家の白鳥あかねさん、香港国際映画祭アーティスティック・ディレクターのリー・チョクトーさんの5名が、国際審査員としてコンペティション部門の審査に当たる。


会場では、グレゴール氏から届けられたビデオ・メッセージが上映された。

「東京フィルメックスは私にとって第二の故郷のようなもの。数ある映画祭の中でも、お気に入りの映画祭です。毎年参加していますが、そのたびに新たな発見がある。今年は審査委員長として、驚かされる作品に出会えることを楽しみにしています。自身に反映させ、考えさせ、奮い立たせ、目覚めさせるような作品に期待するとともに、刺激を与え、記憶に残り、議論へと駆り立てる、そういった作品を東京フィルメックスから発信できることを願っています」

また白鳥さんからは「私は長年作り手として映画に関わってきました。かねがね映画は作る人、観る人、観せる人の3者が揃わなければ成立しないと考えており、地元川崎市でしんゆり映画祭を16年やってきました。しんゆりでは若い監督の支援を行ってきましたが、東京フィルメックスのコンペティション部門でも若い監督の作品がたくさん上映されることをとても嬉しく思っています」とのコメントが寄せられた。


特別招待作品は11本。オープニング作品にはアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の『ブンミおじさん』(仮題)。東京フィルメックス・コンペティション部門で過去2回グランプリを受賞したアピチャッポン監督は、この作品で今年のカンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた。市山Pディレクターは「間違いなく今年の映画界で最高の作品のうちの一本」と絶賛した。同じくカンヌでジュリエット・ビノシュが女優賞を獲得したアッバス・キアロスタミ監督『贋作』(仮題)、脚本賞を受賞したイ・チャンドン監督『詩』(原題)など、話題の傑作が顔をそろえた。


kaiken02.jpg特集上映の一つ目は「アモス・ギタイ監督特集 越えていく映画」。東京フィルメックスでは第一回以来、ギタイ監督作品の新作を上映してきたが、今回は初期の「亡命三部作」と呼ばれる3本を特集。会期後には東京日仏学院で90年代以降現在にいたるまでの劇映画が上映される。またアテネ・フランセ文化センターでもドキュメンタリー作品の特集が予定されている。

もう一つは昨年に引き続いて松竹との共催となる「ゴールデン・クラシック1950」。松竹キネマ90周年ならびに東京劇場開場80周年(映画館となってからは50周年)記念企画である。東京フィルメックスでは「松竹黄金期の三大巨匠」と題し、50年代の日本映画を代表する渋谷実、木下惠介、小津安二郎監督の作品を上映する。

渋谷実はカンヌ国際映画祭正式出品の実績があるものの、海外へのまとまった形での紹介は実はほとんど行われてない。今回の上映作品は2011年のベルリン国際映画祭での上映が決定しており、昨年の島津保次郎同様、世界的な再評価が期待される。上映機会がほとんどないものの、渋谷実を語る上で欠かせない傑作である『正義派』(1957)をはじめ、今回の8作品のうち5本が作品がニュープリントでの上映となる。

ほかに、東劇が映画館になって最初の上映作品となった『カルメン故郷に帰る』(1951)など、木下惠介と小津安二郎の作品を各3本上映する。


kaiken03.jpg本年の新たな試みはNext Masters Tokyo 2010。日本を含むアジア各国から映画作家を目指す若者を集め、レクチャーとディカッションを通して行う映像人材育成プロジェクトだ。メイン講師はホウ・シャオシェン監督やプロデューサーのサイモン・フィールドさんをはじめ、世界で活躍する映画のプロたち。


そのほかに、子ども向け映画ワークショップ第4回<「映画」の時間>が映画祭会期中に開催される。過去3回で子どもたちは「映画をつくる」ことを体験したが、今回は「映画をみる」「映画を知る」ことに重点を置いたアプローチが行われる。


最後に、特別招待作品『冷たい熱帯魚』の園子温監督、コンペティション作品『ふゆの獣』の内田伸輝監督、『Peace』の想田和弘監督が登壇し、挨拶を行った。


第 11回東京フィルメックスは11月20日から28日まで、有楽町朝日ホール、東劇、TOHOシネマズ日劇、東京国際フォーラム・ホールC(11/20のみ)、銀座テアトルシネマ(<「映画」の時間>)の各会場で開催される。チケットは11月3日よりチケットぴあにて発売予定。


(取材・文:花房佳代/撮影:村田まゆ)


kaiken04.jpg kaiken05.jpg



フィード RSS

【2011年9月】
日  月  火  水  木  金  土 
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

【デイリーニュース一覧】

11/30 2010東京フィルメックス・デイリーニュース

11/28 閉会式

11/28 『詩』(仮題)舞台挨拶、Q&A

11/28 『ゴーレム、さまよえる魂』Q&A

11/28 『ふゆの獣』受賞インタビュー

11/28 『幻の薔薇』Q&A

11/28 審査員会見

11/27 『エステル』舞台挨拶・Q&A

11/27 <マスタークラス>講師:黒沢清・篠崎誠

11/27 『冷たい熱帯魚』舞台挨拶・Q&A

11/27 『ふゆの獣』舞台挨拶・Q&A

11/26 『愛が訪れる時』舞台挨拶・Q&A

11/26 『ハンター』Q&A

11/25 『妖しき文豪怪談「鼻」「後の日」』Q&A

11/25 『独身男』Q&A

11/24 『妖しき文豪怪談「片腕」「葉桜と魔笛」』Q&A

11/24 『The Depths』舞台挨拶・Q&A

11/24 『夏のない年』Q&A

11/23 『ビー・デビル』Q&A

11/23 字幕翻訳講座2<誰でもできる?字幕翻訳>

11/23 『トスカーナの贋作』Q&A

11/23 『Peace』Q&A

11/23 第4回「映画」の時間

11/23 『トーマス、マオ』Q&A

11/22 『アンチ・ガス・スキン』Q&A

11/22 トークイベント「渋谷実の作品の魅力」

11/21 『夏のない年』P・テオさんQ&A

11/21 『ミスター・ノーバディ』Q&A

11/21 『海上伝奇』に関するデータ

11/20 『ブンミおじさんの森』Q&A

11/20 開会式・『ブンミおじさんの森』舞台挨拶

11/20 『正義派』佐藤忠男さんトークショー

11/17  丸カフェ・シネマ塾(第3回)「フィルメックスが待ち遠しい! Vol.2」

11/10 丸カフェ・シネマ塾(第2回)「フィルメックスが待ち遠しい! Vol.1」

10/28 丸カフェ・シネマ塾(第1回)「そうだったのか!東京フィルメックス」

10/ 9 東京フィルメックス in しんゆり『悲しみのミルク』トークショー

9/16 ラインアップ発表

8/11 デイリーニュース2010


【カテゴリー別に読む】

【月別 バックナンバー】
2010年11月 (34)
2010年10月 (2)
2010年9月 (1)
2010年8月 (1)

「デイリーニュース」内で検索


<< Back



>> お問い合わせ   >> プライバシーポリシー   >> リンクについて   >> プレス     第11回東京フィルメックス・チラシ(PDF) >>閲覧用 >>印刷用



▲ Page Top