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『ションベン・ライダー』トーク(ゲスト:永瀬正敏さん)


TOKYO FILMeX (2011年11月22日 16:00)

1122nagase_01.jpg第12回東京フィルメックスの特集上映として開催中の「相米慎二のすべて〜1980-2001 全作品上映〜」。連日大盛況となっている会場の東銀座・東劇にて、11月22日には『ションベン・ライダー』(83)が上映された。目の前で誘拐されたクラスのいじめっ子の奪回を図る少年少女たちを描いたロードムービー。上映後、主人公ジョジョを演じた永瀬正敏さんを迎えて、トークショーが開催された。司会は長年相米作品で助監督を務めてきた映画監督の榎戸耕史さん。


相米監督の第3作目となる本作は、一部のファンからは熱狂的に迎えられたものの、商業的にはヒットしなかったという。「この映画の一番の魅力である躍動感は、永瀬さんの存在なしには語れない」と榎戸さん。撮影当時15歳だった永瀬さんは「訳も分からず飛び跳ねていましたが、自分にとっては原点となる映画なので、今日は皆さんに観ていただいて感慨深いです」と語った。


「俳優の皆さんの身体言語が卓越しているだけでなく、熱狂を通り越して過激。この映画を通じて、永瀬さんはどんなことを感じたのか?」という榎戸さんに、永瀬さんは"頭で考えるな"という監督の言葉が印象に残っていると答えた。「今思えば、役者としてはありがたいことで、自分がジョジョという役柄に近づけるまで時間をかけて待ってくれていたというか。その分、榎戸さんをはじめスタッフの皆さんには本当に迷惑をかけてしまったけれど、脚本の字面をなぞるのではなく深くキャラクターに寄り添いなさい、と教えられた気がします」と、相米監督の言葉がその後の俳優人生における指針となっていることを窺わせた。


1122nagase_02.jpg印象深いシーンとしてお二人は、誘拐された同級生を追いかけて辿り着いた名古屋の木場のシーンを挙げた。永瀬さんは「原日出子さんも含めて、みんな必死でしたね。何度も川に落ちるんですが、水中の木材にくっついたフジツボで擦りむいて、水から上がるたびに血だらけになってた」と、ハードな撮影現場を回想した。また政役の木之元亮さんは泳ぎが大の苦手だったそうで「大丈夫なのかな?と心配しましたが、飛び込むときにアクションヒーローの様に「とぉ!」と叫んでいたのが印象的で」と永瀬さんが話すと、榎戸さんも「実は冒頭に登場した寺田農さんも水が大嫌いで、それを知っているのに監督が意地悪でね」と、寺田さんが死ぬシーンの演出方法を考えた際に、相米監督が「じゃあ、寺田は川に捨てることにしよう」と決めたというエピソードを披露すると会場からは笑いが起きた。


この作品、当初は4時間に及ぶ長尺だったが、劇場公開用に118分に短縮されたという。「相米さんは役者を追い詰めながら撮影し、それをフィルムに焼き付けていく。オールラッシュで4時間バージョンを観た時には、立ち上がれない位感動した」と永瀬さん。
相米監督の人柄については、「撮影当初は、何て人だと思った」という。自転車で坂道を下り、走るトラックに飛び移るシーンでは、自転車がトラックの後輪に巻き込まれる危険なアクシデントがあったが、結果としていいシーンが撮影できたので監督から褒められると思っていたら、その直後、近藤真彦さんの「ふられてBANZAI」を歌うシーンで「遅いじゃないか!」と怒られてしまったという。「撮影中は、監督をぶっ殺してやりたいと一万回くらい思いました。(映画初出演なのに)何も教えてくれなかったし、素人捕まえて何をやってるんだと思うんですけど、今でも本当に相米監督が大好きなんですよ」


1122nagase_03.jpg榎戸さんが「永瀬さんは相米監督を親近感を込めてオヤジと呼んでいるが、監督としてのリスペクトも含んでいますか?」と問いかけると、「これが映画!というものが相米作品にはあるし、自分が道に迷ったり足踏みした時には、必ず相米作品を見直します」と応じ、自分が一歩を踏み出す糧にしていると永瀬さん。まだ自分では客観視できないという『ションベン・ライダー』を別にしても、相米作品全てに思い入れが深いという。


最後に永瀬さんが「フィルムは残るものですが、映画は観てもらわないと始まらない。相米さんと言う凄い監督がいて、日本映画のある意味大変な時期を支えたんだということを、皆さん忘れないで欲しい」と会場に呼びかけ、トークイベントは終了となった。


(取材・文:阿部由美子、撮影:三浦彩香)

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